訓練中に銃の部品を失くしたら、見つかるまで徹底的に探すぞ

 

元陸上自衛官のレトロ軍曹です。

陸上自衛隊では、官品(国から支給される衣類や道具)の管理を徹底されるほか、とにかく物の管理について口を酸っぱくして指導されます。

 

個人が何かを無くしたというレベルの話なら、説教されて反省文を書かされる程度で終わりかもしれませんが、銃の部品となると話は変わってきます。

実は薬莢(弾を撃った後の抜け殻)も紛失が許されず、もし数が合わなければ徹底的に探すことになるんですよね。

 

以下では、私が自衛官だった頃に1度だけ遭遇した「薬莢紛失事件」の話を交えながら、訓練中に銃の部品を失くすとどうなるかについて書いていきたいと思います。

 

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訓練中に銃の部品を失くしたら、見つかるまで徹底的に探す…らしい

 

私が自衛隊に在籍していた頃は、64式と89式の2種類の銃を使用していました(今はもっと新しいのがあるのかな?)。

数字は作られた年数を表しているわけですが、64式の方に「これは嫌がらせなんじゃねーか!?」と思うくらい、紛失しやすい部品があるんですよね。

 

戦闘訓練中は銃を持って走り回ったりするものの、訓練ということで実際に銃を撃つことはありません。

というわけで、銃から部品が落ちないように黒いビニールテープでガチガチに固定します。

この固定の仕方が甘いと、どこかのタイミングでポロっと部品が落ちて、気付いた時には大惨事になるという寸法です。

 

ちなみに私が在籍していた部隊では、新隊員教育時に銃を倒してしまったりすると『「銃さんごめんなさい!」と謝りながら腕立てをする』という謎の風習がありました。

これはちょっと変な例ですが、それくらい銃の取り扱いはうるさく指導されます。

 

幸い私の周りでは、銃の部品を失くしたということはありませんでしたが、「もし銃の部品を失くしたら、見つかるまで徹底的に探す」と言われていましたね。

※せいぜい探しても3日くらいだとは思いますが、まぁそれくらい「絶対に失くすんじゃねーぞ!」って意味だったんだと思います。

 

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射撃訓練時に薬莢を紛失した事件の話

 

私は当事者では無かったのですが、部隊で3つのグループに分かれて射撃訓練に行くということで、その最終C班がやらかしたことがあります。

射撃場から駐屯地に戻ってきたら、薬莢が1個足りないということで大騒ぎになりました。

 

ちなみにC班は、朝に駐屯地を出て夕方帰ってきたわけですが、そこで薬莢が1個足りないということになり、その足でまた射撃場に戻って探すっていう…。

結局22時くらいには帰ってきたものの、薬莢は結局見つからず。翌日も探しに行くということで、当日は解散となっていました。

 

C班は翌日も射撃時と同じように朝から駐屯地を出て行って、その日の朝礼の時の話では「もし今日中に見つからなければ、応援を出す」という話があり、陸士だった私は完全に支援に生かされる予定でしたね。

結局、朝礼が終わったくらいのタイミングで見つかったという連絡があり、事なきを得ました。

 

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多くの場面で惰性があることが原因

 

実際の射撃訓練では、命が関わってくる問題ということもあって、色んな細かいことを徹底的に指導されます。

2人1組になって訓練をするんですけど、撃つ人が相棒に報告して、相棒が大元の班長に報告して、大元の班長が更に上の…みたいな感じです。

まぁ徹底しているように見えて、1番上にもなると「もはや惰性じゃないか?」と思ってました(当時の話です)。報告が重要なのは分かりますが、ここまで行くと作業です。

 

相棒は銃を1発撃つごとにカウントするんですけど、1人ずつ撃つわけじゃなくてみんな一斉に撃つもんだから、たまに「今、撃った!?」って瞬間があったりなかったり。

薬莢が飛んで行かないように「うちわのような物」でガードしつつ、薬莢を頼りにカウントするも、その薬莢が明後日の方向に飛んでいくこともあるので、その辺も注意が必要だったり。

 

撃ち終わったら安全装置を掛けます。そして、安全装置が作動している部分を指差して確認する、指差し点検なるものも強制されます。

この指差し点検なんですけど、今思えば結構無駄だったんじゃないかと思ってまして…。

 

というのは、射撃に行く前の訓練で既に弾の入っていない銃を持って、弾が入っている前提で「弾倉を指差しながら『弾込めよーし!』とかやってる」わけです。

現役の頃は口が裂けても言えませんでしたが、今思えば結構すごいことやってたなぁと思います。

 

ちなみに新隊員の頃から銃に触る機会はありますが、常に要所要所で安全装置の指差し確認を行います。

100人の新隊員がいれば1人くらいは「安全装置が掛かってないのに『安全装置よーし!』とか惰性で言い出す」ので、そういう隊員には注意しましょう。

 

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銃関連の部品の紛失は、とりわけ厳しい

 

実際に自衛隊では入隊時や部隊配属時などのタイミングで、色んな官品を支給されます。

これらは定期的に「ちゃんと所有しているか」などの点検があるのですが、私の周りではちょこちょこ紛失している人もいて、そういう人は「余分に持っている人からもらう」など、うまくやっていました。

 

ただ、銃関連の物と身分証だけは結構な大事に発展します

銃に関しては、薬莢も「本当に薬莢かどうかの証明が出来ない」ということになり、下手すると実弾の可能性もあるわけです。

銃の部品に関しても、全ての部品を1個ずつ紛失してしまったら、銃が完成してしまいますからね。

 

あと身分証も結構きつい指導があります。

慣れてくると縛着せずにカバンの中に入れたりし始めて、そのかばんを盗まれて一巻の終わりというパターンを2回か3回くらい見たので、これはマジで注意が必要です。

 

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最後に

銃を分解したときは小さい部品がどこかに行ってしまう危険性があるものの、大抵は毛布を敷いてそのうえで作業しますし、一時的に失くしてもすぐに見つかることが多いです。

 

一方で慣れてきた時に、適当な場所で銃の整備を始めたり、訓練の時にビニールテープをケチったりして痛い目に遭うということが多いような気がします。

この記事を書いた人

元陸上自衛官のレトロ軍曹です。20歳の頃に入隊し、自衛隊には6年間在籍していました。仲の良い現役自衛官と今でも交流があるので、定期的に取材みたいなことをしつつ、自衛官を目指したいという人に向けて「もとじブログ」を運営しています。

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