元陸上自衛官のレトロ軍曹です。
自衛隊では入隊時に体力試験はありませんが、入隊してから定期的に体力検定があります。まずはこれに合格しなければなりません。
運動が苦手な人にとっては「ちゃんと合格できるかな?」と心配になるかもしれませんが、特に心配は無用です。なぜなら「手を抜かなければ誰でも合格できるようになるから」です。
というわけで今回は「体力検定に落ちたらどうなる?入隊希望者は不安に思う必要なし!」というテーマで進めていきたいと思います。
陸上自衛隊の体力検定とは?
- 腕立て伏せ
- 腹筋
- 3000m走
- 短距離疾走(50m)
- 超壕(90cm幅)
- 重量物(20kg)の卸下、運搬及び積載
陸上自衛隊の体力検定は内容が変更になったようです。私が在籍していた頃は4、5、6が無かった代わりに「懸垂、走り幅跳び、ソフトボール投げ」がありました。
以前の体力検定ではソフトボール投げが結構な鬼門で、これがあるせいで体力検定に合格できないという隊員がそこそこいた印象がありますが、体力検定の改正によって頑張っても合格できないという理不尽さは無くなったそうです(当時の同期に聞いただけで、私が実際にやってみたわけではありませんが)。
ただ、短距離疾走に関してはフル装備なので、元陸上自衛官としては「50mで良かったね…(これで数百mとかだったら余裕で死ねる)」という感じです。
体力検定に落ちたらどうなる?
体力検定に合格=最低基準
私の周りで体力検定に落ちている人間は、いずれ自衛隊を辞めることを公言している隊員ばかりだったので、そこまであれこれやられるというイメージはありません。
まぁ陸曹候補生の試験(士長という階級になり、今後も自衛隊に残りたいと思う人が受ける試験)を控えている隊員に対しては結構厳しくやられますが、そもそも本気で自衛隊に残りたいと思っている人で体力検定に合格できないという人がいませんでした。
私自身そこまで運動が得意じゃなくて、入隊も周りと比べて2年も遅れていましたし、当時は1日1箱の喫煙者だったので、入隊当初はめちゃくちゃ不安でした。そんな私でも懸垂以外は合格基準でしたし、その懸垂も入隊から3ヶ月で合格基準に達したので、体力検定に合格すること自体は難しくないです。
体力検定には等級があって、1級を目指すとなるとやや厳しいものがありますが、合格すればいいと言われているうちは問題ないでしょう。
体力検定に合格できない隊員は100人規模の中隊に10人未満
当時は自分の身近な隊員で合格できない人がいたら、全力で合格できるように協力するという感じでした。そのため、いちいち「誰が合格で誰が不合格か」みたいな目で見てなかったんですよね。
少なくとも私が所属していた小隊では3人が不合格で、いずれもソフトボール投げで45m飛ばないという隊員でした(1人は懸垂も幅跳びもダメだったけど)。ですが、若い隊員で「腕立て伏せ、腹筋、3000m走」が合格できなかった人は1人もいなかったです(教育中に数人いたかなという程度)。
陸曹候補生の試験に合格した後、気を抜いてブクブク太った陸曹隊員が2名~3名ほどいて、その人たちはたぶん体力検定に合格しようという気がなかったんだと思います。
ちなみに当時100人単位の中隊で、体力検定に合格できなかったのは10人未満だったんじゃないかなぁ…。それもソフトボールが無くなった今の基準で考えたらもっと減ると思うので、ハッキリ言って「頑張っても体力検定に合格できないということはない」はずです。
それでも体力検定に落ちたら?
私が在籍していた当時は、陸曹以上の隊員に対しては「昇進できなくなる」と言われていましたが、そもそも階級なんか毎年上がるようなものでもないので、このあたりは未確認です。
陸士長以下の隊員については陸曹になるための試験で体力検定があるので、そこで不合格を言い渡されてしまうという感じでした。
ただ何度も言うように「他の5種目には合格して、唯一ソフトボール投げで45m投げれない」という隊員が多かったので、ソフトボール投げが無くなった今となっては「頑張っても合格できない」という例は大幅に減ったんじゃないかと思います。
最後に
個人の頑張り次第という部分もありますが、体力検定に合格するだけなら別に努力しなくても「言われたことをやるだけで合格できるようになる」と思います。
体力検定に合格できない人は全員が全員とは言いませんが、多くが「合格できなくてもいいや」という考えだったり、言われたことをやらないとか手を抜いているという隊員ばかりじゃないかというのが私の考えです。
少なくとも私が見てきた例では、頑張っているのにボール投げ以外で落ちた例は見たことがないので、体力検定に落ちたらどうしようという不安は無用だと思います。以上!