自衛隊の金銭事情・給料関係の内部事情|入隊すればお金が貯まる!?

 

元陸上自衛官のレトロ軍曹です。

自衛隊に入隊しようかどうかを悩んでいる人の中には「自衛隊のお給料や金銭事情ってどうなの?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。

 

私が陸上自衛隊に入隊しようとしていた頃は、広報官の人が「自衛隊は金が貯まるぞ~」という誘い文句を言ってきたものですが、いざ入隊してみると同級生よりもお給料が少なく「どの辺にお金が貯まる要素があるんだ!」と思ったものです。

しかしその考えは、1年後には180度変わる事になりました。

 

今回は「自衛隊の金銭事情・給料関係の内部事情|入隊すればお金が貯まる!?」というテーマで、陸上自衛官の金銭事情について実体験を踏まえながらご紹介したいと思います。

 

私は20歳から6年間自衛隊に在籍していました。あまり給料明細を意識して見たことがなかったのであやふやな部分が多いですが、正確に覚えていたところで約10年前の話になるので、鵜呑みにはせず雰囲気だけでも感じてみてください。

 

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陸上自衛官の金銭事情

入隊前~入隊直後

 

まず入隊前に貰う書類に、ちゃんとした文書で「お給料はこの額です」という説明があります。ただし「乙が~、甲は~」のような文書なので、適当人間の私は「月々のお給料は15万円くらいね」という感じで入隊しました。

ただ、高卒か大卒かでもほんの少しだけ差が設けられていますし、手当てが付いたりなどもあるので、正確な金額ではなくある程度の誤差が生じるケースがほとんどです。

 

私が入隊した頃は景気が良かったとは言い難く、安定を求めて公務員を志望する人が多い年だと言われていました。

そしてテレビやネットニュースでは「公務員が羨ましい/公務員は休みが多くて給料も安定していてずるい/公務員は最低基準って聞いてたけど、年2回ボーナスが貰える最低基準って何なんだ」というような一般の方の声も多く見られたので、私の中では「特にアピールできるような才能も資質もない自分にとっては、お給料的にも恵まれた環境かも」と思ったのですが…。

入隊当初は「同級生はもっと貰ってるのに、別に給料がいいわけじゃないんだな」と思った記憶があります。

 

入隊して間もなく1回目のボーナス

 

私の父は自営業をやっていて、いつも「金がない」と愚痴るような人でした。

ニュースでボーナスの話題になると機嫌が悪くなるような人でもあり、幼少の私にとっては「ボーナスというものが何なのか」という部分もパンドラの箱のような感じで、自分から聞くこともありませんでしたし、できませんでした。

 

そんな私が、入隊からわずか2ヶ月~3ヶ月で約10万円のボーナスを支給されます。当時は「このお金、なんのお金?怖い怖い怖い…」と思ったものです。

自衛隊にいるとどんなに仕事のできない下っ端隊員でも、1年に2回ボーナスが支給されます。額面にして大体30万円前後×2回だったと思いますが、いずれにしてもこれが物凄く大きいです。

 

ちなみに、多くの一般隊員は4月(正確には3月末)に入隊し、6月のボーナスを迎えます。満期分は出ないものの、普段のお給料に加えてボーナスが貰えるというのは心が躍りましたね。

そして「12月までいれば今度は満額支給される」ということで、軽くテンションも上がりました。

 

新隊員に朗報!入隊直後の6月のボーナスで〇〇万円貰えるぞ!

 

給料は基本的に右肩上がり

 

基本的に、お給料は右肩上がりです。

私の知る所では「身分証を無くしたペナルティ」で一時的な減給処分を受けた隊員こそいたものの、それ以外でお給料が下がったという人は見たことがありませんでした。

 

最初のうちは在籍期間に応じて階級も上がっていきますし、階級が上がれば少しずつお給料も増えていきます。

単純な勤続年数でも号俸が上がっていくので、貰えるお給料も勝手に少しずつ増えていくという感じです。

 

あと部隊からの査定というのもあって、これは通常であれば「何か功績を残した者に与えられる賞与」という意味合いが強いのですが、私の周りでは「別に貰うべきではない人間が貰っているのも目立っていた」という印象なので、個人的には「予算のばら撒き、順番制度」じゃないかと思っていました。

 

いずれにしても、一般の会社のように「なにか功績を残さなければお給料は上がらない」というものではなく、ただ在籍していれば年数に応じて勝手にお給料が上がっていく(少額ずつではありますが)ので、人によっては相当美味しいと感じるはずです。

 

営内における衣食住がタダのようなもの

 

一般の人がヒーヒー言っているのは、住むところやその光熱費、食費などをお給料から捻出しなければならないという部分だと思います。

自衛隊では強制的な寮生活になるので、実質「衣食住がタダみたいなもの」です。着るものや身に付けるもののほとんどは官品として国から支給され、食べ物は毎日3食出ます。

 

寮でも電気代や水道代、ガス代を請求されることはありません(ただしネットを引きたいという場合は自己負担になり、部屋にテレビがあるという場合はNHKの料金を支払うことになります)。

自衛隊員ってNHK料金はちゃんと払ってるの?

 

極端な話をすれば「例え給料日にその全額を落としてしまったとしても、次の給料日まで生きていくことは普通にできる」と言えるでしょう。これも大きいと思いますね。

 

ちなみに私を含めた周りでは、官品の迷彩服は扱いにくいため私物として購入したものを使用したり、無料で食べられる食事を食べずに有料の食堂でご飯を食べる(毎日ではなくたまに)という人も多く、寮に至っては「強制じゃなければこんなとこ出ていきたい」と考えている人が山ほどいました。

衣食住がタダのようなものというのは、メリットであってデメリットでもあると思った方が無難です。

 

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6年間の自衛隊生活で500万円の貯金

 

私は6年間の自衛隊生活で500万円の貯金を作りました。

毎月5万円&年2回のボーナスから20万円ずつを積み立てて、1年で100万円貯まるローテーションを入隊2年目から5年間行ったのですが、特に浪費する部分がないという人ならこれで十分イケます。

 

更に私の場合は、毎月5万円を家に送りながらこれを実現できたので、そこまで無理なやりくりでもないはずです。

ちなみに私は当時パチンコやパチスロが趣味でしたが、勝ち負けトントンかちょっと負けているくらいで、もし初月に大きく負けてお金が無くなってしまったら、あとは携帯ゲーム(当時はPSP)で遊んでいました。

 

周りを見ていても、極端にお金がないと騒ぐ人には「ギャンブルが趣味の人/女の子がいる系のお店に行く人」くらいで、そういう人でもちゃんと節制できれば特に問題ないと言えるほどのお金は貰えます

ちなみに私を含め、ゲームが趣味という人はほぼ例外なくお金を持っていたイメージです。

 

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結婚後も色々な手当てが貰える

 

自衛隊でお金が貯まる理由には「衣食住が実質タダのようなもの」という部分が大きいのですが、仮に結婚して寮から出たとしても、そこそこイケるというイメージがあります。

自衛官の場合、外に住む場合は住居手当が貰えますし、子供がいればその子供の年齢に応じた手当も貰えます。

 

自衛官には「自衛隊で出会った男女が結婚するパターン」というのも極めて多いのですが、結婚後も両者が自衛隊を続けている場合は相当裕福な家庭というイメージです。

自衛官同士の恋愛ってアリ!?駐屯地内で育まれる恋愛事情について

 

そして私が見てきた限りでは「旦那さんはそのまま自衛官を続け、奥さんは妊娠を期に自衛官を退職する」というケースが最も多く、出産後はパートに出る人もいれば家で専業主婦をしているという人も少なくありません。

今、子供がいて奥さんが働かなくてもやっていけるご家庭って、そんなに多くないのでは?

 

自衛隊は「寮から早く出たい!」と考える人が非常に多く、結婚すれば寮から出られるので若くして結婚する人が本当に多いです。

しかし色んな手当てが出るということもあり、若くても贅沢を控えれば十分に生活していけるだけの稼ぎを得られると思うので、早くに結婚したいという人はその辺の会社に勤めるよりも財力&休日的に恵まれると思います。

 

それに少子化と言われていますが、自衛隊の世界だけ見ていると少子化ということが全然分からないくらいみんな子供を産んでいるので、辞めた今は「自衛隊も一応国家公務員だもんなぁ」と強く実感しますね。

 

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最後に

自衛隊には高校卒業後にすぐ入隊する人も多く、そういう人の場合は「初めてもらうお給料」ということでガンガン使ってしまう人も多いのですが、そこまで浪費癖のない人ならお金はどんどん余っていくと思います。

職場の付き合いで開催される飲み会は多く、そこは自己負担なので仕方なく削られていく部分こそありますが、お金を貯めるという目的で2年とか4年の自衛隊生活を選択する人も多いです。

 

黙って勤務を続けていれば徐々にお給料が上がっていき、年に2回のボーナスもあります。

1番の下っ端隊員でも給料とボーナスで50万近く貰えるので、お金が欲しいという人で若くて体力が有り余っているという人にはおすすめです。

 

※私に息子がいたら、息子の入隊には反対しますが。
この記事を書いた人

元陸上自衛官のレトロ軍曹です。20歳の頃に入隊し、自衛隊には6年間在籍していました。仲の良い現役自衛官と今でも交流があるので、定期的に取材みたいなことをしつつ、自衛官を目指したいという人に向けて「もとじブログ」を運営しています。

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