運動音痴やデブ、引きこもりが陸上自衛隊に入隊したらどうなる?

 

元陸上自衛官のレトロ軍曹です。

私は同期と2年遅れで入隊し、あまり大きな声では言えませんが未成年の頃からタバコを吸っていたので、運動部に所属していた過去はあっても体力的には自信がありませんでした。

※警察の入試も受験し、その時の体力試験では下から数えた方が早かったです。

 

そんな私でも、陸上自衛隊ではそれなりにやっていくことができたので、たぶん運動音痴でも大丈夫じゃないかと思います。…よほど酷い場合はアレですが。

というわけで今回は、「運動音痴やデブ、引きこもりが陸上自衛隊に入隊したらどうなる?」というテーマで進めていきたいと思います。

 

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運動音痴、デブ、引きこもりが陸上自衛隊に入隊したら…

 

最初はきついかも知れないけど、後は本人のやる気次第

警察試験の体力検定のシャトルランでは下から数えた方が早かった私も、陸上自衛隊の持続走(3km)では真ん中よりちょっと上くらいでした。

今でも覚えているのですが、タイムは12分30秒です。私の所属していた部隊では1kmを4分で走れればまぁ馬鹿にはされないというレベルだったので、それよりちょっと遅いペースではありましたが、まぁ及第点という感じでしょう。

 

ちなみに入隊当初、教育隊で最も遅い隊員は多分14分くらいだったと思います。

この隊員も前期教育終了時は13分ちょっととかで走っていたような気もしますし、入隊後にどれくらい頑張るかによってもタイムは大きく変わってくるので、入隊時点での体力は特に気にする必要はないです。

自衛隊ではどの程度の体力があればOK?持久走が苦手な人向けの助言

 

射撃能力と運動能力は比例しない

 

自衛隊では射撃訓練がありますが、少なくとも「射撃が趣味です」なんて物好きはそうそういないので、射撃に関しては横並びのスタートになると思います。

しかも練習っていう練習ができるわけでもなく、個人的には「教育中の射撃なんて運が8割」くらいに思っていました。

ちなみに私は射撃で賞を貰ったことがあるくらい「当たる人」でしたが、なぜ当たっているのかは全く分かりませんし、どうやったら当たるのかもわかりません。

 

ただ、そんな私は「自衛隊の中では勉強ならそこそこ自信があるけど、運動はからきし」という、どちらかというとインテリタイプです。

その私が断言しますが、射撃と運動能力は関係ないのでご安心ください。

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自衛隊の体力検定は、やったかやらないか

運動神経と言われると、運動のセンスというか「そつなくこなせる器用さ」みたいなものが問われているような気がするじゃないですか?

運動神経の悪い人って、例えば「球技がうまい」とか「やったことのないスポーツでも、そこそこ活躍できる」とか、そういうことだと思うんです。

 

一方で自衛隊で求められる体力検定の競技内容は、結局「その訓練をやったかやらないか」だけで、ほぼ決まります。持続走だけは多少センスが関わってくるような気もしますが、腕立て伏せや腹筋運動なんかは結局「どれくらい訓練したか」ですから。

運動神経が悪いと思っていると、心のどこかで「俺なんかが頑張ったところで…」というような感じで卑屈になってしまっている可能性があると思います。それが一切無くて、努力家なら入隊後にメキメキ伸びていくでしょう。

自衛隊は体力に自信がなくても大丈夫!?|訓練のキツさに関する内部事情

 

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入隊後は努力次第で十分に挽回可能

 

運動神経の良し悪しが判明する場面は意外と少ない

学校の体育の授業なんかだと「野球部なのにバスケも上手い」とかになれば、「あいつは運動神経がいいなぁ」となります。

ですが、自衛隊では意外と「あいつは運動神経がいいなぁ」と感じる場面が少ないです。それこそ体力検定が1級ともなればすごいと思いますが…。

 

ただ腕立てや腹筋が得意なだけなら運動神経が良いとはならないですし、持続走が速いだけでもそれは同じです。

全ての運動ができないというパターンだと「運動神経が悪い」というイメージが出来てしまうものの、腕立てや腹筋なんてやってればそのうち出来るようになります。

持続走も走っていればそれなりにタイムは伸びていくので、一定以上のタイムになるには多少のセンスと努力が必要ではあるものの、基本的に運動神経が悪くても努力次第で全然問題ないというイメージです。

 

足が遅かった同期のS君の話

私の同期にS君という隊員がいました。彼は人柄が良く、とにかく努力家だったのですが、部隊配属時点で持続走が同期の中でも下から3番目とかそれくらいでした。

本気で陸曹を目指すと決めてから、彼は毎日1日10キロ走ったりして、最終的には3kmを10分台で走るレベルになっていたので、彼を見て私は「あ、努力って裏切らないんだな」と痛感しましたね。

 

雨の日も毎日走っていたのを見ていたので、彼の場合は運動神経よりもずっとすごい才能を持っている感は否めないものの、「入隊してからどういう行動を取るか」で大きく変わるという良い事例じゃないかと思います。

決して簡単じゃないですが、学校みたいに「勉強しながらスポーツも」という感じではなく、自衛隊では「身体を鍛えることが仕事」という部分があるので、思いっきりやれるでしょう。

 

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最後に

運動神経が悪い人、運動能力が低い人は、入隊してやっていけるかどうかが不安になるかと思いますが、全然問題ないです。周りだって「自分がビリにはなりたくない」という感情もありますからね。

特に教育隊だと、どうしても「出来ない奴に基準を合わせる必要がある」ので、むしろ感謝されるくらいだと思います。

あとは入隊してから悔しさをバネにして、そういう奴らをごぼう抜きすればOKです。決して簡単じゃないですけど、そういう隊員はS君を始め結構いたので、諦める必要は全くありません。

この記事を書いた人

元陸上自衛官のレトロ軍曹です。20歳の頃に入隊し、自衛隊には6年間在籍していました。仲の良い現役自衛官と今でも交流があるので、定期的に取材みたいなことをしつつ、自衛官を目指したいという人に向けて「もとじブログ」を運営しています。

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