自衛隊でいじめをする人の特徴|いじめている意識が無い隊員も多い

 

元陸上自衛官のレトロ軍曹です。

自衛隊にいじめはあるかどうかを聞かれたら、この場で「ない」ど断言することは非常に難しいことだと思います。

私が自衛隊に在籍していたのは今から10年ほど前の話ですが、当時は確実にいじめ問題がありましたので、それから劇的に変わったということがない限り確実にあるはずです。

 

ただ、ある程度は普段からの取り組みで回避可能です。実は自衛隊でいじめをする人間には特徴があって、「こういう隊員はちょっとヤバいかも…」という具体例が存在します。

以下では「自衛隊でいじめをする人の特徴|いじめている意識が無い隊員も多い」というテーマで進めていくので、自衛隊への入隊を検討しているという方はぜひ参考にしてみてください。

あくまで私自身の経験則に基づくものであり、これが絶対的な事実というものではありませんので、予めご了承ください。

 

スポンサーリンク

自衛隊でいじめをする人の特徴

 

私が見てきた例でサンプルが少ない部分は否めませんが、自衛隊でいじめをする隊員は「プライベートが充実していない、自衛隊の外に人間関係があまりない」という法則が当てはまるような気がします。

そもそもプライベートが充実していたら、自衛隊の中であれこれやってる暇なんかないんです。休みの日が来たら一刻も早く駐屯地から出たいという人が多いですし、平日は「今度の休みは何しようかな」という妄想で一杯ですから(全員が全員というわけではないですが)。

一方で人間関係が自衛隊内のみにしか無いという人は、少し厄介になる場合が多いような気がします。なんかお山の大将気質の人が多いというか、「外で相手にされないから、自衛隊の上下関係にかこつけて威張り散らしている」というか…。

 

私の中で自衛隊のいじめを思い浮かべる時、真っ先に思い浮かべるのが「掃除の点検」です。例えば新隊員として入隊直後の掃除においては、必ず教官から点検をしてもらわないといけないのですが、まず一発OKがないんですよね。

教育マニュアルの1つなんですが、一旦は突っぱねます。それこそ重箱の隅をつつくような点検をして、窓のフチを子指でなぞるとか、引き戸のレールの上をハズキルーペで見るとか。これは上下関係を知らしめるという意味合いもあって、まぁ必要と言えば必要なプロセスなのかもしれません。

 

そして、こういう指導は徐々に緩やかになっていきます。新隊員の時の1ヶ月目と3ヶ月目でずっと同じように厳しく見られ続けるということはないです。それこそ冗談っぽくやられることはあっても、大半は教官も新隊員も笑っているという感じになるでしょう。

ですが部隊配属されて、1期上の先輩と一緒に暮らすようになった時。これもまぁ最初は厳しくやられると思います。…が、ずっとそのレベルが緩まることなく進んでいく場合があります。…これは完全にいじめでは?

 

週末外出をする際は、掃除の点検で先輩隊員からのOKが出ないと外出できません。ただ、それをチェックする先輩もOKを出さないと外出できないんです。

だから普通は「自分も早く外出したい=基準が甘めで即OK」みたいになるんですけど、そもそも外出予定がないような人は「いくらでも点検に付き合ってやる」みたいになり、厄介な隊員が多かったような印象があります。

 

スポンサーリンク

どこから「いじめ」になるのかの判断が難しい

 

イジメは被害者の感じ方次第みたいなところがあるので、線引きが非常に難しいです。特に自衛隊のノリは体育会系なので、先輩が後輩をいじるという光景が日常的に見られます。

あまり過度に気にしてしまうと窮屈になりますし、軽い冗談も言えなくなってしまうでしょう。とはいえ本人は冗談のつもりで言っていても、後輩からすると「冗談に聞こえない」とか「冗談でも言っていいことと悪いことがある」となってしまうんですよね。

 

例えば自衛隊では、飲み会が頻繁にあります。

  • 後輩隊員は先輩隊員にお酒を注ぎに回らなければならない
  • 料理の取り分け、注文などは後輩隊員の仕事
  • 後輩隊員は余興をすること

下っ端隊員の究極の試練「飲み会の余興」の乗り切り方を伝授する!

 

今思えば「とんでもないパワハラ満載だな」と思うわけですが、上記の3つに関しては物議を醸すのではないでしょうか。未だに新入社員に対して余興をやらせる会社がどれくらいあるのかは不明ですが、中小企業だったら結構ありそうな気がします。

ちなみに余興に対してあれこれダメ出しされるとかなら、完全なるいじめ認定できるんですけど、意外とゲラというか簡単に笑って満喫してくれるんです。やるまではすごく嫌なのに、実際にやってみると「あ、こんなんで楽しんでくれるんだ」みたいな。

 

嫌は嫌なんですけど、そんなことを言い出したらトイレ掃除も嫌だし、「トイレはみんなが使うんだから、後輩隊員にだけやらせるのは違うんじゃない?」みたいなことを言い出すのも少し違うような気もします。

という部分もあって、人が良いというか真面目な人ほど「これはいじめじゃなくて指導なのでは?」と思い込み、極限状態まで追い詰められてしまうという例も少なくないです。

 

スポンサーリンク

いじめている意識の有無

自衛隊員は一般人と比べて頭がおかしい

良くも悪くも自衛隊員は一般人と比べて頭がおかしい人が多いです。常識が無いとかそういう意味ではなく、一般的ではないという表現の方が正しいかもしれません。

だから一般的な物差しで測ることがそもそも難しいです。一般企業なら上司の命令に背くことがあっても、自衛官には「上官の命令に服従する義務」というものがありますから。

私自身、6年間陸上自衛隊にいて、辞めてからもう10年くらいになりますが、未だに「一般人と感覚がズレている」と感じることがあります。「口で言っても分からないなら、体罰も仕方ないんじゃない?」とか普通に言えてしまうあたり、恐らくまだ自衛隊に洗脳されているのでしょう。

自衛隊を辞めた後も未だに「自衛官だったんだなぁ」と思う瞬間の話

 

いじめている方はいじめてるつもりは無い

 

私が見てきた限りでは、いじめている方にいじめている意識は一切なく、どちらかと言えば「おもちゃにしている」という感覚が強いような気がします。ですが、自衛隊で行われている指導と紙一重だったりするんですよね。

例えば自衛隊では体力検定というものがあって、基本的には「それに合格しないと昇進もできないし、最低限のノルマのようなもの」と言ってもいいです。

自衛隊にはクビがないので、体力検定をクリアできないからクビになるということもなく、人によっては「体力検定に落ちてもなぁなぁと過ごしている」という隊員もいるくらいです。

自衛隊は体力に自信がなくても大丈夫!?|訓練のキツさに関する内部事情

 

一般企業なら、最低限のノルマを達成できない社員がいたらクビにするじゃないですか?自衛隊ではクビにできないので、体力検定に合格させるか・自衛隊を辞めさせるかという思考に繋がってしまうのも、まぁ何となく分かってもらえませんかね…。

足が遅いやつは走らせますし、腕立てや腹筋も毎日やらせます。「身体が重くて懸垂ができない」というのであれば、食事制限にまで口を出すこともあるでしょう。

 

本気でその隊員のことを考えて指導する隊員もいれば、「自分たちはノルマを達成しているのに、ノルマも達成できない隊員と給料が大して変わらないのは面白くない」と思っている隊員もいるかもしれません。

そもそも体力試験に合格できない時点で、個人の努力不足という部分が露呈するので、それによって個人的に嫌っていて、それがそのまま指導になっているケースもあると思います。

そういう隊員の中には「隊員育成ゲーム」みたいな感じで、ちょっとしたシミュレーション気分という人もいるんじゃないかなぁと思いました。根底には「体力検定に合格させるか、自衛隊を辞めさせるか」という感情があるので、人によっては「食事にまで口を出されて、こんなのいじめだ!」となってしまうかも。

 

スポンサーリンク

最後に

私が実際に自衛隊にいた時に思っていたのは、「それはいじめじゃなくて指導じゃね?」と思う相手がいじめ被害を訴えていて、「それは指導にしてもやりすぎだろ!」と思う相手が思い詰めてしまっているという感じです。

真剣に体力錬成をしていて、それでも体力検定に合格できない人はいません。その辺の基準は上手く出来ていると思いますし、体力検定に合格できない人は危機感がないというか、自衛隊にいるのに「有事の際には何も出来ません」と開き直っている感があります。

 

もちろんケースバイケースなんでしょうけど、「体力検定に合格できない=きつめの指導をされても仕方ない」という思考が既に、一般社会とかけ離れたものなのかもしれません。

自衛隊には今でもいじめは蔓延していると思いますが、まず最低限のことはきちんとクリアし、その上で「こいつプライベートが充実してなさそうだな」って奴とは一定の距離を取ることをおすすめします。

この記事を書いた人

元陸上自衛官のレトロ軍曹です。20歳の頃に入隊し、自衛隊には6年間在籍していました。仲の良い現役自衛官と今でも交流があるので、定期的に取材みたいなことをしつつ、自衛官を目指したいという人に向けて「もとじブログ」を運営しています。

いじめ・パワハラ
スポンサーリンク
もとじブログ