下っ端隊員の究極の試練「飲み会の余興」の乗り切り方を伝授する!

元陸上自衛官のレトロ軍曹です。

自衛隊にはパワハラが多いという印象を持っている一般の方は非常に多いと思いますが、世間一般的には逆風が強くても、普通に自衛隊の中ではまかり通っているという代表的なものは「飲み会の余興」ではないかと思います。

 

自衛隊では小隊規模の飲み会はさておき、中隊規模以上の飲み会ともなると新隊員が「なんか面白いことやれ」と言われるケースが多いです。

ここを上手く乗り切れるかどうかが重要なのですが、この記事ではそういう空気が苦手な現役の陸上自衛官の方に向けて「飲み会の余興の乗り越え方」を伝授したいと思います。

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恥ずかしがらずに吹っ切れろ!

みなさんもこれまでの学校行事などで、自分がやりたくないことを半ば強制的にやらされるという場面に立ったことが、少なくとも1度はあると思います。

そんな時に「見ている方が恥ずかしい」という思いをしたことがありませんか?

自分が先輩隊員になって、その時の新隊員に「俺、こんなことやりたくねーんだけどなぁ」という空気全開の新隊員を見た時に痛感しますが、見てて痛々しいです。

 

こういう時に馬鹿になれる隊員は先輩からも可愛がられる傾向にありますし、変に気取っていたり恥ずかしがっている往生際の悪い人間は、巡り巡ってそれが自分に降りかかってくるケースがあります。

最初から嫌だと言っているのに半ば強制的にやらされ、挙句の果てに「お前いらねぇ/ふてくされるくらいなら最初からやるな」等と言われたり、かなり理不尽な目に遭うことも。

 

余興をやらされる隊員のほぼ100%は嫌がっています。それをあからさまに嫌々やるのか、飲み込んでやり切るのかで、周りの反応が180度変わると言っても過言ではありません。

飲み会の余興という、国を守るために何ら関係のない部分で自分を評価されてしまうことは非常に遺憾ですが、とにかく恥ずかしがらない事・あからさまに嫌がらない事が重要です。

 

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笑いのハードルは低め、とにかくハイテンションでやり切れ!

自衛隊の余興では「なんか面白いことやれ」という感じの漠然としたキラーパスを放られることが大多数ですが、既にお酒に酔っ払って出来上がっている隊員の多くが笑ってくれるので、やり切ってさえいれば滑る危険性はそこまで高くありません。

とりあえず注意すべき点は、何をやるにしても声を張る事です。吹っ切れて頑張ったのに、周りに「何をやっているのかが伝わらない」というパターンが1番最悪なので。

 

私は何をやるにしても「滑ったらどうしよう…」という不安がありましたが、私が見てきた中で嫌々やっていた人以外に成立しなかった人はいなかったように思います。

不穏な空気になったら助けを出してくれる先輩隊員が、どの部隊にも必ず1人はいると思うので、そういう人がちゃんと成立させてくれるでしょう。

 

とにかくやっている本人は乗り気じゃなくて、無理やりやらされているということは多くの人が理解してくれているので、本人は全力でやるだけです。

ハイテンションでやり切りさえすれば、例え滑ったとしても「お前は頑張った!」と言ってもらえると思います。

 

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「流行りの芸人ネタ×自衛隊あるある」が鉄板

私がずっとやり続けてきた方法ですが、その時のお笑い界の旬ネタと自衛隊あるあるを組み合わせたネタを披露するのが1番楽で笑いも取りやすい鉄板だと思います。

6年間の自衛隊生活で1番ウケたのは、恐らく藤崎マーケットさんのラララライ体操を自衛隊っぽくアレンジしてやったやつだと記憶していますが、ネタを作るのに10分くらいしか費やしていないにも関わらず、めちゃくちゃウケました(「射撃訓練でエクササ~イズ」とか)。

 

余興はプライドが邪魔をして嫌だという感情もありますが、1番嫌なのは「そんなことのためにネタを考える時間が勿体ない」という感情だと思うので、既にあるネタと自衛隊あるあるを組み合わせるだけで間違いなくウケますからおすすめです。

流行りのネタをやることで若い隊員から年配の隊員にまで分かりやすくもなりますし、やっぱ身内ネタは手堅いので間違いなくウケるでしょう。

 

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モノマネは危険

私はモノマネが得意で、学生の頃から先生のモノマネなんかをしてきたタイプなのですが、自衛隊の飲み会の余興でモノマネを披露するのは結構難易度が高めです。

というのは、会場が大きくてマイクなどを用意しない限り声が届かないんですよね。

渡部篤郎さんのモノマネをするにしたって、声を張っちゃったらそれはもう渡部篤郎さんのモノマネとして成立しませんし…。

 

そして私は「特徴のある先輩隊員のモノマネ」なんかをしたこともあります。

しかしこれは本人が受け入れてくれるかどうかという問題の他に、必ずと言っていいほど「お前は先輩をバカにしているのか?」という教育的指導が入るので、個人的にはあまりおすすめはしないです。

私の時はそのネタを気に入ったベテラン隊員が「あれやって!」と言ってモノマネを振ってくるのに、それに応えると別の若い先輩隊員が「先輩バカにするの辞めろって言ったろ」というややこしい感じになりました。

 

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本音は「こんな風習なくしたい」

私は「自分が1番上の立場なら『新隊員が余興をやらされるという風習なんか無くしてしまいたい』」という考えがありました。

しかし自衛隊の序列は基本的に「自衛隊で何年飯を食ってきたか」という部分が大きいので、後から入隊してしまった時点で、その先輩を超えることはまず不可能に近いです。

関連記事階級社会と言われるが実際は〇〇|階級だけでは語れない自衛隊の序列

 

そして自衛隊には「自分たちも通ってきた道だ」と考える人も多く、飲み会の余興等の悪しき風習は無くならないんじゃないかと思っています。

部屋の掃除やトイレ掃除、雑用全般は下っ端隊員の仕事だという考えが強く根付いているので、一般社会のパワハラに対する風当たりがいくら強くなろうとも、自衛隊のそれが完全になくなることは考えにくいでしょう。

 

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最後に

私は余興をやらされることが嫌でしたが、余興をやることを言い訳にお酒を注ぎに回らなくてもいい口実を得たりしていたので、ある意味win-winの関係だったように思います。

こんなくだらないことで評価されたくはないものの、やはり先輩隊員には可愛がられておいて損をすることはありません。そして飲み会で面白い奴は、好かれる傾向も強いです。

あまり頑張り過ぎちゃうと私のように新隊員じゃなくなってからもネタをやらされることになってしまうので注意が必要ですが、余興をやる際はもう諦めて吹っ切れることをおすすめします。

この記事を書いた人

元陸上自衛官のレトロ軍曹です。20歳の頃に入隊し、自衛隊には6年間在籍していました。仲の良い現役自衛官と今でも交流があるので、定期的に取材みたいなことをしつつ、自衛官を目指したいという人に向けて「もとじブログ」を運営しています。

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