元陸上自衛官のレトロ軍曹です。
私は陸上自衛隊に入隊する前、「自衛隊は筋肉隆々で脳みそも筋肉で出来ているような人ばかりなんだろうなぁ」と思っていました。…が、実際にはそんなことは無かったです。
新隊員教育の教官の中には、アニメのフィギュア(魔法少女系)を集めてそうな外見の隊員もおり、新隊員同期と一緒に「ブタマン」と影で呼んでいたら、本当にそっち系の人間だったということもありました。
※アニメのフィギュア(魔法少女系)に対する批判ではありません。
営内にこもってゲームをしているという人も意外と多いです。外出でゲーセンに行くという隊員も多く、むしろ「休みの日も山に行ってキャンプをする」という方が異色かも。
というわけで今回は、「自衛隊員にもインドア派っているの?|ゲーマー、オタク気質な人は?」というテーマで進めていきたいと思います。
自衛隊は学校の延長というイメージ
色んな隊員が集まって構成されている組織
自衛隊は警察や消防と違って、入隊時に体力試験がありません。つまり入隊時の体力なんか例えゼロだったとしても、入隊はできるということです。
この時点で、他の警察や消防と比べて「体育会系の要素」は薄まるんじゃないかと思います。
警察や消防に入ったことがないので何とも言えませんが、学生時代に運動部に所属していたという割合を比べてみると、たぶん雲泥の差で自衛隊は低いんじゃないかと。
ただ、私を含め同期隊員やその他の隊員を見ていると「警察や消防の入試に落ちてしまい、仕方なく自衛隊に入隊した」という隊員も一定数いたため、もしかすると体力馬鹿すぎて警察や消防の筆記試験に通らなかったというケースも否定できませんけど。
ちなみに私は、断然インドア派のオタク気質です。
イメージ的には公立学校
これは多くの現役隊員も納得してくれるんじゃないかと思いますが、陸上自衛隊は「職場というよりも、中学校・高校の延長上にある」というイメージが強いです。
高校だとある程度近い学力の人が集まるから、正確には中学校かもしれません。実に色んな隊員がいるので、勉強が得意な隊員もいれば苦手な隊員もいて、太ってる隊員もいれば坊主なのにすごくオシャレな隊員もいます。
それでいて、ちょっと子供じみた嫌がらせがあったり、先輩には逆らえない的な空気感も中学校にそっくりです。中学校10年生とかそんなイメージ。
なので運動部に所属している人もいれば、文化部に所属している人もいて…。とにかく色んなグループが完成するくらい細分化されていると言えるでしょう。
だからインドア派だからって肩身が狭いとかそういうことはなく、むしろ「よほど特殊な趣味でもない限りは、周りに必ず仲間がいる」と思います。
ゲームの協力プレイが激熱!
陸上自衛隊の寮生活でも、別途契約が必要になりますがインターネット回線は引けるので、ゲームが趣味な隊員同士で集まって協力プレイを楽しむのは激熱だと思います。
私が陸上自衛隊に在籍していた頃は、まだそこまでオンラインゲームが今ほど流行っていなかったように思いますが、それでも「コールオブデューティー」と呼ばれる戦争系FPSで、チームを組んで遊んだりしていました。
※「なんで休みの日まで戦闘訓練しとんねん」という感じ。
その頃はモンスターハンターが流行っていて、PSP1台でネット回線なんかも不要で手軽に遊べたので、これはゲーマーじゃなくても多くの隊員が遊んでいたと記憶しています。
このゲームを通じて他部隊の先輩や後輩とも交流が出来たくらいですから、今のソシャゲ熱を見ていると、インドア派でも体育会系の世界に溶け込める空気感は極めて強いと言えるでしょう。
※むしろ友達が少ない私のような場合だと、一般の世界で一緒にゲームをやる友達が見つけられません。
気の合う仲間が必ず1人は見つかる
必ずって言うのは言い過ぎかもしれないですけど、本当に色んな隊員が集まるので、気の合う仲間が1人は見つかるはずです。
私も自衛隊を辞めてから未だに連絡を取り合っている隊員が何人かいますが、この人たちは多分「自衛隊で出会っていなければ、特に繋がることはなかった種類の人たち」だと思っています。
こういう人たちと出会えただけでも、自衛隊生活は無駄じゃなかったと言い切れます。
最後に
私は自衛隊に入隊してから、ギターも始めましたし、スノボも始めました。バイクや車に興味を持ったのも、自衛隊に入隊してからです。
これらは全て「そういう趣味を持っていた隊員の影響を受けた」ことによるものですが、自分が興味を持ったことに対して、詳しい隊員が必ずいるというのは非常に良い部分だと思います。
インドア派の人でも同じような趣味を持つ仲間が必ずいますし、今まで「アウトドアなんて…」と思っていた人が、アウトドアの魅力に気付くというパターンも大アリです。
そういう意味では、自衛隊生活は非常に楽しいものになるんじゃないかと思います。