陸上自衛隊の営内でのストレスを思い付く限り挙げていく

 

元陸上自衛官のレトロ軍曹です。

自衛隊生活には様々なストレスがあります。これらは「国家公務員だから安定している」という魅力を軽く打ち消すくらい、非常にストレスで、しかも独特なものです。

 

陸上自衛隊そのものが一般常識からかけ離れているということもあり、実際に入隊してみないと分からないことも山ほどあると言っていいでしょう。

というわけで今回は「陸上自衛隊における営内(寮内)のストレス」について、思い付く範囲で挙げていきたいと思います。

 

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営内でストレスを感じる瞬間

部屋で1人になれる瞬間が少ない

誰しも1人きりになりたい時ってあるのではないかと思います。それが営内だと非常に厳しいです。

せめて気の合う同期や嫌いじゃない先輩と同じ部屋ならまだマシなのですが、苦手な先輩とずっと一緒になってしまうとストレス以外の何物でもありません

 

私の場合を例に話しますが、

  • 新隊員教育前期:10人部屋
  • 新隊員教育後期:6人部屋
  • 一般部隊配属(陸士時代):3人~5人
  • 一般部隊配属(陸曹時代):2人

という感じでした。

 

陸曹になってからは2人部屋で、外出も自由にできるようになりますから、ここまで来ればかなりストレスフリーです。

しかしそこに到達するまでは、なかなか「部屋で1人になれない」という時間が続くので、このあたりは非常にストレスだと思います。

 

特に「1人モゾモゾがしにくい」とか「彼女と電話がしにくい」とか「同じ部屋の隊員のいびきがうるさくて寝れない」などの悩みは、かなり深刻なものになるでしょう。

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誰かが風邪を引いたら一気に連鎖する

 

集団生活の宿命ですが、部屋の誰かが風邪になったら爆発的に広がります。風邪ならまだいいのですが、インフルエンザなんかだと最悪です。

潜伏期間があるので、部屋の誰かがインフルエンザになって隔離されると、その頃にはもう遅いということが多々ありました。

 

特に自衛隊では、外出して戻ってきたらうがい・手洗いをしっかりするという人の方が絶対的に少なく、「自分の体調管理が周りに迷惑をかけるかもしれない」という意識に乏しい人が多いです。

私は入隊して初めて「あ、風邪を引いた人の近くにいると、こんなに感染リスクが高まるのか」と、身を持って知りましたね。

 

先輩から急に誘いを受けたりする

 

この辺は、それぞれのキャラクターにもよるんでしょうが、部屋でゆっくりしている時に急に先輩がやってきて、何かに誘われるということが結構あります。

私が在籍していた頃はPSPのモンスターハンターというゲームが流行っていて、時間が空いたらすぐ「狩りに行こうぜ!」という感じで、とにかく呼ばれました。

気心の知れた先輩ならまだしも、大半は「モンハン以外では、結構距離のある先輩(5期以上先輩)」だったので、ゲームをしながらもストレスを感じるという…。

 

それから、営内では原則としてお酒が飲めません。お酒が飲みたい時は、駐屯地内にある隊員クラブに行くことでお酒が楽しめるのですが、ここに呼ばれることも多々ありました。

基本的に体育会系の人間が多く、教育課程で「先輩の言うことは絶対」という教えが擦り込まれるので、よほど芯がしっかりしている人間じゃないと断れないんじゃないかと思います。

なんだかんだ言って、全く誘われないというのも寂しかったりしますし…。この辺はバランスが微妙ですね。

 

プライベートの休みの日に誘いを受けたりもします。一般社会なら仕事や家庭の事情を言い訳に、波風を立てずに断ることも可能ですが、自衛隊では勤務事情なども筒抜けなので、この辺も結構なストレスです。

 

食事の速度、お風呂のタイミングなどで気を遣う

 

基本的に集団行動なので、1人で食事やお風呂に行くことはほとんどありません。

これもどんな先輩に当たるかによって大きく変わるのですが、やはり後輩隊員であるうちは「先輩を待たせるわけにはいかない」という感情があるので、これが結構ストレスになります。

 

私は食事のスピードがかなり速いですし、お風呂も少し潔癖のような部分があって湯船にゆっくり浸かりたいという感情が一切ありませんでしたから、そこまでストレスを感じることはありませんでした。

しかし、仲が良かった同期は「もっとゆっくり食べたい/もっとゆっくりお風呂に入りたい」という隊員も多かったので、人によっては相当なストレスを感じるんだと思います。

 

個人的には「お風呂が汚い/好きなもの(美味しいもの)が食べられない」ということの方がストレスでしたね。「ラーメン喰いてぇ」と何度思ったことか。

決してマズいというわけでは無いものの、やはり「今日は〇〇が食べたい!」という感情って働くと思うので、それが叶わないというのは結構なストレスになるんじゃないかと思います。

 

食事に関してはタダ同然で食べれるので、ここに文句を言うのも筋違いのような気もしますが、お風呂が汚いのだけは本当に辛かったです。

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営内でも先輩にはしっかりと挨拶

 

ある程度の階級までいけば、自分がすることよりもされることの方が多くなりますし、他部隊には挨拶をしなくても許されたりなど、少しずつナァナァにはなっていきますが、やはり隊員として若いうちはこれもストレスの1つです。

仕事中に気を遣うのは当然として、仕事が終わってからも完全なプライベートというわけではなく、ちょっとした仕事の一部という感じなので、気が休まらないという人は多いでしょう。

 

ちなみに新隊員の場合は、挨拶したor挨拶していないという感じでイチャモンを付けられ、なんらかの制裁を受けることもあります。

腕立てをさせられるか、単なる説教で終わるか。最悪の場合だと外出禁止まであるかも。

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洗濯機が共用で、気持ち悪い

 

当然と言えば当然ですが、洗濯機は営内で共用です(営内の階層別に分かれているという感じ)。

訓練で着用した戦闘服や迷彩服がメインの洗濯物となるので、汗などの汚れだけでなく、泥汚れなどが酷い洗濯物が非常に多くなり、同じ洗濯機で私服を洗わなければならないという部分に大きなストレスを感じました。

 

あと半長靴と呼ばれる、自衛隊で日常的に履く靴があるのですが、これも泥汚れが結構酷くなるので、中にはこれを洗濯機に突っ込む人もいます。

普通に考えて「靴を洗った洗濯機で、誰が自分の服を洗濯したいと思うのか」って話です。

洗濯が終わった洗濯物は勝手に外に出されて、次の人が洗濯機を使ったりするので、床に無造作に放り投げられているのも結構嫌でしたね(終わったらすぐに取り込めば問題なし)。

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営内のストレスの多くは、年数を重ねるごとに緩和されていく

 

これまでに挙げた内容のストレスの多くは、自衛官としてのキャリアを積み重ねていく上で徐々に軽減されていきます

 

新隊員の頃は毎日の掃除だけでなく、ゴミの収集や週末の大掃除などの雑用も多々ありますが、後輩隊員が入ってくれば後輩隊員の仕事になるので、最初の1年~2年で解放される可能性も。

※もちろん部屋の掃除だけは部屋で1番の後輩がやることになると思うので、後輩が部屋に入ってこないケースも考えられるでしょう。

 

中には結婚して営内を出ていく隊員も出てきますし、それで苦手な先輩が出ていってくれれば最高ですね。ま、嫌な先輩って大体がずっと営内にいるんですけど。

どうしても営内が嫌なら結婚すれば営内を出ていけるので、この辺を真剣に考えてみるのもアリじゃないかと思います。

 

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最後に

思い付く限りでザっと挙げたので、思い出せばまだまだ出てくると思います。

 

一般企業に勤めるのと比べてどっちがストレスが多いか少ないかという話をするつもりはなく、あくまで「自衛隊の営内で感じるストレスというのは、かなり独特なベクトルを持ったストレスである」ということが言いたかったです。