山で訓練中のトイレはどうしてる?|先輩隊員にスコップを渡された話

 

元陸上自衛官のレトロ軍曹です。

陸上自衛隊では訓練の内容によって「宵越しで山に籠もって訓練する」ということが結構あります。

 

普通に考えたら「訓練中って寝れるの?」とか、「訓練って夜中の暗い時間に何するの?」とかそういう疑問が出てくると思うんですけど、意外と「トイレってどうしてるの?」っていう疑問は出ないんじゃないかと。

私は入隊前、山で訓練していても「公衆トイレ的なところがあって、そこで用を足す」ものばかりと思っていましたが、そんなに甘いものではありませんでした。

 

というわけで今回は、「山で訓練中のトイレはどうしてる?|先輩隊員にスコップを渡された話」です。

 

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訓練中にトイレは使いません

 

結論から言うと、訓練中にトイレを使用することはありません

小ならちょっとした草むらに行って立ちながらしますし、大ならエンピと呼ばれるスコップとトイレットペーパーを持って、ちょっと離れた草むらに行って穴を掘ってそこにします。そして埋めます。

この時、使用するトイレットペーパーは自然分解される物でなければならないので、訓練前に売店で買うことになるでしょう。

 

なるべく人に見つかりたくないという感情もありますし、何より誰かが埋めたそれを掘り返したくない」という感情があるので、神経や五感のすべてを駆使して「ここには誰も足を踏み入れていない」という場所を探します。

これが既に「少ない情報の中から手掛かりを探すサバイバル術」と言っても過言ではありません。

 

ちなみに、ちょっと生々しい話をすると、適当な隊員が地雷を埋めた場所というのは、埋めたというよりも上から土を被せただけというケースが多いので、そこを踏むと土が柔らかくて嫌な予感しかしないです。

※心なしか変なニオイがするような気もしてきます。

 

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訓練中のトイレに関するプチ情報

意外と訓練中に「大」は出ない

 

私は6年間陸上自衛隊に在籍していて、その間に訓練が何度もありました。

ただ、私は通信部隊でちょっと特殊なところに配属されていたので、一般的な陸上自衛隊員よりは山籠もりする機会が少なかったです。

そんな私でも、3日間連続の山籠もり演習くらいは何度も経験していますが、そういう時って意外と「大」が出ないんですよね。

 

たぶん身体がそうなっているというか、人間の学習能力なのかは分かりませんけど、私が山で地雷を埋めたのは1回だけでした。

普段は便秘ということもなく、毎朝しっかりと出ているのに「いざ、訓練!」となると、急に出なくなります。

 

まぁ訓練が近付いてくるという億劫な感情から食欲が落ち、さらに訓練中はろくに食事も取りませんから、ちょっとでも神経質な一面を持ち合わせていれば、大が出なくなるというケースは十分に考えられるでしょう。

ちなみにこれは私だけでなく、割と多くの隊員が「野外訓練になると大が出なくなる」という感想を持っていたので、自衛隊あるあるの1つと言っていいかもしれません。

 

私が初めて野外で「大」をした話

私が初めて野外デビューをした時は、事前に訓練があると通告されていたケースではなく、急な地震があって山に向かった時でした。

もちろん地震がきて、夜中に自分が山に向かわされるとは微塵にも思っていないので、夜はがっつりご飯を食べて、さらには夜食的な感じでカップ焼きそばを食べたりしていたくらいの感じだったと思います。

 

先輩隊員と2人で、山奥にある通信所と呼ばれる建物に向かった時の話です。

翌朝に先輩から「トイレに行ってくる」と言われ、戻って来た先輩と入れ替わりで「自分もトイレ行きたいんですけど、トイレってどこですか?」と聞いたら、「どっち?大?」と聞かれ、「大です」と答えたら黙ってスコップとトイレットペーパーを渡され、「俺、入口から左に行ったから、お前右な」と言われました。

 

ちょっと意味を理解するのに時間が掛かりましたが、入口から右に行って、穴を掘ってそこにしました。

元々、私はウォシュレットを使うタイプでもありませんでしたし、山に2人しかいない状況だったので、不特定多数の人間が参加している訓練中にするよりも、目撃されるリスクなどは低かったわけですが…。

まぁ気持ちの良いものではなかったことだけは、お伝えしておきます。

 

女性隊員(WAC)も外で用を足すの?

ちなみに女性隊員の場合は、あくまで私が所属していた部隊の話ですが、女性用トイレだけはちゃんと機能するような状態になっていました。

 

必要最低限の水も「女性隊員のトイレ用」として携行していたので、その辺の配慮はしっかりされていると思います。

 

ただし、汲み取り式ではないにしても「カマドウマが出た!」的な話は聞こえてきたので、使わないなら使わないに越したことはないでしょうけど。

 

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最後に

部隊の訓練にかける熱量などにも左右されるでしょうし、本人の序列とかどんな上官に当たるかという要素も関係してくると思いますが、訓練中は「たかだか2~3日だから、そのくらい我慢しろ」的なことが結構あります。

 

個人的には「お風呂に入れないこと/歯が磨けないこと/顔が洗えないこと」あたりは結構辛くて、後は「夜に眠気を押して見張りに立たされて、タバコが一切吸えない」とかは、すごく苦痛でした。

 

当時はまだ喫煙者も多くて、日中はタイミングを見て吸わせてくれる上官もいたんですけど、今は世の中が禁煙の流れになっているので、訓練中は全面禁煙とかかも。

そういうのに比べると、外で大をするという行為自体は、そこまで辛くなかったです。

この記事を書いた人

元陸上自衛官のレトロ軍曹です。20歳の頃に入隊し、自衛隊には6年間在籍していました。仲の良い現役自衛官と今でも交流があるので、定期的に取材みたいなことをしつつ、自衛官を目指したいという人に向けて「もとじブログ」を運営しています。

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