元陸上自衛官が語る自衛隊に入って良かったこと3選

 

元陸上自衛官のレトロ軍曹です。

私は20歳の頃から26歳になるまでの6年間、陸上自衛隊で過ごしました。一生勤め上げるつもりでしたが、残念ながら「自分にはこの世界は向いていないんじゃないか?」と思い、途中で退職することにしたわけですが…。

 

自衛隊での6年間は、普通の世界にいたら経験できないことばかりでした。良い事も悪い事も数多く経験しましたが、今の自分を形成している根底にあるのは「自衛隊時代に学んだこと」も数多くあると思います。

というわけで今回は、「元陸上自衛官が語る自衛隊に入って良かったこと」をご紹介します。実に多くのことを学びましたが、今回は厳選して3つだけ紹介するので、自衛隊に興味のある人は覗いていってください。

 

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自衛隊に入って良かったこと3選

 

お金が貯まった(6年間で500万円)

自衛隊に入って良かったことと言われて、真っ先に思い浮かんだのは「お金が貯まった/貯金できた」ということです。

当時26歳で500万円の積み立てができたのは、間違いなく自衛隊に入隊したからだと思います。入隊当初の貯金は30万円とかその程度でしたから。

 

自衛隊にいたのは6年間ですが、最初の1年は実家にかなりの金額を送金していて、2年目から積み立てを本気で始めたこともあり、実質1年間100万円ペースで貯めていたと言っても過言ではありません。

もともと浪費癖などは無かったものの、さすがに一人暮らしをしながら自炊して…となると、ここまでの大金は貯められなかったです。

自衛隊の金銭事情・給料関係の内部事情|入隊すればお金が貯まる!?

 

ちなみに自衛隊を辞めてから10年になりますが、現在の貯金残高が1500万円を超えていないという部分を考えても、金銭的な余裕は自衛隊の方が恵まれていたことは間違いありません。

※自衛隊にいれば買わなかったような物(パソコン、車、トレーニングジムの会費、旅行費など)も、一般社会では気軽に買ってしまうというのも原因の1つですが。

 

趣味が増えた(主にアウトドア系)

趣味が増えたというか「色んなことに興味を持つようになった」という方が的確かもしれません。入隊前の趣味は「テレビゲーム、パチスロ、ギター」というインドアな趣味に加えて、一応サッカーは見るのもやるのも好きでしたが、チームに入ってまではやろうと思わないという程度でした。

それが今では一般のチームに入ってプレイするくらい積極的になり、後はスノボ、ダーツ、釣り、キャンプ、麻雀など…。好きなものが幅広くなりました。

入隊前であれば「釣り=待ってるだけでつまらない/キャンプ=わざわざ生活に不自由な所に行って苦労をする意味が分からない」という偏見が凄かったのですが、この辺りは「そういうのが好きな人がいるってことは、やってみないと分からない魅力があるのでは?」という柔軟な発想ができるようになった気がします。

 

自衛隊では気の合わない人も多いですが、色んな人がいるので気の合う仲間も必ず見つかります。そういう人に付き合って色んな事に挑戦してみたら、良い意味で新たな世界が開けました。

今の会社で先輩や後輩に誘われても、「仕事外でまで付き合いたくない」と感じてしまうので、そういう意味では自衛隊の6年間で色んなことを実際にやってみることができたのは貴重な経験だったと思います。

 

多少の理不尽にビクともしなくなった

これは一長一短ですけど、まぁちょっとくらい理不尽なことを言われても動じないというか、別に大したことがないと思うようになりました。

これはきっと、自衛隊時代に無茶苦茶なことを言ってきた諸先輩のおかげではないかと思います。感謝したくないけど、感謝すべき事なのかもしれません。

 

一長一短と表現したのは、「自分にとって大したことが無い」と感じる部分は耐久力という意味でメリットなのですが、誰かから相談された時に「それってそんなに悩むこと?」と思ってしまう部分があるんじゃないかと心配になることがあるからです。

世間でパワハラ、モラハラと話題になることの多くに対して「自衛隊じゃ当たり前だったけどなぁ…」というような、一昔前の大人(場合によっては老害と言われるような人たち)と同じ感じになっている気がすることがあります。

お酒を片手に「わしら(俺ら)の時は…」と若者を説教するようになったら、結構終わりですからね。

 

自衛隊の時は変な人、理不尽な人が山ほどいましたが、仕事で接するお客さんにも理不尽な人がたくさんいます。

たぶん自衛隊を見ていなければ「あのお客さんの所に行くの嫌だなぁ」とかあったと思うんですけど割と平気です。「S1曹に比べたらマシ」って思えますから。

 

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自衛隊での経験は無駄にならない

 

個人的には「せっかく入隊したんだから、出来るだけ続けてみたら?」という気がしますが、もし仮に辞めることになったとしても、入隊していた期間が全くの無駄になるということはありません

銃を撃つこともなければ、手りゅう弾を投げることもないし、ガスマスクを付けることも恐らくないと思います。それでも自衛隊生活の経験は、あなたにとって貴重な財産になっていることは間違いないでしょう。

 

一般の人が体力維持の為に運動しようと思ったら、3km走るのだって結構つらいんですよ。それを「10kmくらい普通に走れるけど…」って思えるだけでも儲けもんです。

運動不足を実感して動けなくなると、普通の人よりも「昔は動けたのに…」って悔しさがあると思うんで、意外と時間を見つけて動いたりもしますから、健康状態も維持しやすいんじゃないかと思います(人によるだろうけど)。

 

あとは、一緒に苦難を乗り越えた同期や仲間との繋がりは一生切れないくらいになるはずです。私は友達が少ない方ですが、自衛隊をやめて10年経った今でも、かつての同期と一緒に出掛けたりってことが結構あります。

地元でもないのに長期休みになったらわざわざ私の地元に遊びに来てくれたりして、こういう関係性が作れたことは私にとって非常に大きな財産です。

 

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最後に

  • お金が貯められること
  • 色んなことに興味を持つようになれたこと
  • 理不尽さに耐性ができたこと

 

上記の3点が、私が自衛隊に入って良かったと感じることです。

私は冗談で「自衛隊にいた6年間=懲役6年」と表現することがあるのですが、懲役にしては色んなことが勉強できて、しかもお金も貯まるという最高のお勤めだったと思います。

この記事を書いた人

元陸上自衛官のレトロ軍曹です。20歳の頃に入隊し、自衛隊には6年間在籍していました。仲の良い現役自衛官と今でも交流があるので、定期的に取材みたいなことをしつつ、自衛官を目指したいという人に向けて「もとじブログ」を運営しています。

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