陸上自衛隊の営内(寮)で出来る事・出来ない事|厳しいのは最初だけ

 

元陸上自衛官のレトロ軍曹です。

私が入隊を決めた時に最も不安視していたのは、寮生活と言っても過言ではありません。

 

「自分だけの時間は作れるの?」

「部屋ではどこまで許可されてるの?」

「毎日早く起きなきゃいけないの?」

「門限は?」

 

などなど。

本記事では「陸上自衛隊の営内(寮)で出来る事・出来ない事」についてご紹介したいと思います。

 

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自由度は徐々に変化していく(緩やかになっていく)

入隊直後の教育期間はあまり自由がない

 

自衛隊には入隊してから半年間の教育期間があるのですが、ここの自由度は極めて低いです。外泊も長期休養(ゴールデンウィークやお盆休み)を除いて許可されません。

私の時は10人部屋で、ただでさえ狭い部屋に2段ベッドが5台あり、あとは3人掛けのソファーと1台の長机とテレビがあるだけという感じでした。

 

一応、時間と整理整頓を守るのであればテレビも見れますし、テレビを使ってゲームをすることも許可されていたような気がしなくもないです(やってた人がいないので、罠だった可能性も否定できません)。

ただ、何かにつけて難癖を付けられるのが教育期間中でもあるので、私の場合は「明日の準備、雑談、ケータイいじり(当時はガラケー)」くらいしかしてなかったような気がします。

 

なので人によっては最初の半年間の不自由さに「このままだと自衛隊を続けていくのは無理だ」と感じてしまうかもしれません。

しかし私の場合は同期がそれなりに仲が良かったので、くだらない雑談で笑いあったり、理不尽なことがあったらそれを愚痴りあったりするだけでも十分に楽しかった記憶があります(当時は楽しかったとは微塵にも思いませんでしたが)。

 

もしかすると人によっては「ゲームしたい/マンガ読みたい/音楽聴きたい」など、あれこれやりたいことがあるかもしれませんよね。

これらは基本的には、片付けさえすればOKだと思います。音楽もさすがにウーハーを使って大音量でとなると苦情が出ると思いますが、普通にイヤホンで聴く分には問題ないはずです。

 

しかしそこまで満喫できるという人は、入隊前に不安がってこんな記事を読んでいないような気もします。

ただでさえ戦闘服のアイロンがけ、半長靴の靴磨きなどがあり、そこに不備があると連帯責任になりますから、慣れるまではそこそこ時間が掛かるでしょうし、慣れないことの連続に疲れて「何もする気が起きない」という人も。

陸上自衛官とアイロンの密接な関係とは?

 

部隊配属後は部隊や部屋長によりけり

 

教育期間が終わると、部隊配属になります。私の場合は10人部屋から4人部屋になり、部隊の先輩2人と同期1人と同部屋の4人部屋でした。

部屋のルールは基本的には部隊毎で異なり、そのルールにも建前上のものが少なくないので、基本的には「部屋長がOKと言えばOK」という感じです。

 

例えば私が所属していた部隊のルールでは「毎朝、点呼が終わったら1番下っ端の隊員が部屋と廊下の掃除をする」というルールがありますが、私の部屋では部屋長が「二度寝するのに横でホウキを掃かれたらウザい」という理由から、朝の掃除がありませんでした。

「自衛官って朝何時起き?二度寝はできないの?」という質問に答える

 

そして同じ部隊でも別の部屋では「就寝時間(2300)になって先輩が起きていたとしても、新隊員は時間通りに寝ろ」と言われている部屋も少なくありませんでしたが、私の部屋では就寝時間を過ぎて起きていても全く問題なかったです。

私は理解のある先輩の部屋に当たったので、相当運が良かったんだと思います。

 

別の同期には、夜中に帰ってきた先輩に起こされてマクドナルドのお土産を食べさせられたり、奴隷のようにパシリにされていた人もいたので。

それらを考えると、こんなことを言ったら身も蓋もありませんが、結局は「どんな先輩隊員に当たるか」という運次第と言えるかもしれません。

 

士から曹になれば超自由

 

陸上自衛隊では、陸士長という階級までは誰でもいけます。これは入隊からの年数によって自動的に昇進していくシステムです。

そこから三等陸曹になるのには試験に合格しなくてはならず、その試験には合格基準があるので、中には「自衛隊に一生いたいけど、試験に合格できないから辞めざるを得ない」という人もいます(私がいた頃はよほどのことが無い限り、続ける意思があればほぼ誰でも陸曹になれましたが)。

 

この陸曹になると私がいた部隊では2人部屋が与えられ、毎日仕事が終わったら駐屯地を出て出かけることもできますし、週末の外出なども自由でした。

唯一「同部屋になる人が苦手な人だったら最悪」となるかもしれませんが、陸士の頃に比べると悪戯に理不尽な人は極端に減るようなイメージです。

ニオイ等を生理的に受け付けないなどの理由で悩んでいる人はいました。

 

同じ部屋にイビキが凄い隊員がいると地獄という話

 

ただし、やはり営内にいるというだけで「休みの日でも外泊申請してなければ点呼に出なければならない」「飲んでいても門限が近くなったら帰らなければならない」という不自由さは付きまといます。

私の先輩には駐屯地の近くにアパートを借りて、休みの日だけそこに帰るという人もいました。

 

いくら自衛隊に染まっても、30歳近くにもなって門限を気にすることは普通の生活とは言えないので、人によってはいつまで経っても慣れない部分じゃないかと思いますね。

ちなみに営内から出るためには結婚するか、ある程度の年齢&階級になるかです(早く出たければ結婚一択)。

 

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どんな訓練よりも営内生活の方が辛かった

 

個人的には、どんな訓練よりも営内生活の方がストレスを感じることが多かったです。

同じ部屋の人のいびきがうるさかったりすると、普段その人がどんなに良い人であっても少し嫌いになりますし、人によってはタバコを吸ったりも。

 

私も当時は喫煙者で、時には先輩に乗じて部屋で一緒にタバコを吸ったりすることもありましたが、非喫煙者の人からしたらこれ以上ないくらいの迷惑行為だったと思います。

当時も部隊のルールでは、部屋での飲酒喫煙は禁止でした(建前上)。しかし今現在は、世の中の流れ的にも相当厳しくなっていることが予想されます。

 

あとは夜遅くまでゲームをやっている先輩のコントローラーの操作音が気になったり、夜中に電気を消してから布団の中で何かモゾモゾしてたりなど…。

自分ではガサツだと思っていた私ですら気になる部分が多かったので、神経質な人には務まらないんじゃないかと思いました。

自衛隊の寮での1人モゾモゾ事情|周りにバレずにできるのか!?

 

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最後に

同じ部屋になった先輩隊員を振り返ってみると、私が引き当てたのは相当運が良い組み合わせだったと思います。

それでも苦痛だったわけですから、ハズレを引いたらそれが理由で辞めたくなる人も少なくないはずです。

 

ただ、あまりにも理不尽な目に遭っている場合などであれば、更に上の先輩隊員や上官に相談することで部屋を移動させてもらえるかもしれません。

それに先輩の当たり外れについては、いくら気にしても仕方がない部分でもあるので、基本的にはなすがままに。

ハズレを引いたら、下手に仲良くしようとせずに割り切ることをおすすめします。