常識から外れた同期に学ぶ「自衛隊でいじめられない術」の究極系

元陸上自衛官のレトロ軍曹です。

先日、那覇駐屯地に所属していた隊員がパワハラを受けたとして裁判を起こし、見事勝訴を勝ち取ったというニュースがありました。

その隊員は4人の隊員から「使えない」とか「早くやめろ」というようなニュアンスの言葉の暴力に加えて平手打ちなどをされていたようですが、私の自衛隊生活においても似たような経験があったことを思い出したので、ちょっとご紹介したいと思います。

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勉強は出来るけど頭が悪いタイプの同期A

私の同期にも、一部の先輩隊員から「使えない」「辞めろ」という言葉を日常的に浴びせられていた隊員がいました。

彼の場合はちょっと人格に問題があったというか、ちょっと普通の人と違う部分があって…。5分前行動が原則の陸上自衛隊において5分遅刻がデフォという、普通じゃちょっと考えにくい神経の持ち主だったんです。

 

あと食堂でご飯を食べる時なんかは、先輩を待たせてはいけないという空気感って誰もが少しくらいは持つと思うんですが、彼の場合はそういうことは一切関係なしにマイペースですし。

とにかく周りと歩調を合わせることができない隊員で、よく言えば「芯がある/周りに流されない」という表現になるのかも分かりませんが、同期としては「ちょっと浮いてる/空気が読めない奴」という感じでした。

 

一応、勉強はできるようで試験の成績そのものは悪くなかったです。体力検定は受かっていませんでしたが、取得が義務付けられていた資格試験なんかは一発で通っていましたし、地頭は悪くなかったように思います。…ちょっとというか、かなりおかしい奴ではありましたが。

 

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同期Aに学ぶ、先輩隊員に目を付けられる奴の特徴

やれと言われたことをやらない

やれと言われてやった結果、ちょっと足りないというくらいなら小言を少し吐き捨てられるだけで済むことが多いものの、ハナからやらないというのは結構な度胸と言うか「どういうつもりなのか」が気になります。

例えば、公共場所の掃除や部屋の掃除なんかは1番下の立場の隊員の仕事なのですが、10人くらいの下っ端隊員がいたとして、真面目にやる奴もいればふざける奴も出てくるでしょう。

 

それでも最低限、掃除時間には姿を現して何かしらの道具は手にしていることがほとんどです。隊員Aは5分遅れで来て、気付いたら部屋で寝てますから。

私は腹が立つというより、むしろ怖かったです。怒るとかじゃなくて普通に不思議と言うか、純粋に「どういうつもりなのか」を聞きたかったですね(聞いたところでちゃんとした返答はなかったので、そのうち何も思わないようになりましたが)。

 

怒られている時に笑う

時間に遅れるというのは、どんな理由があっても結構キツく言われるケースがほとんどですが、一応理由は聞かれます。

そんな時の行動としては「素直に言って怒られるか」「理由を言わずに謝って怒られるか」じゃないですか?間違っても「いや~、ちょっと…」とニヤけながら話すなんて選択肢は選ばないはずなんです。

 

自衛隊は年功序列を重視したゴリゴリの縦社会です。先輩にも頭がおかしい奴はたくさんいますが、それでも先輩は先輩だということで教え込まれます。

なので心の奥底ではバカにしている先輩相手でも一応気は遣いますし、怖くない先輩とは言っても本気で怒っているのが分かったら謝るのが基本です。

 

というか、ここでは分かりやすく「隊員Aには悪いことをしたという自覚がなかった」としましょう。それにしたって真顔で質問をされて、それをニヤけながらかわすって普通の人間の行動ではないと思うんですよね。

開き直る方がまだ人間っぽいような気がします。「寝坊しただけですけど何か?」の方が、まだ性格が悪くて自己中な奴ということで納得もできるんですが、ニヤケて誤魔化して質問に答えないっていうのは、さすがにちょっと…。

 

なぜか後輩には厳しい

ここが結構笑えるレベルでおかしかったんですが、自分がまともにやってこなかったくせに、なぜか後輩には厳しいっていう…。

普通に後輩にマッサージとかさせていたので、個人的には「アイツの後輩にならなくて本当に良かった」と思っていました。

 

普通、ちょっと出来ない奴って後輩からも馬鹿にされるというかナメられる傾向が強くて、本人も「自分はナメられても仕方がない」と考える人が多いような気がするんですけどね。

なぜか後輩には強いという…。いや、先輩にも強いのかな?

 

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本当に出来ない奴はむしろいじめられないのでは?

同期Aは毎日のように「辞めろ」と言われていましたが、そもそも本人が気にしていない素振りでしたし、むしろ私を含む別の同期に連帯責任というようなカタチで飛び火してきたので、同期の中にギクシャクした空気が流れていました。

そこで思ったのですが、本当に出来ない奴はむしろ距離を取られて、いじめられずに済むのではないかと思っています。

 

1番は中途半端に一生懸命っぽく見せるのが上手くて、結局できない奴がターゲットになりやすいです(本当に一生懸命やっているなら馬鹿にされる余地はないです)。

そして罪の意識が合って、ちゃんと謝れる隊員であるのが必須条件ですね。いじめる側も、何をやったってケロッとされていたら楽しくないってことなんでしょう。

自衛隊では割と理不尽な言い分が通ったり、昔ながらの古い体育会系のような風習が根強く残っていますが、それにしたって理由もなく目の敵にされるということはほとんどないです。

 

少なくとも私の同期には、毎日「辞めろ」と言われるだけのことをしているような気がしましたし…。まぁできないからと言って、そういう仕打ちをしていいのかという言い分は分かりますが。

私も同期Aが毎日のように「辞めろ」と言われているのを見てもかばわなかった1人ですが、彼にしでかすミスのせいで連帯責任と称して尻拭いをさせられ続けると、聖人君主でもない限りは良くない感情をいだくケースがほとんどだと思います。

それを知ってて先輩隊員も、連帯責任を使ってくるんじゃないかと。

 

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最後に

もちろん何の落ち度もないのに理不尽なことを言われるケースも非常に多いので、やられる方には必ずそれなりの理由があるとは言いませんが、私の同期にもそういえばとんでもない奴がいたなぁということを思い出したので書きました。

私の場合は同期Aに対して、最初は腹も立ったりしていましたが、途中からは何も感情が無かったような気がします。「あ、あいつならしょうがないな」というような感じです。

彼の場合は自衛隊を辞めると一般社会では生きていけないような気がするので、自衛官として頑張ってくれていることを期待します。

この記事を書いた人

元陸上自衛官のレトロ軍曹です。20歳の頃に入隊し、自衛隊には6年間在籍していました。仲の良い現役自衛官と今でも交流があるので、定期的に取材みたいなことをしつつ、自衛官を目指したいという人に向けて「もとじブログ」を運営しています。

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