元陸上自衛官のレトロ軍曹です。
私は現在30代後半に差し掛かった年齢ですが、私が小学生~中学生の頃は「大便器の個室に入ると噂が流れる=恥ずかしい行為」のような風潮がありました(今も変わらないのかな?)。
高校生くらいになってくると「トイレで大をするのは普通の行為」という開き直りができる人が増えてくるようですが、私は小中学生のまま大人になってしまって、今でも「不特定多数の人が使うようなトイレで大をするのに抵抗がある」という感じです。
誰が使ったか分からないトイレはあまり使いたくないという潔癖っぽいところもあるわけですが、自衛隊に入った以上はそんなことは言ってられません。
というわけで今回は、自衛隊の寮内における「朝のトイレの渋滞」についてご紹介したいと思います。
起床後の行動は大きく分けて2パターン
点呼の後でトイレに直行
自衛隊に入隊するとみんなが同じ物を食べて、同じように生活することになります。必然的に「トイレに行く時間」なんかも似てくるわけですが、朝6時の点呼後のトイレは結構悲惨です。
というのは、朝に点呼が終わったらすぐに大をしたいという男たちが一斉にトイレに群がることになります。
私は一般的なお店にあるような、男性用の大便器の個室が3つ以上あるトイレで、自分以外の誰かが入ってくると音が気になって集中できないんですね。
あと冒頭でも触れたように、個室から出てきたところを誰かに見られてしまうと恥ずかしい気持ちになることもあります。
そんな私がそういうことを一切気にしなくてもいいくらいの混雑っぷりで、パチンコ店のトイレほどうるさくはありませんが、所かしこでピーだのブーだの言っているので、音を気にする必要はなかったです。
あと「一刻も早く出てこい」くらいの空気感が漂い、それに伴って大のニオイも漂ってきます。
このニオイが結構強烈で、空気が重いというか淀んでいるというか…。
誰しもが「誰かが頑張って大をした後で、その個室にすぐに入る」ということは抵抗がある行為だとは思いますが、私は6年間自衛隊にいたのにこれが最後まで我慢できませんでした。
トイレを諦めて二度寝
そんな混雑しているトイレに行くことができない私は、混んでいるトイレを尻目に二度寝に向かいます。
入隊直後の教育隊などでは二度寝は罰の対象になることがほとんどだと思いますが、私が配属された一般部隊では普通に二度寝できましたし、教育隊以外の場で二度寝が禁止な部隊は相当少ないはずです。
▶「自衛官って朝何時起き?二度寝はできないの?」という質問に答える
もちろんトイレに行けば出るんですけど、トイレはニオイがすごいですし10人以上並んでいて待っているのも時間が勿体ないんで、よほど切羽詰まっている時でもなければそのまま寝ます。
で、起きて「そろそろ空いたかな?」と思ったらトイレに行って、用を足して、顔を洗って歯を磨いて、戦闘服に着替えて職場に向かうという感じです。
朝の点呼直後だけはトイレが少ないと感じる
私が主に生活していた駐屯地では、1つの階に大体70人~100人弱くらいですかね。正確な数はちょっと分かりませんが、2つの部隊の隊員が一緒に暮らしていました。
そして点呼自体は部隊ごとによって行われるので、点呼を行う場所はそれぞれ異なり、当然ながら「トイレに近い方、トイレに遠い方」の2つができます。
朝6時の点呼というのはどこの部隊も一緒なので、当然ながらトイレに近い方の部隊が有利になり、すぐにトイレに行ける可能性が高いと言えるでしょう。
私は「トイレに近い方の部隊」だったので、もう1つの部隊と比べるとだいぶ恵まれていたんじゃないかなと思いますが、たまに「話の長い当直」だったりすると、私たちの部隊の点呼を尻目にもう1つの部隊がトイレにワラワラ入って行くので、それはそれは悲しい気持ちになりました。
こうなってしまうと「ここはTDLですか?」と言わんばかりの渋滞が出来てしまい(それは言い過ぎだけど)、本当に切羽詰まっている時は結構やばいです。
個室は5つ~6つくらいあって、洋式が2箇所で残りが和式という感じでしたが、朝の点呼直後の時間帯だけは、もうちょっとトイレがあってもいいような気がしました(それ以外の時間で混雑することなんかほとんどありませんけどね)。
教育中は「点呼後に腕立て」があったりするかも…
私の新隊員教育時の思い出としては、朝の点呼にちょっと遅れたとか何とかで、点呼が終わってすぐに腕立てをさせられたりするんですけど…。
別に「50回やったから終わり!」とかそんなんじゃなくて、限界まで腕立てをさせられた後に「腕立て伏せの体勢を保ちながら説教される」っていう感じなんです。これがまぁキツイ。
で、教育中は常に団体行動なので、朝の貴重な時間を10分くらい奪われると、全員のペースが乱れます。
ある隊員は「とにかくトイレに行きたい!」と言い出しますし、別の隊員は「早く食堂に行かないと混雑して余計に時間をロスするぞ!」と言い出したりします。
トイレに行きたいという隊員が1人しかいない場合、その1人の意見が無視されることもありました。…これ、結構えぐいですよね。
特に私の場合は、トイレもそうですが当時は喫煙者だったので、「朝起きたらまず一服したい」的なことを結構我慢した記憶があります。
もちろん食事優先の時は我慢しましたし、食堂よりもトイレに先に行くという判断の日は、自分の中でも「トイレに行くか、一服するか」を選んでました。
▶未成年隊員の飲酒・喫煙問題|タバコはトイレで隠れて吸うの?
食堂も早く行かないと混雑したりするんで、このあたりも厄介です。で、食べるのが遅い隊員もいたりして、仲良くない班だとこのあたりでも衝突があるかも。
最後に
どれくらい混雑するかは駐屯地によって変わります。隊員が少なかったりすると、その分混雑する度合いも減りそうですし…。
まぁそうなってくると今度は「トイレ自体の規模も小さくなる」というのが世の常ですが。
いずれにしても、屈強な男たちが大量にトイレで大をした時の淀んだ空気感、これは今でも忘れられません。