自衛官時代にやらかしたエピソード(実話)|しくじり自衛官

 

元陸上自衛官のレトロ軍曹です。

私はこれまでの人生で何度もやらかしてきていますが、今も何とか五体満足で生きております。陸上自衛隊には6年間勤めてきましたが、その間にも何度か失敗をしました。

そこで今回は「自衛官時代にやらかしたエピソード(実話)|しくじり自衛官」というテーマで進めていきたいと思います。自衛隊ってめちゃくちゃ厳しそうに見えますが、意外と何とかなるもんだと思ってもらえれば幸いです。

 

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自衛官時代の失敗(訓練編)

入隊直後に懸垂が一度も出来なかった

 

まぁこれは失敗と言うような失敗でもないと思っていますが、私は生まれてから一度も懸垂というものをやったことがなく、せいぜい斜め懸垂というやつでした(しかも「斜め懸垂って永久に出来るんじゃね?」くらいのナメプ)。

そして自衛隊に入隊して最初の体力検定の時に、懸垂で0回という記録を叩き出すことになります。割と懸垂0回はいましたが10人に1人以下の割合でしたし、どんなに身体の大きい人でも1回くらいは出来る人が多かったです。

 

ちなみに体力検定における懸垂の最低条件は、正規のやり方で8回です。完全に腕を伸ばした状態で、自分の顎が鉄棒を超えるくらいまで身体を持ち上げます。確か4秒に1回くらいのペースだったかなぁ。

あ、自衛隊ではやたら「正規のやり方」というワードが飛び交います。まぁ腕立て伏せ1つを取っても「ズルをしてただ身体を上下させるだけの隊員」が出てくるので。

自衛隊の体力試験はズルがデフォ!?正規のやり方ってなんやねん!

 

正規のやり方だと懸垂で反動を使うのはNGですが、新隊員時代の私は「反動使ってもいいからやってみろ!」と言われ、「反動ってなんですか?」という感じでした。

そんな私でも入隊から3か月後に最低レベルの8回まで到達できたので、たぶん「懸垂のコツ」というか、力の使い方さえ理解できればよほど太った人じゃなければ出来るはずです(懸垂は痩せてる方が超有利)。

 

夜間訓練で寝てしまった

 

これは今でもたまに夢に見るくらいのトラウマでして…。戦争想定の野外訓練で寝てしまうという大失態を犯しました。

自衛隊では年に数回程度、割と大規模な訓練があります。前期末テスト、高期末テスト、最終テストみたいな感じです。普段の業務は「そのテスト(本番)のための小テスト」と言っても過言ではありません。

年に1度の憂鬱「総監検閲」は割と現実的なレベルの地獄だと思う

 

ここで言う最終テストというのがまぁ結構な地獄で、1週間くらいに渡ってろくに寝れないんです。食事もまともにありつけなかったり、お風呂や歯磨きは無しです(これが1番きつかった)。

特に戦争を想定した訓練だと、いきなり空襲警報が鳴ったりします。部隊全員で2時間~3時間くらいの仮眠をローテーションしている中、「自分の仮眠時間に空襲警報が鳴る」のは地獄です。この時、私は2回か3回くらい連続で仮眠時間を潰されていたんですよね。

 

今でも忘れません、暗くなり始めた夕方頃でした。2日くらいに渡ってろくに一睡もしていない状況で空襲警報がなり、銃を持ってガスマスクを付けながら500mくらい全力疾走した後、「その場に伏せて敵の攻撃をやり過ごせ」という趣旨の命令が出ます。

普段の訓練なら「はい、敵の攻撃が終わりました!」みたいになるのですが、戦争想定の訓練本番では「いつ終わるのかも告げられていない状況」でやることになるんです(もちろん上層部はいつ終わるかわかってますが、下っ端隊員には知らされません)。

 

夕日が沈みかけている状況で、睡眠不足のところにフル装備で全力疾走の命令を出され、ろくに呼吸もできずに肩で息をしながら草むらに伏せた状態です。

しかもその待機命令が「…伏せ命令を出したこと忘れてんじゃね?」と懐疑的になるくらい長かったもんですから、思わず寝てしまいました。寝てしまったというか、意識が落ちたって言った方が正しいような気もしますが。

まぁ呼吸が苦しかったのでガスマスクを少しずらしたあたり、意識が落ちたというには確信犯的な部分も否定できませんが。

 

結果、起きた時はすでに辺りが真っ暗になっていて、周りに伏せていた隊員たちが誰もいないという…。演習場は完全なる山なので街頭などもありませんし、戦闘訓練でライトを付けるなんてもってのほかですから、数メートル先の状況も見えない中、ただひたすら音がする方向を探しました。

なんとか点呼の寸前には間に合って事なきを得たわけですが、「知らない土地(一般人が入ってこない山奥)で真っ暗な中で目が覚めた時の恐怖感」は今でも忘れません。

 

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自衛官時代の失敗(プライベート編)

宴会の一気飲みで急性アルコール中毒

 

これは割と自衛隊あるあるなんじゃないかと思うんですが、自衛隊の宴会では事前に「一気飲みをしません、させません」みたいな署名をさせられることが多かったです。

というのも、必ず一気飲みをする奴が出てきて、何かしらの問題になるケースが少なくないからです。そして一気飲みをする奴というのは、元々調子乗りだったというケースもありますが、一番多いのは「やらされるパターン」じゃないかと思います。

 

普段から割と頭がおかしい人(頭がおかしいというか中学生がそのまま大人になったような感じの人)が多い集団で、皆が酒を飲んで理性をそこそこ失っている時、「やるな=やれの前フリ」です。

バラエティでも「押すなよ=押せ」の不文律ってあるじゃないですか?もう上の人間はやっていいことと悪いことの区別が付いてないので、命じられた方はやるしかありません。

 

私は酒を一滴も飲めない典型的な下戸ですが、中ジョッキのビールを半分くらい一気飲みして、胃の中のモノを全部吐き出した後、前も見えずに立てなくなって同期からリアカーで病院に運ばれました

その後、何度も停学になった高校生以来の反省文ですよ。「なんであれだけやるなって言われたことをやったんだ!」と怒られ、「いや、上官にやれって言われたからだよ」とも言えず、あげくの果てにやらせた本人が「私の指導力不足です」みたいになっているという…。

 

身分証明書の紛失

これは私の話ではないのですが、自衛官には自衛隊特有の身分証明書があり、駐屯地に出入りするときは必ずこれが必要になりますし、入隊直後にこれを支給される時には「お前の親より大事なものだ」という感じで渡されます。

入隊直後から「これを無くせばヤバイ」という雰囲気をひしひしと感じますが、残念ながらこれを失くしてしまう隊員がいるのも事実です(滅多にいないけど)。

 

ちなみに私の知り合いの自衛官は当時3等陸曹で、かなり優秀な隊員として知られている人でした。バッグに身分証明書を入れていて、バッグごと盗まれてしまったようです。「財布なんかくれてやるから身分証だけは返してくれ!」って泣きながら叫んでました。

結果、ブランド物のバッグや財布は戻ってきませんでしたが、忘れた頃に身分証だけは落し物として戻ってきたんですよね。まぁ彼が坊主になって大量に始末書を書いた後の話ですけど。

命の次に大事だと言われる自衛官の身分証明書、失くしたらどうなる?

 

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最後に

細かい失敗は他にもいろいろあります。確かに厳しい職場で理不尽なことも多いですが、「細かい失敗を笑ってくれる寛容さ」みたいなものも持ち合わせているので、今では笑える思い出になっていることがほとんどです(宴会のやつだけは笑えないけど)。

なにかやらかしても先輩なり同期なりがフォローしてくれることが多いので、もしこれから自衛隊に入るつもりだという人がいれば、同期は大切にしましょう。