自衛官の飲酒事情|自衛隊の宴会や飲み会、寮内での飲酒など

自衛官の飲酒事情|自衛隊の宴会や飲み会、寮内での飲酒など

元陸上自衛官のレトロ軍曹です。

お酒を飲めない私にとって、自衛隊の飲み会の多さや宴会の多さは自衛官を辞める理由の1つでした。部隊によって違うかとは思いますが、はっきり言って隊長があまりお酒を飲まないという部隊でもそこそこ飲み会があったので、お酒を飲めない人は注意が必要です。

また、お酒が好きな人からすれば喜ばしい環境かもしれませんが、逆に「普段の両生活でお酒って飲めるの?」という不安もあるのではないでしょうか。

というわけで今回は「自衛官の飲酒事情|自衛隊の宴会や飲み会、寮内での飲酒など」というテーマで進めていきたいと思います。

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自衛隊の宴会・飲み会の規模や頻度について

部隊によるが節目節目でお酒を飲む機会はある

こんなことを言ってしまうと元も子もないですが、お酒を飲む頻度は部隊によって変わります。ただ、私が所属してきた部隊の中で1番そういうのが少なかった部隊でも、今勤務している民間会社の2倍以上でした。

というのも、自衛隊には駐屯地行事や中隊行事、記念イベントなどが結構あります。場合によっては本来なら休みだった日に勤務しなければならないことも珍しくないので、それらのイベントが成功した暁に労をねぎらうという意味での飲み会があることが多いです。

また、一般の会社と違って自衛隊は全国規模の大組織なので、毎年必ず新隊員が入ってきますし、定期的に異動者が必ず出ます。異動者は出ていく人と迎え入れる人がいるので計2回、そして忘年会と新年会、それから駐屯地行事で観桜会(お花見)や花火大会などのイベントも少なくありません。

場合によっては小隊での送別会と歓迎会、中隊での送別会と歓迎会というコンボに繋がるケースもあるので注意。

 

大規模な訓練後に飲み会が待っているパターンも

私が今でも忘れられないのは、1週間単位の山籠もりの演習(訓練)があり、ろくに歯も磨けずお風呂も入れず、汗臭くて気持ち悪いまま数日間を過ごし、ようやく訓練が終わった後に飲み会が始まったことです。

私はお酒を全く飲まないのですが、周りの隊員にとっては「お酒>>>お風呂、歯磨き」だったという事実に驚きを禁じえませんでした。確かに演習中は禁酒が続くので、お酒を毎日飲む習慣があるという人には辛かったのかもしれませんが。

 

訓練の中には戦争や災害を想定しているものが多く、これらはいつ終わるかが不明瞭であるため、実際に演習であっても「いつ終わるかが明かされない」ということがあります。

運動部なんかでも「グラウンド走ってろ!」と言われるのと「グラウンド20周走れ!」と言われるのでは、いつ終わるかがわからなくてペース配分が掴めないという意味でも、前者の方が精神的なダメージが大きかったりするものです。

いつ終わるかが分からない演習中に、やっと終わってからまさかの飲み会…。お酒を飲めない私にとっては「演習が嫌な理由=飲み会がセット」という意味合いも大きかったです。

 

飲み会、宴会できついのが余興

演習後に演習場で開かれる飲み会や、小隊単位の飲み会でやらされる例は少ないと思いますが、飲み会の規模が大きくなると「余興」をやらされることがあります。

大抵は1番下の新隊員、そしてその1つ上の隊員くらいで終わることが多いですが、飲み会の規模や部隊によっては陸士全員とか、なんならキャラによっては陸曹になってからもやらされたりしました。

さすがに嫌々やらされるものなので、周りで見ている隊員たちも「つまんねー!」というように酷評してくることはないものの、あまりに不貞腐れた態度でやることは許されませんし、キャラによっては裸芸なども求められるので、人によっては精神的苦痛がすごいと思います。

下っ端隊員の究極の試練「飲み会の余興」の乗り切り方を伝授する!

私が在籍していた頃よりも一般的にセクハラやパワハラが取り沙汰される時代になったので、部隊によっては浄化されている可能性も高く、全体的に徐々にマイルドになっていることが予想されます。

 

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寮内、私生活での飲酒について

普段生活している部屋での飲酒は禁止事項

駐屯地にある寮内で生活している隊員の場合、部屋での飲酒は基本的にはNGです。ただ、基本的に独身者の多くは寮にいることになるので、中には重鎮と呼ばれるようなオッサン隊員が寮に住み着いているケースもあるでしょう。そういう隊員が営内のルールを律儀に守っているかどうかは不明です。

ちなみに私が陸上自衛隊に在籍していた当時は、部屋でタバコを吸っている隊員は多かったですが、飲酒をしている隊員はほとんどいませんでした。割と早い段階で平日の外出が許可されるようになりますし、どうしてもお酒が飲みたい場合は外出許可を貰って外でお酒を飲むことが可能になるからです。

 

駐屯地内にはお酒を飲める施設がある

駐屯地の立地条件によっては飲み屋さんが近くになかったりして、外出許可があっても門限までに戻ってこないといけないのであれば、移動時間ばかりでお酒を飲む時間がないというケースも想定できます。

そのような場合には隊員クラブと呼ばれるような、お酒が飲める施設が駐屯地内にあるので、それを利用するといいです。さすがに新隊員だけでの利用は許可していない部隊が多いでしょうが、お酒が好きな先輩隊員に頼めば連れて行ってもらえると思います。

このような場での飲酒は許可されているので、部屋で飲むことはだめでも「点呼の時に酔っぱらってるとだめ」ということではありません

 

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最後に

寮内に住んでいてお酒が飲みたい場合、ある程度のキャリアがあれば外出許可を取って外に飲みに行くことも十分可能ですし、駐屯地内のお酒が飲める施設に先輩を誘って行くことも可能です。

ただし、行きたくない人が連れていかれるケースも十分あるので、そういう人は注意が必要かもしれません。一般の会社でも上司から誘われたら断りにくいのに、職場も私生活も一緒の自衛隊で先輩からの誘いを断れる人はなかなかいませんから。

この記事を書いた人

元陸上自衛官のレトロ軍曹です。20歳の頃に入隊し、自衛隊には6年間在籍していました。仲の良い現役自衛官と今でも交流があるので、定期的に取材みたいなことをしつつ、自衛官を目指したいという人に向けて「もとじブログ」を運営しています。

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