元陸上自衛官のレトロ軍曹です。
ここ最近になってまた自衛官の不祥事が多すぎるような気がしてきました。遭難者を探したり、被災地に行って支援をしているという素晴らしい隊員が多く存在する一方で、非常に嘆かわしいことです。
確かに一般人が起こす事件よりも、自衛官が起こす事件の方がインパクトがありますよね。
そして私自身、自衛官について警察官や消防官と比較して見ることが多いのですが、警察官はさて置き、自衛官と消防官を比較すると圧倒的に自衛官の方が不祥事多くないですか?
今回はちょっとその辺りの「自衛官の不祥事」について書いていきたいと思います。
自衛官の不祥事が多すぎる件
飲酒、酒気帯び運転
京都府警京丹後署は28日、道交法違反(酒気帯び運転)の疑いで、京都府京丹後市丹後町の航空自衛隊経ケ岬分屯基地第35警戒隊空曹長の男(49)=同市丹後町平=を現行犯逮捕した。
逮捕容疑は同日午後4時20分ごろ、同市網野町掛津の国道178号で、オートバイを酒気帯び状態で運転した疑い。
同署によると、速度違反で取り締まった際に呼気からアルコールを検出し、「自宅でビールを飲んだ後、買い物に行く途中だった」と話したという。酒気帯びオートバイ運転、容疑で自衛官逮捕「自宅でビールを」
2019年9月28日のニュースです。
酒気帯び、飲酒運転に関しては隊内でも厳しく指導され、定期的に服務教育というカタチで行われているのですが、まぁ参加者は大抵「早く終わらなかな…」という感じなので、本来ならしっかり教育を受けなきゃいけない人間が、形式だけの教育を受けていたという感じでしょうか。
ちなみに一般人でも酒気帯び運転は多いですが、警察官や消防官に比べると圧倒的に自衛官が多いような気がするのは気のせいでしょうか?
ちなみに私が陸上自衛隊新隊員の頃にお世話になった自衛官の人も、酒気帯び運転で逮捕されました。幸い、自他ともに怪我は無かったわけですが、相手を巻き込む可能性があるわけですからね。
自衛官を辞めることになるのか、減俸や停職処分だけで済むのかは不明ですが、今後二度とこのようなことが無いようにしてほしいと思います。
窃盗
陸上自衛隊小倉駐屯地の男性隊員が、同僚から現金約165万円を盗んだとして懲戒免職の処分を受けました。
小倉駐屯地によりますと、21歳の男性陸士長は2018年4月から8月にかけて、駐屯地の独身寮で同じ部屋の男性隊員がロッカーに保管していた現金あわせて約165万円を盗みました。
被害に気づいた男性隊員が上司に相談して発覚し、陸士長は「遊ぶための金がほしかった」などと犯行を認めたということです。
現金“165万円” 基地内で窃盗 陸自隊員を懲戒免職
2019年9月27日のニュースです。
詳しい状況は分かりませんが、陸上自衛隊の寮内では、かなり窃盗事件が多発しています。
私が現役自衛官だった頃は、物を失くしても「自分でどこかにやったのでは?」という部分があって、真っ先に自分を疑うことが多かったので気付きませんでしたが、さすがに現金165万円が無くなったら気付くでしょう。
なぜ1年前のことが今更ニュースになって報じられているのか、被害を受けた隊員はすぐに相談できなかったのか等、かなり闇の部分が多いような気がしました。
いずれにしても自衛隊はお給料は結構恵まれているはずなんですが、このような窃盗や金銭トラブルは結構多いです。特に「お金を貸して」とよく頼まれるという人が入隊する場合は、注意した方が良さそうです。
傷害(暴力事件)
後輩隊員を殴りけがをさせたとして、陸上自衛隊は、善通寺駐屯地の男性隊員を停職3日の懲戒処分にしました。
第15即応機動連隊所属の男性陸士長(21)は、去年5月、後輩隊員の顔を殴り眉の上を9針縫うけがをさせました。
「指導に不満げな態度を示したので衝動的にやった」と話しているといい、24日付で処分しました。後輩隊員の顔殴り9針縫うけが 男性陸士長に停職処分 香川・陸自善通寺駐屯地
2019年9月24日のニュースです。こちらも発覚から1年以上経って事件になっていますね。
自衛隊は閉鎖された世界で、間違ったことを先輩が言っても後輩はそれを正せない空気感があります。
ただ、不良グループの上下関係なんかとは違って、先輩には決して逆らえない部分は一緒ですが「別に先輩に対して恐怖感を感じているわけではない」ので、態度に出したりということをやってしまうケースがあり、そこに矛先が向いてしまったというパターンのようです。
別件ですが、2019年は「バーベキュー中にたき火に隊員を放り込む」という事件もあったので、本当に不祥事が多いなぁという感じです。
▶陸上自衛隊高知駐屯地にて上官が部下を焚火に投げ込む事件が発生
ちなみに私は陸上自衛隊に6年間所属していましたが、直接的に暴力を振るわれた経験はありません。でもこういう事件が起きても大して驚かないので、たぶん心のどこかで「こういうことが起こってもおかしくない」という空気感は感じていたのだと思います。
警察官、消防官に比べて不祥事が多い自衛官
今回は2019年9月中の不祥事ということで、1つ1つの事件を洗ったわけではなく、Googleに「〇〇 不祥事」と入れて検索に引っ掛かったニュースをチェックしただけですが、同じ公務員でも警察官と消防官に比べて、圧倒的に自衛官の不祥事が多かったです。
…まぁ警察官、消防官の不祥事も想像以上に多かったけど。調べるタイミングにも左右されるとは思いますが、やはり国家公務員の不祥事は大きく報じられることが多いので、少なく見積もっても「自衛隊、ちょっと不祥事多くない?」くらいの印象は受けました。
それにいくらタイミングとは言っても、自衛官の不祥事を検索すると直近の1週間で検索結果の1ページ目が埋まるのに対し、警察官&消防官は1ヶ月で1ページがやっと埋まるという感じだったので、気のせいだと片付けるには差があり過ぎるような気がします。
ちなみに全体的な数は「自衛官=警察官>消防官」でした。自衛官(陸海空)と警察官がそれぞれ約25万人、消防官が約16万人という感じ。
特に自衛隊については、定期的な脱柵者や寮内での窃盗事件などは内々のことで済ませ、大きな事件化にしていないことも多いと思われるので、陸上自衛隊の不祥事に関しては叩けば埃はもっと出てくるんじゃないかと思います。
▶自衛官の不祥事が多すぎる件|飲酒運転、窃盗、性暴力…などなど
最後に
被災地に行って支援活動を行ったり、行方不明者が出たら昼夜問わずに探し回ったり…。
困った所に駆けつけて精力的に活動してくれている自衛官の方々が沢山いる一方で、このような不祥事を起こす隊員もいて非常に残念な気持ちになります。
ちなみに私の場合、前期教育の班長も広報官も捕まっているので、何となく悲しい気持ちでいっぱいです。…こんな人たちばかりじゃないんですけどね。