元陸上自衛官のレトロ軍曹です。
この場でこんなことをカミングアウトするのは非常に恐縮なのですが、実は私は「わきが体質」で、自衛隊生活ではとにかく気を遣っていました。
自衛隊では、責めても仕方のない事はあまり咎められることはありません。持久走が遅かったって「お前、なんで足遅いんだよ!」的な責められ方はしないです。
一方でニオイなどの身だしなみに関しては、結構辛辣というかあまり配慮がないというか…。まぁ足が遅いだけなら他に迷惑はかけないけど、ニオイはそうじゃないってことなんでしょう。
直接指摘することはなくても、それが自然と態度に出たり、人の心にズケズケと土足で入れるような隊員は、面と向かって普通に言ってくることもあるので注意が必要です。
というわけで今回は、わきが体質の人が入隊した際のケア方法と対策について考えていきたいと思います。
自衛官でわきがの場合に困ること
四六時中、誰かと同じ部屋にいる
わきがと一口に言っても、程度の差は人それぞれだと思います。さすがにお風呂で洗っていないという人はいないでしょう。
しかし、特に汗をかいていなくても「時間が経つと徐々にニオイがしてくる」という私のような人の場合だと、結構気を遣う必要があります。
というのは、必ず部屋には誰かしらいることが多いですし、私が所属していた部隊では結構狭い範囲の廊下に全員がバーッと並ぶので、隣との距離が近いです。
朝起きて、目も半分開いていない状態で点呼に参列する時なんかは、特に気を付けた方がいいでしょう。
とにかく動いて汗をかく機会がある
自衛隊では「3歩以上駆け足」というルールがあって、教育中はちょっとの距離でも走ることになります。
みんなで走ってお風呂に行って、お風呂から上がったらまた走って居室に帰るなんて、もう意味ないでしょ。こっちはちょっとでも刺激したくないのですが、こういう部分の影響が、点呼を迎える頃に徐々に効いてくるんです。
勤務中は上下迷彩がデフォで、体臭はきつくなるものの、まだ長袖だから少し誤魔化しは効くんじゃないかと思います。
しかし仕事が終わると、今度はジャー戦といって「上が戦闘服、下がジャージ」というスタイルがデフォなので、ここでも同じ戦闘服を着用していると、日中のニオイが染み込んでいて大変なことになるでしょう。
特に入隊直後の教育中は、毎日アイロンがけさせるという意味もあるのか最低限の戦闘服しか支給されないので、いかに服にニオイを付けないようにするかが重要です。
ニオイが付いてしまった時のファブリーズは必須。
作業中、服装も統制と言われて、全員が揃える必要がある
個人的には、運動着姿でバリバリ動いているよりも、「真夏の暑い日に長袖を着ている時の蒸れたような状態」を1番危険視していました。
個人的には、よほど近くで嗅がれたりしない限りは、この状態はセーフだったんじゃないかと思うのですが、「長袖は暑いから全員で上着を脱がないか?」的な流れになることがあります。
自衛隊は基本的には半そでNGで、必要に応じて長袖の戦闘服を腕まくりしたりすることが許されています。しかしこれは「やるなら部隊全員で」というルールがあって、「えー、日焼けするの嫌なんだけどー」というような女性隊員も、半ば強制的に腕まくりをすることになります。
そんな中、部一般部隊に配属されて演習場の整備なんかで山に行くと、暑い中ずっと草刈りをしたりもするので、汗だくになります。そうすると「上着脱いでもいいんじゃね?」みたいな空気になります。
これまでずっと作業をしてきて、汗をかいている状態からの「上着脱げ」はもうキツイです。私も嫌なのですが、私の周りにいる人はもっと嫌だったんじゃないかと思うと胸が痛いです。
自分もキツイけど周りはもっとキツイ
本人には直接言わなくても陰口は聞こえてくる
私が面と向かって言われたのは、6年間の自衛隊生活で1回でした。
その1回は、機嫌の悪かった先輩から八つ当たり的な感じで言われたのですが、後からその先輩に謝られた時に「たぶん周りも気付いていて、何も言えなかったんだろうなぁ」と思いましたね。
私にも「この人もわきがだな」と思う隊員が何人もいて、ぶっちゃけ自分のことを棚に上げるわけにはいかないので、私自身がそれに対して何かを思ったり言ったりってことは無かったんですけど、やっぱ「許せる人と許せない人」がいるような気がします。
普段から面倒見が良くて、色々良くしてくれる先輩がわきがだったからと言って、その先輩の陰口で「あいつ臭いからなー」とか言う人は、周りにも1人もいませんでしたから。
一方で、普段から嫌われている隊員に対する罵詈雑言は本当にすごかったです。その度に「私もここに居なければ言われてるのかなぁ」とか不安になったのを覚えています。
まずニオイのことで周りに迷惑をかけないような配慮は当然として、それでも迷惑をかけてしまうことはありますから、あとは人間力でカバーするような振る舞いが重要です。
「部屋を代えてくれ」がわがままにならない
私がいた部隊には、とんでもない先輩隊員がいて…。奇しくもこの隊員もわきが持ちなんですけど、とにかく部屋が臭いんですよね。
わきが臭と加齢臭が混ざっていて、あまりお風呂にも入っていないのか、シャワーで洗いが足りないのかは分かりませんが、この先輩隊員は「相部屋になった隊員からの苦情が相次いで、何度も部屋を代えられる」という処遇になっていました。
ちょっとこれは特殊なケースなので、何とも言いにくい部分もあります。
わきがじゃない人ってわきがの人の気持ちが理解できないので、影では結構キツイことを普通に言えるんですけど、この先輩隊員に対しては「わきがの私でも『それはないだろ』と思うレベルだった」ので。
それくらいニオイに対する風当たりと言うか、スメルハラスメントは軽視されない傾向がありました(パワハラが当たり前の世界でも問題視されるほど)。
わきが隊員におすすめしたい、わきが用クリーム「D AGICA」
私も自衛隊時代に色々わきが対策を講じてきましたが、まず第一に言えるのは「制汗効果には期待できない」ということです。
どんなに汗をかかないようにしたところで、暑い日に長袖の迷彩服を着て走り回るわけですから、制汗効果をアピールしている物よりも「汗をかいてもわきが臭を抑えてくれる」という方向にアピールをしている商品をおすすめします。
その点、こちらのD AGICAは「男性用に特化したわきがケアクリーム」で、脇毛があってもその上から塗ることができるという優れ物です。
ユニセックスの商品だと「ムダ毛を手入れしている女性と同じ商品で効果があるの?」と感じた人は結構いるんじゃないかと思いますが、D AGICAは男性用として特化した商品なのでおすすめです。
最後に
体型とか身体に関する悪口は言うなと育てられてきた私も、ニオイに関しては本人の管理不足とも取られてしまう部分を感じるので、わきが体質は本当に肩身が狭いなぁと思うばかりです(もちろんそのせいで被害を受けている人が1番の被害者ですが)。
私は最終的にはしていませんが、先輩から指摘された時は本気で手術を考えました。パンフレットとかも取り揃えて、結果的には怖くなってやめちゃったんですけど…。
たぶん自衛隊生活をやっていると、自分の体臭に対して悩む瞬間はたくさん出てくると思います。幸い、自衛隊では手術費用に対する不安は考えなくてもいいほどお金は貯まると思うので、あとはご自身の境遇と照らし合わせて検討していただければと思います。