陸上自衛官の必要物資にかけるお金の話|職務に必要な物は全部支給じゃないの?

 

元陸上自衛官のレトロ軍曹です。

先日、友人とご飯を食べに行った時の話なのですが「飲み会の時の代行料金は会社負担かどうか」という話で大盛り上がりしました。

 

「代行なんて必要な人と不要な人がいて不公平だから、必要な奴だけ実費で使え!」という会社もあるでしょうし、中には「そもそも会社の飲み会自体も自腹なんだけど」という人もいることでしょう。

そこで今回は、陸上自衛隊において訓練などで必要になる物はすべて支給されるのか、または「自分で用意しなくてはならない物にはどのようなものがあるのか」等について、簡単にご説明したいと思います。

 

スポンサーリンク

迷彩服、迷彩帽など基本的な衣類は全部支給

 

まず入隊と同時に、官品と呼ばれる衣類や道具を与えられます。入隊から半年間に渡って行われる教育期間では、この官品を身に付けて訓練を受けることになるでしょう。

これは国の財産(一般の方たちが納めた税金によって与えられるもの)なので、原則として返納義務があり、自衛官を辞める際に返さなくてはいけません。

ちなみに定期的に検査があって、紛失したりすると大問題になるので注意してください。

 

官品には普段の訓練を受ける時に身に付ける戦闘服、戦闘帽、半長靴を始め、他にも雨衣などの特殊な衣服、更には教本、水筒、飯盒なども含まれます。

訓練で必要になるようなものはある程度支給してもらえますが、下着類や運動の時に着用するようなジャージ類などの消耗品に分類されるような物は基本的には実費です。

 

スポンサーリンク

自衛官の大多数が私物の迷彩服を用意する

 

ノンアイロンの迷彩服、戦闘服は必須

ちなみに部隊のルールにも大きく左右されるとは思いますが、私の所属していた部隊では「新隊員は、次の新隊員が入ってくるまでは原則として官品の戦闘服上下を着用すること」というルールがあり、それを過ぎた隊員たちのほとんどが私物を使用していました。

確か上下で1万円弱くらいだったような…もしかすると上だけだったかも。上下揃えると2万円戦後かもしれません。いずれにしても、一般の方からすれば「なんで与えてもらえるのに、わざわざ実費で用意するのか意味が分からない」と思うのではないでしょうか。

 

実は官品の戦闘服は非常にシワになりやすく、これを着ているうちは毎日アイロンがけをしないと見栄えが悪くて困ることになります。

そこで私物で購入できる迷彩服の中には「アイロンがけをしなくてもピシッと見える迷彩服」などのスーパーアイテムがあるので、みんなこれを購入するというわけです。

 

私が所属していた部隊では、年に数回あるちゃんとした訓練の時は官品で参加しなければならなかったものの、それ以外の時は私物で過ごしていました。

そもそも官品も2着とか3着程度しかもらえませんので、毎日アイロンがけを頑張るにしたって私物は持っておくに越したことはないでしょう。「時は金なり」という言葉があるように、毎日のアイロンがけから解放されるだけでも十分に価値のある買い物です。

陸上自衛官とアイロンの密接な関係とは?

 

外被、弾帯などは必要に応じて買えばいい

私は一生自衛隊にいるつもりだったということもあって、割と多くのアイテムを購入しました。確か外被とか半長靴なんかは3万円近くしたんじゃなかったかなぁ…。

外被は官品よりも生地が厚くて着心地が良く、寒い時期でも暖かいです。半長靴も柔らかくて履きやすかった気がします。

 

ただ、個人的にはノーアイロンの迷彩上下は必須かと思いますが、それ以外のアイテムは別に無ければないで問題ないという考えです。

一生自衛隊にいるなら、寒い地域に勤務している人は外被くらいは買った方がいいような気もしますけど…。私物の外被を持っている隊員が周りにいるなら、1回借りてみるといいですよ。暖かみがまるで違いますから。

 

スポンサーリンク

ちょっとしたアイテム、小物などのほとんどは自腹

 

自衛隊では「特定の条件下で必要になる小道具、アイテム」などの多くは、基本的には自腹です。例えば夜間訓練の際に使用する可能性があるライトや、靴磨きの時に使用するクリーム類などは自分で用意する決まりとなっています。

一般的な会社だと「仕事で必要な物は領収書を切って、あとで清算できる」というルールの会社も多いと思いますが、自衛隊ではそういうことはほとんどなかったです。

 

個人的に1番お金が掛かったなと思うのは、運動に使用するシャツやハーフパンツ、ランニングシューズなどですね。特にランニングシューズに関しては毎日10kmくらい走っていたので、すぐにへたってしまって割と高頻度で買い直していました。

特に私の場合は足が速い方ではなかったので、少しでも速く走るために「少しでも走りやすい靴、少しでも軽い靴」を求めて割と高い靴を買っていたこともあり、ここにはかなりお金を使った記憶があります。

あ、あとトイレットペーパーなんかも実費です。

陸上自衛隊時代に出費を惜しまなかったのは「時計/ウェア/靴」です

自衛隊ではどの程度の体力があればOK?持久走が苦手な人向けの助言

 

スポンサーリンク

隊での飲み会は基本的に自腹(積み立て)

 

自衛隊ではお酒を飲む機会が非常に多くなると思います。

私が在籍していた部隊では、中隊規模の飲み会が年に3回~4回、小隊規模の飲み会が年に3回~4回、それ以外に先輩から誘われたりする飲み会や出身地が同じという集まりの飲み会など、毎月2回くらいは自分の意志では参加したくない飲み会(自由参加という名の強制)がありました。

 

ちなみに隊が関わってくる方の飲み会に関しては、毎月1000円~2000円程度のお金を徴収されていました。そして足が出る分があれば、追加で集金されるという感じです。

それ以外にも中隊旅行の積立金なども取られていて、中隊規模で泊まりの隊員旅行なんかもありました(今思い出すのも嫌なくらい地獄でしたが…)。

 

なので、普段プライベートでは一滴もお酒を飲まない私でも、月に5000円~10000円くらいのお金をお酒に使っていたということになります。年間にしたら6万円~12万円です。

お酒が好きじゃない私からすると非常にバカバカしい出費だとは思うのですが、個人的には「お金を倍払ってもいいから飲み会に行きたくない」くらいの感覚だったので、お金を取られることにそこまで不満は感じなかったように思います。

 

そして普段からそこまでお金を貯めようと思っていたわけでもなく、6年間の自衛隊生活で500万円を貯めたので、自衛隊に入るとお金が貯めやすいという部分は間違いないでしょう。

自衛隊の金銭事情・給料関係の内部事情|入隊すればお金が貯まる!?

 

スポンサーリンク

最後に

今、私が会社で「〇〇を自分で用意しろ」と言われたら、若干は不満に感じると思います。でも自衛隊にいた頃は、必要な物を自分で用意するという部分に抵抗はありませんでした。

それだけ金銭的に余裕があったという部分もあるでしょうし、本音を言えば「官品はその後の管理とかもうるさいから、だったら自分で用意して自分の好きなように使いたい」という気持ちがあったのかもしれません。

 

自衛隊でも必要な物の多くは支給されますが、全てが全て支給されるというわけではありませんし、むしろ「官品を受け取ることが拒否できるなら拒否したい」と考える人も多いように思います。

もし官品を無くしたら、物によっては洒落にならないくらい大変なことになるので、取扱は十分に注意しましょう。

金銭面
スポンサーリンク
シェアする
元陸上自衛官が内部事情を暴露する