自衛隊の合法イジメ「銃剣道」による暴力被害|あざだらけの隊員多数

 

元陸上自衛官のレトロ軍曹です。

自衛隊には通常勤務の他にも「特殊な訓練」があります。これは部隊によって選出方法などに違いが出てくるかもしれませんが、私が所属していた部隊では「足が速い→駆け足錬成隊、新隊員及び希望者か生贄→銃剣道か徒手格闘」という感じでした。

 

足の速さは教育中に既に明らかになっているパターンがほとんどですが、銃剣道や徒手格闘に関しては、「とりあえずやらせてみないことには、センスがあるかどうかも分からない」という感じなので、とりあえず連れて行かれるということが結構あります。

ここで行われるのは、言葉を選ばずにいうのであれば「合法ないじめ」です。

本記事では、自衛隊の合法イジメ「銃剣道」による暴力被害について内部事情を暴露していきたいと思います。

 

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銃剣道とは?

自衛官が競技人口の大半を占め役員の多くも元幹部自衛官、一般部門も元自衛官や子息が多いなど事実上『自衛隊関係者の競技』という状態である。

一定の競技人口が維持されることから衰退こそないものの、参加者の大半が自衛官という状態であり災害派遣などで参加者が激減し大会が中止されるという事態が度々起きている

銃剣道 – Wikipedia

 

銃剣道とは「自動小銃の弾が無くなった時に、銃の先に銃剣を取り付けた上での戦闘を想定した武道」のことです。

通常の剣道が竹刀を使って斬撃を想定しているのに対し、銃剣道では木銃を使って突撃を想定しています。斬りつけるというよりも、喉や心臓を突くというイメージですね。

 

言わば自動小銃に銃剣を装着した形状を再現した木刀のような武器を使うので、木銃そのものの重量感も相当ありますし、防具を身に着けているとは言え、これで突かれると相当痛いです。

基本的には訓練で喉を突くということはしませんが、心臓を狙う上で肩を突いたり、二の腕を突いたりすることは普通にあるので、このあたりは下手な人ほどあざだらけになります

 

自衛隊に入隊した直後の新隊員教育中にも、戦闘訓練の一環として「銃弾が無くなったら、自動小銃に銃剣を取り付けて、倒れている敵を刺殺する」というシミュレーションを行いますが、この時はあくまで「戦闘ごっこ」です。

銃剣道を競技として行う場合は、一方的にやるのではなく、相手にやられることを覚悟する必要があります。

 

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銃剣道は合法的ないじめ(と感じる人も多いはず)

希望者だけで足りるとは限らない

まずこの手の特殊訓練ですが、希望者が行かせてもらえるというのは当然として、普通の部隊なら「枠に対して希望者が少ない」ということが多いです。

そして駆け足錬成隊は、そもそも足が速くないと成立しないので、初めから戦力外の隊員には声すら掛からないのですが、残念ながら銃剣道や徒手格闘は、そのセンスが無くても声が掛かるイメージがあります。

 

もっと言うと「駆け足などの特技がない隊員は、ここに駆り出されるリスクを覚悟しないといけない」というレベルの話です。

優秀な隊員の条件|自衛隊では通常業務の他にもう1つ特技を持て!

 

本人が「通常勤務だと退屈だから、銃剣道に行きたい!」というのであればいいと思います。しかし「痛い思いはしたくない…」という隊員が、無理やり銃剣道錬成隊に配属されるとなれば、その本人にとっては大きな不満につながるでしょう。

私の部隊では、希望して銃剣道をやるような物好きはほとんどいませんでした。

 

武道で身体を痛めつける行為は体罰じゃない?

やっぱセンスの有無以前に、武道そのものが向いていない人っていると思うんですよね。

心身を鍛える目的で…という人もいますけど、誰もが皆そうやって考えているとは限らないですし、そもそも武道と暴力って紙一重じゃないですか?

 

個人的には、本人が望んでいないような武道、格闘技を強要するというのは、それが既に暴力や体罰じゃないかなと思っています。

でも自衛隊という特殊な職場において、まして戦闘を想定した訓練と言われてしまえば、いわば殺し合いを想定した場面なわけですから、痛めつけられても仕方ないという理屈が通ってしまうような気もします。

 

部隊にもよるんでしょうけど、私が所属していた部隊は決して自衛隊全体で見たら銃剣道が強い方ではなく、大会ではいつも初戦で敗退するような弱小部隊でした。

しかし、そういう部隊にも内弁慶的な隊員はいるので、そういう隊員の張り切りぶりが本当にウザかったです。自分より明らかに弱い隊員を「しごき」と称して、無茶苦茶にしますからね。

 

銃剣道というのは相手を木銃で突く競技ですが、ここに実力差があっても実戦させることで強くなれというのは、一種の体罰(いじめ)なのでは?

かと言って「手を抜くという行為が、相手の為になるのだろうか」という側面もあり、強い隊員が弱い隊員を競技上でボコボコにするという行為が、あまり問題視されていないのも事実です。

 

実戦経験を積んで強くなるべし

で、実際に銃剣道なんてやったことがないという人がほとんどなので、ヨーイドンのスタートとなります。

マイクタイソンじゃありませんが、もしかすると「最初は嫌だったけど、やってみたら秘められたセンスがあった」というパターンも考えられるでしょう。

しかし、大抵の隊員は最初の段階で未経験なことをいいことに、先輩隊員たちからボロ雑巾のようにやられるので、そこで嫌になってしまうという人が多いように感じました。

 

中には「日頃、先輩にやられている恨みを正攻法で晴らすことができる」というベクトルで、目を生き生きさせながら息巻いている隊員もいましたが、これは変態です。

やられればやられるほど「一矢報いたい」と考えられる隊員は強くなります。最初から強い隊員なんてそうそういないので、その反骨精神を持ち続けられるかどうかですね。

 

ちなみに私も銃剣道は未経験で入隊しましたが、学生時代に剣道をやっていたというだけで非常に有利だったので、剣道経験者は弱い先輩相手ならやられっぱなしということは無いと思います。

 

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最後に

初めて銃剣道をやったという隊員は、大抵あざだらけにさせられるでしょう。

 

意外とやってる本人は見た目ほどは痛くないのですが、気持ち悪いくらいの紫色になったりするので、一般人に見られるようなことがあれば「うわぁ…」と引かれるんじゃないかと。

 

少しずつ上達してきて、徐々にあざが減っていく姿とかに競技としての魅力が感じられればいいですけど、そうでもなければ銃剣道は怪我にも繋がるし地獄だと思います。

この記事を書いた人

元陸上自衛官のレトロ軍曹です。20歳の頃に入隊し、自衛隊には6年間在籍していました。仲の良い現役自衛官と今でも交流があるので、定期的に取材みたいなことをしつつ、自衛官を目指したいという人に向けて「もとじブログ」を運営しています。

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