元陸上自衛官のレトロ軍曹です。
1年、2年遅れで地元の駐屯地に勤務するという場合、もしかすると「学生時代の後輩と同期/学生時代の同級生が先輩」ということが起こり得ます。
この時、後輩としてはやりづらさMAXであるのと同時に「同期にも敬語を使うべきか/先輩だから敬語を使わなきゃいけないのか」という部分でノイズを感じることもあるでしょう。
本記事では、私の実体験を踏まえて「学生の頃の同級生が自衛隊では先輩だったら敬語を使う?」というテーマで話を進めていきたいと思います。
基本的には自分と相手次第(教育中を除く)
基本的には、同期なら年齢は関係なしにタメ口で接します。タメ口で接する人が多いです。
私の場合は同期よりも2年遅れで入隊しましたが、敬語を使う同期もいれば、タメ口の同期もいて、割合としては3:7くらいでタメ口の方が多かったですね。
私は仲良くしたいと考えている年下の隊員以外には、基本的には敬語を使っていましたが、同期に敬語を使っている場面を見られると、先輩から「同期なんだからタメ口で良くね?」と100回は言われた記憶があります。
一方で、かつての同級生が自衛隊では先輩だった場合、新隊員教育中に周りの目をはばからず対等に接していると、もしかすると教育的指導が入るのではないかと思いますが、それ以外で咎められたことはありません。
相手が「お前は後輩なんだから敬語を使えよ」とでも言ってこない限り、タメ口で問題ないんじゃないかと思います。
私も中学校の頃の同級生が1期上や2期上にいましたが、普通にタメ口で喋っても何も言われませんでした。
むしろ、それを見ていた同級生じゃない年下の先輩が「なんか不思議な感覚だな」と言って笑っていたくらいです。
上下関係がキツイって言うけど実際は微妙
自衛隊は上下関係がキツイと言われていますが、変なところでキツイだけで、厳密にはそこまで厳しい感じはないです。
「人によって基準が変わる/1番上の先輩の気持ち次第」という部分が厄介なだけであって、それ以外はナァナァな部分も多いですし、きっちりしているというわけでもありません。
私は自衛隊に入隊する前に、広報官から「〇〇君も自衛隊で頑張ってるぞ」という話を聞かされ、入隊後は〇〇にパシリにされたりするのかと不安な部分もありました。
しかし、こっちが勝手にビビッてただけで、実際に会ったら向こうは「なんか分からないことあったらいつでも来ていいよー」というフランクな感じだったので、結局は人によるんだと思います。
とは言いつつも、スネ夫的なポジションの先輩がどこの部隊にも必ず1人はいて、同級生だからと言って先輩にタメ口で喋っていると「お前、ちょっと生意気だな」的な展開があるかもしれません。
その辺はまぁ周りを見ながら上手くやればいいと思います。私はタメ口がどうとかそういうのが面倒だったんで、ほとんどの人に敬語で接してましたけどね。
ただでさえ年数が経てば曖昧になっていく
20代前半の若い年齢で、かつ階級がまだ下の頃は1年や2年の差でも大きな壁のように感じるかもしれませんが、昇任試験に通るスピードあたりから徐々に曖昧になってきます。
「新隊員同期(入隊年数)」という基準でずっと生活していたのが、昇任試験を受けるタイミングで、先輩の階級を抜かす後輩も出てくるからです。
陸上自衛隊で言えば、昇任試験に合格すると陸曹教育課程という教育に進むのですが、ここに到達するスピードは個人の素養が大きく関係してくるので、合格者の年齢や入隊年数はバラバラになります(優秀な隊員ほど早く合格するため)。
そしてここでは陸教同期という扱いになり、いちいち誰が何年入隊だとかそういう話にはあまりならないです(私の時はなりませんでした)。
その結果、タメ口で喋れる先輩隊員なんかも出てきて、一方で同じ部隊には年下で階級が下の先輩なんかもいて…。結構ぐちゃぐちゃになってくるんですよね。
というわけで、歳を取ってから入隊する場合は、最初は年下の後輩に敬語で喋ることとか、同級生の先輩がいることに対して一種のやりづらさを感じるという人もいると思いますが、これに関しては徐々に慣れていきます。
それにいちいち細かい上下関係にこだわるような隊員は、優秀じゃない奴が多いんで、試験に通らずに辞めていく人間も多いです。
もちろん最低限の礼儀は必要ですが、大抵の人は上手くやっていけるので心配いらないと思います。
最後に
学生時代に運動部に所属していたという人だと、年下の先輩っていうのはちょっと厄介な存在かもしれませんが、結局「年上だろうが年下だろうが、先輩だろうが後輩だろうが、良い人は良い人だし、悪い奴は悪い奴」です。
合わない奴とは最低限の付き合いだけしていればOKなので、そこまで深刻になる必要もないでしょう。
仲の良い同級生なら普通に接しても何も言ってこないと思いますし、嫌な同級生なら近付くな!以上です。