自衛官が陥りやすい金銭トラブルの話|ギャンブル、酒、女に注意!

 

元陸上自衛官のレトロ軍曹です。

私が入隊した当初、1番最初の給料明細を見た時の感情は今でも鮮明に覚えていますが、「国家公務員ってこの程度なの?」と思った記憶があります。

 

その考えは入隊してから1年もすれば改められるようになるものの、お給料として貰える金額だけを見ていると「自衛隊も大変だねぇ…」と思われる金額なんじゃないかと。

ですが、パチスロを趣味としている私自身が、6年間の自衛隊生活で500万円貯めたという事実から見ても「自衛隊はお金を貯めるのには最適な環境なのでは?」と思うのも1つの事実です。

 

それなのにも関わらず、結構なレベルで「お前マジか!」と言いたくなるほどの金銭トラブルを抱えている隊員も決して少なくはありません。

以下では、自衛官が陥りやすい金銭トラブルの話をしたいと思います。

 

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自衛官が陥りやすい金銭トラブル

 

ギャンブル(パチンコ、パチスロ、競馬)

言うまでもなく、ギャンブルで散財する隊員もいます。私はパチスロが趣味で、毎週とは言わないまでも月に2回~5回程度はパチスロに行っていました。

もちろん似たような趣味を持つ者同士で一緒に行くこともありますが、その中で「お金を貸してもらえないか?」と頼まれたことが何度もあります。

後輩隊員から頼まれたことは1度もありませんでしたが、同期や先輩に頼まれたことは何度もありました。ちなみに、ギャンブルの場で貸したお金が返ってこなかったという経験はないです。

 

自衛隊では、合法のギャンブルは基本的にはお咎めなしです(3点方式の換金が合法なのかどうかはさて置き)。

ただし、私が自衛隊を辞めるか辞めないかくらいの時期(10年くらい前)から、服務教育の一環として「パチンコ、パチスロを始めとするギャンブルに対する教育」みたいなものが、ちょこちょこ行われるようになっていました。

そのせいもあって、自分の金銭的余裕の範囲内で楽しんでいた私としても、結構肩身は狭かったです。

 

このような教育は陸曹になりたての若い隊員がやらされたりしていて、その人物がギャンブルを全くやったことがなかったりするので、一方的な教育になることが多かったです。…部隊によるんだろうけど。

 

酒(キャバクラ、ガールズバー)

そして、お酒にまつわる金銭トラブルも多いです。私の部隊では「酔っ払った隙に財布をどっかにやってしまった」とか、「キャバクラで給料をほぼ全て使った」という隊員が何人かいました。

アルコール中毒という病気があるくらいですから、お酒が好きな人は本当に我慢できないんでしょう。それが普段は接することができない綺麗な女性がチヤホヤしてくれるとなれば、気が大きくなるという部分もあるのかもしれませんね。

 

自衛隊ではとにかく飲み会が多くて、プライベートな場ではお酒を1滴も飲まない私ですら、月平均10000円くらいは飲み会代として持っていかれてたと思います。

自分でもお酒が好きで「趣味お酒」という人は、結構危険かもしれないです。何が危険かって、最悪その月の給料を全部使っちゃったとしても、営内(寮)にいるなら生きていくことは可能ですから。

 

ちなみに私がいた部隊では、滅多なことが無い限りは先輩が奢ってくれるということはなく、「酒が飲みたいけど今月厳しい…」という先輩隊員が、私のようなお酒の飲めない隊員を誘って飲みに行き、最終的には割り勘にしているという印象がありました。

自衛隊とお笑い界の上下関係の違い|先輩は後輩に奢ってくれる?

 

女(キャバクラ、風俗)

前項と重複する部分がありますが、女性に関する金銭トラブルも少なくありませんでした。1番多いのはキャバクラで、あとは風俗遊びなんかでお金を使っている隊員も少なくは無かったです。

あくまで私が見ていた感想ですが、高校を卒業して入隊してきた遊んだ経験のない隊員が、悪い先輩に連れて行かれてハマってしまうという印象があります。

 

特に自衛隊の中では、部隊によっては女性と接する機会はほとんどありませんし、部隊中に女性がいたとしても、そこに群がる男性隊員の多さは凄まじいので、自分がどうこうできる可能性は極めて低いですから。

女性自衛官に可愛い人はいる?ちょっと気になる女性自衛官の実態

 

あとは男性だらけの職場ということで、「なんかの話のネタになる」という部分もあるんでしょう。

下世話な話を嫌う隊員って少数派だったので、風俗の話とかだと笑って聞いてくれる先輩隊員が多いですから、そういう場で笑いを提供できるというのは武器になります。…高い武器だけど。

 

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自衛官の自殺の原因は金銭トラブルも多い

自殺してしまう自衛官は非常に多い

個人的には6年間の自衛隊生活で、割と近い所にいた3人の隊員が自殺してしまいましたが、そのうちの1人は金銭トラブルが原因と言われていました。

パワハラとかいじめを苦に自殺する隊員って多そうなイメージがありますけど、実は金銭トラブルで自殺してしまう隊員も多いようです。

割と身近で自殺してしまった自衛官の話

 

個人的には「そういう人って自衛隊じゃなくても、というかサラリーマンとかの方が余計にそうなるんじゃないの?」と思ったりもしましたが、恐らく「当たり前のようにボーナスが貰える」という部分も大きいような気がします。

あとはやっぱり「無一文になっても、営内にいるうちは光熱費の心配や食べる物の心配が要らない」という安心感が、逆に歯止めを効かなくしているのかもしれません。

 

営内でも陸曹から「金に困ったら俺の所に来い!」という指導がある

自衛隊では、営内にいるうちは毎朝毎晩「点呼」がありますが、その時はグループに分かれていて、それぞれの班に班長がいます。

部隊配属になると、この班長と面接をしたり簡単なコミニュケーションを取ったりするのですが、この時「もし金に困るようなことがあれば、他の人間の所じゃなくて俺の所に来い!」という指導があります。

私も新隊員で入った時は、当時の班長に「一千万までなら何とかしてやるから」と言われ、「この人お金持ってるんだなー」と思いました(後日談では嘘だったらしいですが)。

 

一見すると非常に漢気のあるアドバイスのようにも思えますが、これは「同期間での金銭の貸し借り、金銭トラブルが非常に多い」ということを意味しています。

それに加えて万が一、先輩にお金を貸して返ってこなかったら、よほどのことが無ければ「返してください」とは言いにくいというのも1つの事実です。

こういう指導をしなければいけないという背景に、自衛官の金銭トラブルの多さを感じます。

 

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最後に

私はギャンブルが趣味でしたが、趣味のレベルに留めておけば金銭トラブルなんか関係ないと思っていますし、そんなことを言い出したら昨今のソシャゲのガチャの方がよっぽど危ないんじゃないかと思っています。

 

いずれにしても閉鎖的な空間に詰め込まれているということで、休みが来るとはしゃぎたい気持ちになるという部分はあるのかもしれません。

 

国家公務員という安定した地位があるからこそ成せる業という部分もあるかとは思いますが、金銭トラブルにはくれぐれもご注意を。

 

 

この記事を書いた人

元陸上自衛官のレトロ軍曹です。20歳の頃に入隊し、自衛隊には6年間在籍していました。仲の良い現役自衛官と今でも交流があるので、定期的に取材みたいなことをしつつ、自衛官を目指したいという人に向けて「もとじブログ」を運営しています。

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