元陸上自衛官が「自衛官は頭がおかしい」と思った部分を語る

元陸上自衛官が「自衛官は頭がおかしい!」 そう思った部分について詳しく語る

元陸上自衛官のレトロ軍曹です。自衛隊は良くも悪くも超が付くほど特殊な環境であり、国家公務員という立場がありながらも一般的に想像されるような国家公務員とは少し種類が違います。

私自身も陸上自衛隊に在籍していた時期があり、いくつかの部隊を見てきました。そして現在は民間企業に勤めていますが「自衛官って頭おかしいんじゃね?」と思う部分がいくつかあったのも事実です(自衛隊内にいるときは「これっておかしいんじゃない?」と思っても確信がなかった)。

以下では私自身が陸上自衛隊に在籍していた時に思った「自衛官は頭がおかしいと思った部分」について進めていきます。

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自衛官は頭がおかしいと思った部分

「厳しさの意味をはき違えてない?」と思うことが多々

陸上自衛隊では転機があると、教育隊と呼ばれる部隊に所属する機会が訪れます。最も多く語られるのは新隊員として入隊直後の新隊員教育隊、そして陸士長から3等陸曹に昇進するための陸曹教育課程です。

この教育隊、私が経験してきたもののほとんどは理不尽に厳しいものでした。例えば新隊員教育の場合、新隊員に対して「自衛隊はこういうところだ!」というのを教え込むという意味も含め、割と厳しかったり理不尽に感じることが多いです。

 

個人的には「点呼の時間に1秒でも遅れた人間がいれば全員に罰」みたいなものは、まだ許せるというかそこまでおかしいこととは思いませんでした(まぁ民間企業にいる今は、同僚の遅刻で自分に罰が与えられると思ったらたまったもんじゃないですが)。

ですが、掃除が終わったら外出OKという条件下で「チリの1つでもあれば掃除が終わったと認めず、教育期間初の外出は基本的に許可しない」というような、理不尽な悪しき風習がとにかく多いです。新隊員教育中には、部屋に台風が来てベッドが逆さまになったりします。

営内に突如訪れる「台風」の話|自衛隊の悪しき風習の代表格

 

パワハラ・セクハラの相談相手が信用できないケースが多い

どこの中隊・小隊にも相談役のような立場の人がいます。これについては民間企業も一緒だと思いますが、この手の相談役になれるような人は大抵立場が上の人であり、職権乱用とも呼べるような振る舞いをしているケースも否定できません。

班長が相談役だったとしたら「班長にセクハラされています」と告発しにくいわけで、その辺の一般陸曹がセクハラをするケースはあまりないんじゃないかと思います(知らんけど)。

 

あとはSNSで告発したり、会話の様子を録画・録音しやすい一般社会での告発と比べると、自衛隊内のそれはやや難度が高く、一般常識が通用するかどうかが疑問です。

一般社会でも某市役所で市長の悪行を告発した際に、犯人捜しのようなものに尽力しているみたいな報道がありましたが、一般社会の場合はこういうことをすると二次報道・三次報道と徐々に加熱するイメージがあるじゃないですか?でも自衛隊内での事件や事故の場合、そこまで報道されるのかなという不安があります。

ゆえに、ただでさえ一般社会でセクハラやパワハラを告発するのも簡単じゃないのに、自衛隊内でそれを告発するのは相当難しいという印象です。

自衛隊でも上官の立場を利用したパワハラ・セクハラなどを問題視していますが、根絶するというよりは上層部が「ちゃんと対応していますよ」というポーズのために形だけ相談役を置いているだけで、本気でパワハラをなくそうという意思で取り組んでいるわけではないんだろうなぁと感じることが多かったです。

 

トイレに「思い詰める前に相談して!」というポスターがある

自衛隊は自殺者が多い職場ということで有名です。私が生活していた寮内でも、同じ部屋ではありませんが自殺者が出ました。ちなみに私が所属した部隊のすべてのトイレで「辛くなったら相談して」みたいなポスターが貼られていて、これが自殺防止のための対応策の1つなんだそうです。

当時はそれが当たり前のことだと思っていましたが、今考えると「職場のトイレに自殺防止のポスターがあるのってやばくない?」と思ってます。「それで効果が出ていないのであれば、他の対策を考えたほうがいいのでは?」という感情もありますし、もっとやばいのが定期的に外部から相談員が来るケースなどです。

 

これは隠ぺい体質がある組織内における第三者機関のようなものだと思うのですが、自衛隊の外からいじめの相談員のような人が来て、話を聞いてくれるという機会がありました。

確かにいじめに遭っている人にとっては、これ以上ない救いなのかもしれません。ただ、私が所属していた部隊においては「せっかく外から〇〇先生が来てくれる→誰も相談しないのは失礼だ」ということで、各小隊からノルマで相談者を選出されるという恒例行事でもありました。

つまり「誰もやりたくないことを押し付けられる隊員が出てくる=これもいじめの一環じゃない?」ということが起こっていて、それに気付けない上官が多いのか、もしくは気付いているけどそれでいいと考えている上官が多いのか…。

 

銃を倒したりしたら銃に全力で謝る

自衛隊では自動小銃を使った訓練がありますが、銃は取り扱いが危険なため、うるさいくらい徹底した取り扱いを指導されます。

自動小銃は細かい部品で構成されている部分もあり、万が一部品を無くして看過されることがあれば、1つずつ部品をなくしていけば最終的に銃が作れることにも繋がるため、部品の紛失は決して許されません

それがあるので初めての銃の分解結合の際に、上官が新隊員にバレない様に銃の部品を隠して、最終的に罰の腕立て伏せをさせているときに部品が出てくるという恒例行事があります。やっている方は面白がってやっているんでしょうが、やられる方はたまったもんじゃありませんし、上官に対して「頭がおかしい」と感じるはずです。

訓練中に銃の部品を失くしたら、見つかるまで徹底的に探すぞ

 

それらが行き過ぎた結果なんじゃないかと思いますが、銃を倒したりしてしまった場合、銃に対して全力で謝罪するという文化がありました。私が所属していた教育隊では「銃さんごめんなさい!」と叫びながら腕立て伏せをさせられたのを覚えています。

同期隊員が見ている前で自分だけが恥ずかしい言葉を叫びながら罰を受けているという屈辱でもって、二度とこのような過ちをしないためにやらせているんだとすれば、もっと別の方法があるんじゃないかと思った次第です。

 

頭がおかしい=本音と建前がはっきりしている

はっきり言って頭がおかしい人なんて自衛隊に限らずたくさんいますし、実際に自衛隊をドロップアウトしている私は、自衛隊の人たちからすれば頭がおかしい人なのかもしれません。

頭がおかしいという表現が攻撃的な表現なので、気分を害されてしまう方もいるのではないかと思います。なので具体的な表現がないかと探してみたところ、本音と建前がはっきりしているという表現が近いのではないかと思いました。

 

例えば、いじめのポスターやパワハラ・セクハラの問題についても、本音では「こんなんで無くなったら苦労しねーよ」という本音がありながらも、上層部から下に下に指示が降りてきて現場でやらされていることです。

当時の私のような下っ端隊員からすれば逆らえない上官の指示でも、その上官も更に上からやれと言われています。雲の上から降りてきた指示なので、現場は従わざるを得ません。私も下っ端隊員の段階で退官しましたが、もし自衛隊に残っていれば同じことをしたんだろうと思います。

 

おかしい環境にいたことによって感じる影響

はっきり言って自衛隊組織は体育会系の最たる例でもあるので、悪しき風習も多ければパワハラや暴力が日常茶飯事と言っても過言ではない部分もあります。最近では「上官が隊員の頭をバインダーで叩いて処分」みたいなニュースも見ますが、ぶっちゃけこんなのは氷山の一角で明るみに出ないことの方が多いはずです。

というか体罰は本当に良くないのかという意味でも、個人的には「言ってわからないなら叩かれても仕方ないのでは?」という部分もあるんですよね。もちろん「仕事ができない」というような理由ではなく「遅刻が多い」などの根本的な部分です。

しかしそのような理由であっても体罰は良くないというのが時代の流れなわけで、自衛隊にて「軽く叩くくらいは当たり前、肩を突飛ばしたりくらいは普通にある」という環境にいると、それが当たり前だという感覚になり、いわば洗脳されている状態になります。

私は20代の前半を陸上自衛隊で過ごしましたが、未だに洗脳が解けないというか「一般の人と少し感覚がずれているかも」と感じる点があるのも事実です。

自衛隊生活は人格に大きな影響を与える|良い意味でも悪い意味でも

 

最後に

あ、思い出しましたが、自衛隊内では勤務の始まりと終わりに国旗に対して正対して敬礼するという文化があります。朝礼、終礼中であれば隊全員で当たり前のようにやりますし、駐屯地内を歩いているときも周りに人がいれば必ずやります。

しかし休みの日、部屋に1人の状態でそれが起こってもやらないです。なんなら部屋に3人くらいいても、それをやるのは新隊員くらいです。最初は「必ずやるように」と教わりますが、これこそ本音と建前の典型じゃないかと思います。