自衛隊に入れば誰でもマッチョマン!?自衛官の筋肉事情を暴露する

 

元陸上自衛官のレトロ軍曹です。

私は陸上自衛隊に入隊する前、陸上自衛官に対して「筋肉バカ、脳みそまで筋肉」という印象を持っており、とにかく筋肉隆々のゴリゴリマッチョマンばかりという印象を持っていました。

しかし実際はそんなことはなく、だらしないほど太っているという人こそ少ないものの、基本的には「そこまでガッチリ体型の人ばかりではない」です。

以下では、陸上自衛官の肉体事情について暴露していきたいと思います。

 

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結局は人による

 

こんなことを言ってしまったら身も蓋も無いのですが、自衛官にも「お前、いざという時に日本を守る気ないだろ?」というくらい太った人もいます。

もちろんバッキバキで「あなたドラゴンボールに出てました?」という感じの人もいれば、至って標準的な人も。

ちなみに私は身長が172cmで体重が55kgですが、これは入隊前も入隊後もほとんど変化なく、現役時代は若干引き締まっていたかなという程度で、その時も特にマッチョという感じはありませんでした。

 

ところで、街にいる自転車姿の警察官や交番に勤務している警察官を見て「この人が暴漢を取り押さえられるんだろうか…」と思ったことってありませんか?

警察官にも「何かあったらこの人、大丈夫なんだろうか?」と不安になってしまう体格の人がいるように、自衛隊にも似たような感じの人がたくさんいます。

あくまで私の勝手な考えですが、消防官の人で「この人、大丈夫なのかな?」と思ったことは無いような気がするので、同じ国家公務員の中でも消防官に対しては別格というイメージを持っていました。

 

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太っていると不利な事

 

自衛隊では定期的に体力検定があります、種目は以下の通りです。

  1. 腕立て伏せ
  2. 腹筋運動
  3. 3km走
  4. 走り幅跳び
  5. 懸垂
  6. ソフトボール投げ

自衛隊は体力に自信がなくても大丈夫!?|訓練のキツさに関する内部事情

 

陸上自衛隊で言えば、陸士長という階級から3等陸曹という階級に昇進するためには、この体力検定に合格しないとなりません。

太っていると走り幅跳びや懸垂で大きく不利になりますから、基本的に陸士のうちに大きく太っている人というのは「本人もずっと自衛隊にいるつもりはない」という人が多いです。

 

そして腕立て伏せや腹筋運動で求められているのは「決められた時間に何回出来るか」という能力なので、ゴリマッチョの人が得意とする「重たいものを持ち上げる能力」はそこまで求められていないと言えます。

私の同期に、高校時代にレスリングで大活躍していたゴリゴリのマッチョマンがいましたが、彼は3km走が極端に遅くて大苦戦していました(陸曹試験に合格する頃には、入隊当初よりも体はだいぶ小さくなってましたね)。

そういうこともあって、そこまで大きな筋肉はむしろ使う場面が少なく、どちらかというとバスケ部体型のような人が大活躍できるようなイメージで差し支えないでしょう。

自衛隊で筋肉を鍛えることはできる?|細マッチョ多めでゴリマッチョ少なめ

 

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本人の努力なしで体型が大きく変わることはない

 

中には「入隊前はガリガリだったのに、しばらくぶりに会ったらマッチョになっていた」というケースもありますが、比較的それは稀なケースです。

基本的には入隊前の体型とそこまで大きく変わるということは無く、若干引き締まったかなという程度に落ち着くことが多いでしょう。

 

しかし、学生時代に体育が苦手で運動がからっきしだったという人でも、体力試験に関係する種目はある程度できるようになります。

私も入隊当初は鉄棒にぶら下がってからの懸垂が1回もできませんでしたが、その半年後には普通にできるようになりました(体型は変わらず、力の使い方を覚えたという感じ)。

 

中には「マッチョになりたい!」という憧れを持って入隊するという人もいるかもしれません。私も入隊当初は「これで勝手にマッチョマンになっていくんだろうなぁ」と思っていました。

しかし現実的には、陸上自衛隊では軽量級のボクサーのような体型が理想なので、ゴリゴリのマッチョを目指したいという場合は一般人としてトレーニングジムに通う方が現実的だと思います。

 

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陸曹試験に合格した後は…

 

上の方で「陸士から陸曹になるには体力試験に合格することが必須」と書きましたが、陸曹になれなければいつかは自衛隊を辞めなければならないので、自衛隊に残るには「ある年齢に差し掛かる前に陸曹試験に合格すること」が大切です。

では、陸曹になった後は?

基本的に階級の降格はないので、言い方は悪いですが「陸曹になってしまえば体力試験に落ちても問題はない」というのが現状です(ただし風当たりは強くなりますし、昇進も遅くなります)。

 

そのため危機感がない人だとぶくぶく太っていきますし、私の所属していた部隊にも「お前、万が一戦争になったらどうするの?戦えるの?というか、動けるの?」と言いたくなるような3等陸曹、2等陸曹が数人いました。

陸上自衛隊では、言われたことをやっているだけでガンガン痩せていくほどのハードな訓練は滅多にないので、体力や体型を維持したいという場合は個人の努力が必要不可欠です。

ちなみに入隊して間もない新隊員以外で、体力検定に合格できない陸士がいたら徹底的にやられる可能性大なので、人間関係で困りたくなければ最低限のことはやりましょう(これも部隊によりますが)。

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最後に

自衛隊への入隊を決意した人の中には「ヒョロヒョロ体型/ぽっちゃり体型」で不安だという人もいると思います。

基本的にヒョロヒョロ体型なら懸垂なんかはむしろ有利になるので心配無用ですし、ぽっちゃりな人は少しやせた方が結果的に訓練で楽ができるという事に気付いて、ちょっと引き締まるケースが多いです。

いずれにしても全員が全員ガッチリしているということは無く、どこの部隊にも最低1人は「おいおい…」と言いたくなる人がいます。そして、そういう人でもやっていけるのが今の日本の自衛隊と言えるでしょう。

この記事を書いた人

元陸上自衛官のレトロ軍曹です。20歳の頃に入隊し、自衛隊には6年間在籍していました。仲の良い現役自衛官と今でも交流があるので、定期的に取材みたいなことをしつつ、自衛官を目指したいという人に向けて「もとじブログ」を運営しています。

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