未成年隊員の飲酒・喫煙問題|タバコはトイレで隠れて吸うの?

 

元陸上自衛官のレトロ軍曹です。

私は20歳で自衛隊に入隊したので、法律上は飲酒も喫煙もOKという年齢になっていましたが、周りには高校を卒業してすぐ自衛隊に入った人も多く、中には「喫煙者」もいました。

 

個人的には「未成年の飲酒喫煙なんて自己責任だし、周りに迷惑をかけなければ別にいいんじゃないの?」と思う部分もありますが、一応法律で決められていることなので、大っぴらにそれを肯定するのは良くありません。

国家公務員である陸上自衛官であれば、尚更そうでしょう。

 

では未成年の隊員は、飲み会でもソフトドリンクを飲んでいると思いますか?

この記事では「未成年隊員の飲酒・喫煙問題」について内部事情を暴露したいと思います。

 

私が陸上自衛隊に在籍していたのは約10年前になるので、当時と今とでは若干事情が変わっているかもしれません。予めご了承ください。

 

本音と建て前でケースバイケース

 

結論から言うと「国家公務員である以上は大っぴらに許可することはできないけど、あるタイミングで許可されることがあったり、見てみぬふりをしてもらえることがある」という感じでした。

 

私の所属していた部隊の話(当時)をすると、未成年隊員は【新隊員の前期教育(入隊~3ヶ月)は「飲み会の時の飲酒はOK、喫煙は基本的にNG」で、新隊員の後期教育(4ヶ月~半年)は「飲み会の時の飲酒はOK、喫煙は場所のルールを守ればOK」で、入隊半年後に部隊配属されてからは「場所のルールを守っての飲酒喫煙はOK」というルール】でしたね。

 

所属する部隊の教育方針などに大きく左右されます。

 

ちなみに最近は大学を出て入隊するという人も多いので、入隊時に20歳を超えている人が昔と比べると非常に多く、そういう人には別ルールが適用されることもあります。

ちなみに私の場合は喫煙も普通に認められていたので、未成年の隊員がタバコを吸う際のカムフラージュとして頼りにされていました(見張りを立てて監視し、先輩隊員が来たら私がそのタバコを受け取って、普通に吸っているフリをするという感じ)。

 

ただし色んな同期の話を聞いたところ、中には「年齢なんて関係なく、全員が同期で全員が新隊員だ」という教育方針の所もあるようで、新隊員である以上は全員が喫煙NGというルールの所もあるようです。

 

そういう厳しい部隊でも、飲み会の時の飲酒だけは一時的に許可されることが多いです。

 

寮部屋での飲酒喫煙は不可

 

自衛隊では年数を重ねていくことで自由度が増えていきますが、どんなにベテラン隊員になっても「営内(寮)の部屋内での飲酒喫煙は認められていない」というのが原則です。

 

お酒が飲みたくなったら外出申請をして駐屯地の外で飲むか、駐屯地内にお酒を飲める場所があるので、そこに行く必要があります。

そのため「お風呂上りに部屋でビールを軽く一杯」ということは許可されていません(バレないように上手くやっている隊員は山ほどいました)。

 

一方で喫煙についても、喫煙場所というのが決められているので、そこでの喫煙しか認められていませんでした。

当時は営内の出入り口付近にありましたが、最近は嫌煙ブームが猛威を振るっているので、もしかすると駐屯地の端の方に追いやられているかもしれません。

陸上自衛隊の営内(寮)で出来る事・出来ない事|厳しいのは最初だけ

 

演習などで山などに行くときは、下っ端隊員か係の人間が「煙缶」を用意することでタバコが吸えるようになります。

自分が喫煙者なら問題無いでしょうが、非喫煙者が係になった時は煙缶の存在を忘れやすく、もし忘れてしまうと喫煙者がタバコを吸えなくなって非難轟々になるので注意しましょう。

 

酒好きや喫煙者の上官がいるかどうか

 

陸上自衛隊では度々、演習場の整備(山の草刈りなど)に行くことがあります。

この時、電動の伐採機などを使ったりするので安全管理を徹底して行いますが、水分補給のための休憩をこまめに取ります。

この時その指示を出す上官が喫煙者なら、自分がタバコを吸いたいタイミングで休憩の指示を出したりするので、割と休憩が多いというイメージです(人によりますけど)。

 

そして上官が酒好きなら、宴会の機会が増えることも十分に考えられます。

私が最後に配属された部隊では、隊長がお酒もタバコもやらない人で「隊の飲み会なし、職場周辺は全面禁煙」というルールがあったので、お酒を飲めない喫煙者の私は「嬉しいような、悲しいような…」という境遇にさらされました。

 

ちなみにこの時は、喫煙の方に関して「仕事が終わったら自由に吸っていいけど、勤務中は休憩時間でも許さない」というルールだったので、さすがに朝8時から夕方5時まで禁煙生活はしんどいだけですから、気合と根性でタバコを辞めることに(結果的には感謝ですが、当時は厳しかったです)。

 

最後に

最近では喫煙者の数もだいぶ減ってきたとは思いますが、タバコを吸っている未成年の方で入隊を検討している方は注意した方がいいでしょう。

配属先のルールによるので何とも言えませんが、私の聞いた限りでは「未成年だと大っぴらにOKされにくいケースが多い」という印象です。

 

ただ、部隊に配属されたら成人だろうが未成年だろうが「1人の隊員」として扱われることが多くなるので、そういう意味では教育隊の頃よりも責任が重くなる代わりに最低限の自由も認めてもらえるという感じでしょうか。

あ、ちなみに喫煙者が強制的に禁煙を強いられると発狂するくらい辛い気持ちになると思うので、そういう場合はニコチンパッチがおすすめです。

 

 

この記事を書いた人

元陸上自衛官のレトロ軍曹です。20歳の頃に入隊し、自衛隊には6年間在籍していました。仲の良い現役自衛官と今でも交流があるので、定期的に取材みたいなことをしつつ、自衛官を目指したいという人に向けて「もとじブログ」を運営しています。

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