元陸上自衛官のレトロ軍曹です。
私は特に趣味がありません。ゲームは好きですが、こんなのは場所を選ばずにできますし、自衛隊時代に駐屯地を出て向かう場所と言えば「パチスロかラーメンか」くらいの感じでした。
そんな私は入隊前にアパレル関連の仕事に就いていたこともあって、服装に対してはちょっと特殊な好みを持っています。
よく言えばオシャレ、でも普通の人から見ると「これはオシャレ…なのか?」という部類です。個人的にはカッコイイと思って、好んで選んでいます。
今回は、そんな私だから苦労した経験ということで『自衛官は休みの日も服装など「自衛官らしさ」を常に要求される』という話をしたいと思います。
自衛官の服装について
部隊によっては服装なども注意される
結論から言うと、いくら休みの日とは言っても「自由な服装で外出は許可されない」という部分がありました。ただしこれは、判断をする人間の基準が大きく関わってくるので、もちろん「注意される場合とされない場合」というのがあります。
恐らくこれは全部の駐屯地が共通かと思いますが、自衛官は「サンダルで駐屯地を出ることは許可しない」と言われています。正確に言うと、サンダルというか「かかとがホールドされていないタイプの靴」です。
理由については「何かあった時に走れないから」とかそんな理由だったと記憶していますが、まぁそれっぽい理由があるから、これは良しとしましょう。
ちなみに私が所属していた部隊では、ダメージジーンズもダメでした。これは他の部隊では普通に履いている人もいたので、部隊の上官(私の場合は中隊長)が許可するかどうかという部分が大きいです。
あと私の経験で言えば、ポンチョ的な民族衣装も許可されず、パンクロッカーみたいな鎖がチャラチャラしてる感じの服装も許可されず…。
まぁ普通の人ならこんなところで不満を感じたりってことはないと思いますけど、いい大人が服装のことで外に出さないとか、冷静に考えるとすごいなって思います。
駐屯地を出る時は「自衛官らしさ」を求められる
一応、陸上自衛隊では「常に自衛官らしい行動を」という感じの指導があります。そして直接干渉してくるのは駐屯地内までで、駐屯地を出たら自己責任という感じなのですが、この辺が公務員っぽいという印象がありました。
例えば、私のような隊員は「駐屯地を一歩出たらサンダルに履き替える」とかを普通にやります。もちろん「一歩出たら」という部分は話を盛っていて、あくまで「守衛から見えない位置まで行ってから…」ですけどね。
そしてその自衛官らしさは基準があいまいで、人によって基準が大きく変わる点で非常に厄介だと言えるでしょう。
服装はあくまで一要素
ここでは私の特殊な性癖というか「服装の好み」によって、実害があったという極めて特殊な例を挙げています。
恐らく中隊長個人の考えなどにも大きく左右された部分があると思うので、自衛官の人の中でも「ウチはダメージジーンズくらいなら大丈夫だったよ」という人も少なくないでしょう。
ただ1つ注意してもらいたいのは、この手の「上官のさじ加減であれこれ変わる」という状況は、普通に起こり得るということです。今回の矛先は服装でしたが、もしかしたら「あなたの自由を奪う何か」かもしれません。
例えば私は当時はタバコを吸っていたのですが、異動先の上官がタバコ嫌いの上官で、「勤務中の喫煙は認めない」という人でした。勤務中っていうのはあれですよ?「ちょこっとした時間に吸いに行くのを許可しない」というのは当然として、「お昼休み中とかもダメ」ってやつですよ?
一般の会社で言えば「出社してから退社するまでの喫煙」を禁止され、家に帰ったらOKと言われているような感じです。昼休みに許可されている場所でも喫煙出来ないなんて…当時はどうかしてると思っていました。
おかげでタバコを辞められたので、結果的には感謝していますが…。こんな感じの「お前がルールブックかよ」的なエピソードは山ほどあります。
最後に
自衛官時代は「自衛官らしさ」を常に求められていました。
そしてその「自衛官らしさ」というのが自意識過剰と言っていいほどの基準だったので、ここに対して「馬鹿らしい」と思ってしまう私のような人間だと、速かれ遅かれ不満が出て自衛官を辞めることになりかねません。
馬鹿らしいと思いながらも臨機応変に柔軟な対応が出来る人。
心の底から「自衛官は素晴らしい存在であり、常に国民の手本になるような振る舞いをしなければならない」と思っている愛国心のある人。
こういう人なら、問題なくやっていけると思います。