陸上自衛隊の普段の訓練とは?|毎日厳しい訓練をやってるの?

元陸上自衛官のレトロ軍曹です。

自衛隊に興味があるという人は「自衛隊は普段から厳しい訓練をやっているの?」と気になるのではないかと思います。

 

駐屯地が近くにあるなら出入り口を観察してみて、自衛官にはどのような人がいるのかをチェックしてもらえれば話は早いのですが、もし本当に厳しい訓練をしているなら「そんな体型には死んでもならないだろ!」っていう自衛官が結構います。

 

そこで今回は、私の実体験を踏まえて「陸上自衛官が普段はどのような訓練、職務をしているのか」についてご紹介します。

私は陸上自衛隊の中でも通信部隊(基地)に所属していたので、本記事では通信部隊(基地)の日常についてご紹介します。

 

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陸上自衛隊通信部隊の日常

通常勤務では「独自回線の維持・運営」

私が所属していた基地局の通信部隊では、普段は「独自回線の維持・運営」をしていました。

自衛隊には独自の通話回線やデーター回線があり、勤務に関する連絡は基本的にはこの回線を使って行います(スマホばっかり使ってるわけじゃないですよ)。

 

自衛隊独自の電波を使っているので、自衛隊所有の山の中に通信所があって、そこにアンテナがあるわけですが、この通信所に不審人物がこないかどうかを見張ったりしています。

 

…というのは冗談で、まぁ何らかの原因で回線に影響が出たりするので、その原因を調査し、回線を復旧するというのが主な仕事でした。

何もトラブルがなければ何もありませんが、そんな時は「何かがあった時のために備える」というのが仕事でしたね。

 

ちなみに通信所には監視カメラが取り付けられていて、侵入者がいたらカメラで確認できるようになっている他、赤外線センサー等も取り付けられています。

たまに風で落ち葉や草が飛んで来て、赤外線センサーに反応してアラームを出すことがありますが、その都度監視カメラで異常が無いことを確認したりしていました。

鹿が出たのは何回も見たことがありますが、一般人が侵入してきたことは無かったですね。

 

駐屯地の電話受付

日中に駐屯地に掛かってくる電話に関しては、専門のオペレーターの方がいるのですが、この人たちは正社員なのかな?パートさんなのかな?(ちょっと聞いたことがなかったです)

大きい駐屯地だと複数名いて、小さい駐屯地だと1人とかです。1人の場合は、その人が休憩中の代理を務めたりもします。

 

いずれにしても夕方5時とか6時には勤務を終えて帰ってしまうので、その後の電話受付も隊員の仕事です。

ちなみに電話対応は24時間なので、交代制の夜勤で対応していました。

 

「基本的には〇〇部隊の△△さんをお願いします」と言われて取り次いだりするだけなのですが、たまに訳の分からない苦情電話なんかもありますし、自衛官の誰かが事件を起こしたりした日には、いたずら電話も少なくないですね。

 

体力錬成

基地を無人にすることはできませんが、トラブルが無ければ最低でも2人いれば成り立つ為、日中は2人だけを基地に残して残りの隊員たちは体力錬成をしたりしています。

走るペースは人によって違うので、本気で走るという人もいれば、ゆっくり1時間くらいかけて走り続ける人もいます。

部隊で全員がまとまってゆっくり走ることも少なくありません。

 

走り終わった後は、各々が筋トレをしたりします。体力検定の種目にある「腕立て/腹筋/懸垂」などがメインですが、これは各自の取り組みで、特に強制されるようなことはありませんでしたね。

ただ、ここでちゃんとやっておかないと体力検定に落ちる可能性もありますし、そもそも若いうちから体力検定に落ちている場合は、先輩隊員から愛の指導があるかもしれません。

<<自衛隊は体力に自信がなくても大丈夫!?|訓練のキツさに関する内部事情

 

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普段からキツイ訓練をしているわけではない

私が所属していた部隊は、何もトラブルが無ければ非常にぬるい部隊でした。

ただ、通信所が山奥にあったりするので、原因不明のトラブルが夜中にあったとなれば、寝ていても叩き起こされて夜中に車を走らせて隣の県との県境にある通信所まで…なんてことも何回かありましたね。

 

あとは年に1回、お偉いさんに「わが部隊のたくましさをみてください!」とアピールする機会があるのですが、これは言わずもがなきついです。

あとはそれもぶっつけ本番というわけにはいかないので、何回か本番を想定した予行練習があるのですが、その時もまぁきついです。

<<年に1度の憂鬱「総監検閲」は割と現実的なレベルの地獄だと思う

 

あとは入隊直後の新隊員教育。

そして陸士から陸曹になるための陸曹教育課程。

このあたりはきついですけど、新隊員の方は指導する方も「無理なら無理で仕方ない」という部分があるので、つらいというよりは「決して楽じゃない」と言った方が正しいかも。

陸教は地獄でしたが、これが終わったら安泰って考えたら、多くの人は命からがら耐えられるレベルだと思います。

 

むしろ日常業務や日常の訓練よりも、飲み会とかそっちの方をきつく感じてしまう人は少なくないんじゃないかと。

嫌な先輩と同じ部屋にされた時の営内生活とか、年に数回の訓練並みの地獄が毎日訪れますからね。

<<「自衛隊の仕事ってきつい?それとも楽?」元陸上自衛官が答えていく

 

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最後に

自衛官としての部隊毎の職務の合間を縫って、それぞれが体力を鍛えるというのがデフォです。

そして年間に数回、あとは自衛隊生活の節目で地獄が訪れるって感じでしょうか。

 

自衛官をやめて一般人になった私からすると、普段の仕事中に走って体を鍛えることが出来るというのは、自衛官ならではの大きなメリットだと思います。

私もぶくぶく太ってきたので毎日夜に軽く走るようにしてますが、一般人の場合は仕事が終わってから自分の時間を削ってやるのが普通ですからね。

 

「身体を鍛えるのも仕事」というのは、きついorきつくない以前に「ものすごく魅力的なこと」だと痛感しています。

この記事を書いた人

元陸上自衛官のレトロ軍曹です。20歳の頃に入隊し、自衛隊には6年間在籍していました。仲の良い現役自衛官と今でも交流があるので、定期的に取材みたいなことをしつつ、自衛官を目指したいという人に向けて「もとじブログ」を運営しています。

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