入隊を控えて「入隊までに何をすればいいか」と考えている隊員たちへ

 

元陸上自衛官のレトロ軍曹です。

自衛隊への入隊を控えて「入隊するまでに何かやっておくべきこと」が気になるという未来の自衛官の方も多いと思います。

 

「ちょっとでも有利になるなら、自衛隊のことについて勉強しようかな」

「体力をつけるために軽く走り込んでおこうかな」

 

入隊前に不安を抱えてしまうことは、ほとんどの自衛官が経験していることと言えるでしょう。私も付け焼刃の腕立て・腹筋を行ってから入隊しましたが、ハッキリ言って「あんなもんやらなくても良かった」という感じでした。

そこで今回は、元陸上自衛官の私が考える「入隊前にやっておいた方がいいこと」についてアドバイスを送りたいと思います。

 

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入隊の事前準備は確実に

虫歯の治療は絶対に済ませておくこと

 

私が自衛隊に入隊したのは今から15年以上前のことなので、少し記憶が定かではありませんが、入隊に際して幾つかの注意事項があったと記憶しています。

例えば「虫歯の治療は済ませておく」というのは最たる例です。前期教育中はやるべきことが詰め込まれているので、なかなか歯の治療をするのは難しいと思います。

 

私が新隊員の頃、点呼の時に「〇〇2士!歯痛!(はいた)」と報告されているのを聞いて、思わず笑ってしまいました(通常であれば「健康状態異常なし」)。ただ本人は相当痛かったようなので、虫歯の治療は確実に済ませておくことをおすすめします。

当時の私の広報官の話では「入隊直後の健康診断で虫歯があれば入隊拒否される可能性もある」と言われていましたが、虫歯のまま来ても入隊拒否をされた隊員はいませんでした。

 

自衛隊入隊時に虫歯があると入隊できない!?実体験を元に答えます

 

用意しなさいと言われている物は漏れなく準備すること

 

私の時は「運動できる服装」くらいだったと思いますが、事前に準備しておけと言われている物は確実に準備しておきましょう。

運動靴なんかは指定された物を買わされるという教育隊も多いと思いますが、もし自分で用意しろと言われるようであれば、少しでも軽いランニングシューズを用意することをおすすめします。

 

私は基本的には物の価値が分からない人間なので、「安い物で全然OK!」という感じだったのですが、時計と靴に関しては出費を惜しまずに良い物を用意し、ウェアに関しては「安い物を高頻度で交換していく」という感じでした。

陸上自衛隊時代に出費を惜しまなかったのは「時計/ウェア/靴」です

 

いずれにしても事前に用意しろと言われた物に関しては、絶対に忘れないようにすることをおすすめします。学校と違って「忘れました」で済まされない可能性が高いです。

用意しろと言われた物は確実に用意したうえで、更に忘れないような準備をしておきましょう。

 

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あとは遊ぶのみ!

運動は不要!

 

自衛隊の厳しい訓練に備えようと思って、自主的にちょっと運動しようと考える人も多いかと思いますが、そんな付け焼刃はあまり意味がないように思います。

どうしてもと言うなら軽く体を動かすことはマイナスにはならないでしょうが、くれぐれも怪我には注意して行うようにしましょう。

 

この手のトレーニングにも正しいやり方というのがあるので、変に我流で行うことで背負うリスクの大きさを考えたら、ほぼ意味のないことが多いはず。

個人的には「どうせ入隊してから嫌と言うほど動くことになるので、今は今しかできないことをした方がいいのでは?」と思います。例えば「遊ぶ」とか。

 

勉強も不要!

 

勉強も不要です。自衛隊内で必要になる勉強は、一般常識や学校で習ってきたような勉強とは違い、自衛隊内の服務や規則に関することになります。

例えば小銃のスペックなんかは丸暗記することになると思いますが、入隊前にこれを勉強しようと思っても、正しい情報が見つかるかどうかは分かりませんし、下手に間違った情報を覚えてしまったら最悪です。

 

自衛隊の中で学ぶ勉強は、実際に自衛隊の中に入ってから勉強するのがいいでしょう。どうせ陸曹になろうと思ったら、そのうち勉強しなきゃいけなくなるので、その時になってから一生懸命やればいいです。

個人的には「どうせ入隊してから嫌と言うほど勉強することになるので、今は今しかできないことをした方がいいのでは?」と思います。例えば「遊ぶ」とか。

 

とにかく遊べ!

 

3月入隊(4月かな?)なら、まともに遊べるようになるのは1ヶ月後のゴールデンウィークになります(ここで帰ってこない人が数名出てくるかも)。

それまでに何度か土日があるかと思いますが、最初の土日は引率外出(地元外から来た隊員のための案内を兼ねた外出)になったり、あとはペナルティで外出禁止になったりしてしまう可能性も考えられるので、入隊前の今はとにかく遊ぶのがおすすめです。

 

自衛隊に入隊したら、しばらくの期間は泊りで遊びにいくことができなくなりますし、みんなで楽しく遊んでいても門限がちらついて夕方以降は楽しくなくなったりするので。

「入隊前になんかやっておいたらいいことある?」と気にする暇があるなら、とにかく遊べ!以上!

 

ジャンクフード等が好きなら嫌になるくらい食べておくといいかも

 

自衛隊での食事は、基本的に食堂で出される食事になります。駐屯地によって美味しい所とそこまで美味しくない所がありますが、基本的には「まぁ普通」という感想に落ち着くことが多いです。

少なくとも刑務所の食事を「臭い飯」と表現することがありますが、そんな感じでは無かったです。駐屯地の外に住んでいる人が当直などで駐屯地内に泊まる時なんかは、お金を払って食べているような食事ですからね一応。

自衛隊の寮で食べられる食事のクオリティとは?当たり外れはあるが満足できるレベル

 

ただし食事の時間が17時半~18時とかなので、就寝時間の23時までの間にお腹が空くことが結構あります。私が新隊員だった頃は、同期みんなでお菓子を食べたりカップ麺を食べたりも普通にできました。

その辺の制限は今でも無いと思うので(結局は部隊によると思いますが…)、甘いものやしょっぱい物を我慢する必要はないものの、本物のラーメンや焼肉、からあげ、ジャンクフードなどは教育中に食べることは難しいと思います(土日限定になります)。

食事も好きなものを好きなだけ食べるという生活は難しくなるので、今のうちに好きなものを食べておくといいでしょう。私の時は特に味の濃い物が食べたくなったので、ハンバーガーとかが好きな人なら間違いなく食べておいた方がいいです。

 

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身体のコンプレックス系

 

直せる病気や虫歯などは絶対に治しておくのがベストとして、問題は「病気じゃないんだけど、手術で治せる・改善できる系のもの」です。

例としては「わきが、包茎、視力」などですね。以下では私の実体験を含め、それぞれの悩みのケースについてご紹介します。

 

わきが隊員は自分も辛いし、周りにも迷惑が掛かる

私はわきが体質で、学生の頃からかなり気を遣って生きてきましたが、自衛隊生活になると四六時中誰かと一緒なので、ここのケアの難しさを痛感しました

私も肩身が狭かったですが、私のせいで不快な思いをした隊員もいたことと思います。会社や学校ならその時だけちょっと我慢すればいいですけど、自衛隊だと私生活まで一緒ですからね。

 

私の場合は手術が怖くてできませんでしたが、周りに指摘されるようなことがあれば、それはそれで手術以上に怖いので、もし不安な人は「入隊前に手術なり、改善なりを考える」というのも悪くないと思います。

わきが隊員の体臭対策|自衛隊でのスメルハラスメントは敵を作るぞ

 

下ネタ好きが多い職場での包茎はネタになってしまう

 

こちらは誰に迷惑をかけるということも無いのですが、自衛隊ではお風呂なども一緒ですし、基本的には「中学生がそのまま大きくなったような大人が多い」ので、こういう部分はネタにして楽しむ隊員が結構います。

もちろん本人が全然気にせずネタにできる感じなら問題ないのでしょうが、やはり本人が気にしているのであれば、それを影で言われるというのは気持ちの良いものではないでしょう。

私は皮系の悩みはなかったのですが、サイズと毛深いことはコンプレックスだったので、真剣に悩んでいる人は入隊前に改善しておくと自信に繋がるかもしれません。

自衛隊で包茎だとイジられる?男社会で感じるコンプレックス

 

裸眼で動けるのは最高のステータス!

新隊員教育中~一般部隊配属までなら、そこまで時間に追われるというケースもあまりないので、コンタクトレンズや眼鏡でも十分に行けます。

眼鏡だと射撃訓練や戦闘訓練の時に苦戦してしまうかも分かりませんが、そんなに毎日毎日やるようなものでもないので、この時点ではそこまで気にする必要はありません。

 

ただ、一生陸上自衛隊にいようと思ったら「陸曹教育課程」という教育に行かなければいけないのですが、ここに行くと「コンタクトレンズの付け外しをする時間も勿体ない」くらいの感じになります。

私の周りでは「陸曹教育前になってレーシックなどの視力矯正をする」という隊員が非常に多かったのですが、普段からメガネやコンタクトを使用していて、いずれそういう視力矯正を受けたいというのであれば、入隊前からやっておくのも1つの選択かも。

自衛隊で視力って重要?目の悪い自衛官はいるのか

 

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最後に

私は体力的に不安があったので、自分なりに走り込んだりしていましたが、今思い返すと結構無駄だったように思います。

全くの無駄ということはないでしょうが、怪我をしなかったから良かったようなもので、怪我をしてしまうリスクを背負ってまですることのメリットは無いはずです。

それならとにかく遊ぶことが重要だと思います。結論、とにかく遊べ。

この記事を書いた人

元陸上自衛官のレトロ軍曹です。20歳の頃に入隊し、自衛隊には6年間在籍していました。仲の良い現役自衛官と今でも交流があるので、定期的に取材みたいなことをしつつ、自衛官を目指したいという人に向けて「もとじブログ」を運営しています。

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