自衛隊とお笑い界の上下関係の違い|先輩は後輩に奢ってくれる?

元陸上自衛官のレトロです。

私はお笑いの世界に身を置いたことはありませんが、バラエティ番組を見ていて思うのが「お笑い界(よしもと)の上下関係と自衛隊の上下関係って結構似ているなぁ」という部分です。

 

自衛隊でも先輩の言うことは絶対であり、ちょっとした先輩の悪ふざけでオモチャにされるという経験が結構ありました。休みの日に先輩に引っ張り出された経験もそこそこあります。

では、よしもとにおける先輩が絶対に奢るというルールは、自衛隊でも成立しているのでしょうか。今回は「陸上自衛隊員の先輩・後輩が、外にご飯を食べに行ったときのお会計事情」についてご紹介します。

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全額払ってくれるケースはあまり無い(先輩による)

結論から言うと、私が経験してきた限りでは全額を払ってくれる先輩隊員はほとんどいませんでした。

1番多いパターンは「ある程度大雑把に割り勘をして、飛び出た分を1番上の先輩が払ってくれる」とか、その程度です。

 

もちろん仲が良くて気前の良い先輩と2人でご飯に行ったりする時は「ここは俺が払うよ」と言ってくれるパターンも当然あります。

しかし、よしもと所属の芸人さんが言うように「1年でも先輩は先輩=先輩が奢らなあかん」的な風潮は一切なく、何なら「先輩に献上しろ」くらいの空気を感じたこともありました。

 

こんなことを言ってしまうと身も蓋もありませんが、結局は「人による」です。

奢ってくれない代わりに気遣いを要求しない人もいれば、奢ってくれるけど気遣いを要求されるケースもあり、どちらも一長一短ですね(気の合う先輩ならどっちでも楽しいです)。

 

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借りを作るのも嫌だけど割に合わないと感じることが多い

私の場合は、お酒が全く飲めません。

というわけで「多少のお金を払っても飲み会が免除されるなら、喜んで樋口くらいなら出してもいい(諭吉はどうだろう…)」という考えです。

 

そんな私が先輩に飲みに連れて行かれ、最初のビール一杯を飲み切っていないような状態で、会計は2000円とか要求されるわけなのですが、これは別に問題ありません。

個人的に不満なのは「料理の取り分け、先輩の飲み物が無くなる前に追加を聞くなどの気配りを要求されるのに、その見返りが一切ない」という部分です。

 

かと言って「奢ってやるから来いよ、そして気を遣えよ」と言われるのも嫌なんですけど、キャバ嬢だって別に好きでもない男の相手をして気を遣うのは、見返り(報酬)があるからじゃないですか?

普段の仕事で本当にお世話になっている先輩に対してならまだ納得できるものの、そうではない先輩の方が積極的に後輩を連れ出したがる傾向が強いような気がします。

 

「どうせ拒否権がないんだから、せめて奢って欲しい」って思うんです。

本当は「できることなら行きたくない。でも拒否できないなら、苦痛の対価としてお金が欲しい。更にそれも叶わないんなら、せめて金銭的な負担はゼロにしたい」というのが本音でしょうか。

なのに「精神的な疲労をしつつ、更にはお金を支払わされる」という…。どんだけマゾなんですかね私は。

 

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隊費なども序列が低い隊員の方が負担は大きいことが多い

私がこれまでに所属してきた隊では、隊費といって月に1000円程度のお金を徴収されていました。

この隊費の使い道は「勤務場所のゴミ袋/掃除用具の費用/コーヒー代」等となっているのですが、まず若い隊員が偉そうにコーヒーを飲むことは許されません。

 

そして毎朝、先輩たちよりも早くに出勤し、先輩たちを熱々のコーヒーを作って出迎えるという作業があります。

先輩によって「コーヒー1、クリープ1、砂糖0.5」などの配分も異なるため、これを暗記するのが下っ端隊員の努めでした。

 

私の同期にメチャクチャ空気を読めない隊員がいたのですが、彼はがぶがぶコーヒーを飲んでいて先輩に何度も注意されていました。

彼は「隊費を納めているんだから、自分にも飲む権利がある」と正論を言っていたものの、先輩も先輩でそれを受け入れるということもなく、不毛な争いをしていた記憶があります。

<<常識から外れた同期に学ぶ「自衛隊でいじめられない術」の究極系

 

このように払う金額は全員が平等でも、その還元は平等じゃないというパターンはかなり多いです。結局「自分も序列が上になったら良い思いができるんだから、若いうちの苦労は買ってでもしておきなさい」的な思想が強いんだと思います。

この辺りは自衛隊に限らず、ほとんどの公務員がそうなんじゃないかと思いますし、公務員でなくても該当する会社は山ほどあるのではないでしょうか。

 

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最後に

自衛官は寮生活をしているうちは衣食住がタダのようなものなので、お給料がほとんどそっくりそのまま手元に入ってきて、自分の自由に使うことができます。

一方で、先輩のさじ加減で出ていく出費なども少なくないので、お金を貯めようと思って入隊した人にとってはイライラする瞬間も少なくないでしょう。

いずれにしても自由参加という名の矯正をやめ、せめて「奢る気がないなら連れて行かない」くらいの考えが上の方に普及してくれれば、それなりに居心地は悪くないのになぁ。

この記事を書いた人

元陸上自衛官のレトロ軍曹です。20歳の頃に入隊し、自衛隊には6年間在籍していました。仲の良い現役自衛官と今でも交流があるので、定期的に取材みたいなことをしつつ、自衛官を目指したいという人に向けて「もとじブログ」を運営しています。

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