知らないと損!自衛官になる為の窓口「地本・広報官」に関する注意点

 

自衛官になりたいと考えた時、多くの人は自分の意志で願書を書き、自分の意志で申込むと思います。

しかし、中には「広報官」と呼ばれる人物に騙され、あるいはそそのかされて勧誘されて入隊を決意したという不幸な人もいることでしょう。

 

今でもいるのかどうかは分かりませんが、私が自衛隊の入隊を検討していた10年前は、自衛隊の広報部に所属している自衛官の人が、就職時期になると学校などに行って学生を勧誘するということがあったそうです。

 

私の場合は知り合いの紹介ということで、家に広報官の人が願書を持って来てくれたのですが、この広報官には当たり外れも大きく、私の場合はかなり不快な思いをしましたし、実際に入隊してから「あの広報官、騙しやがったな!」と思ったことも少なくありませんでした。

 

そこで今回は、自衛隊に入隊を希望している人に知っておいて欲しい「自衛官になる為の窓口でもある地本や広報官に関する注意点」をご紹介します。

 

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地本とは?広報官とは?

 

地本とは地方協力本部の略で、全国の都道府県に存在する自衛官になりたいという人の為の窓口となっている場所です。

自衛官になりたいという人は、自分の家の近くの地本に行って願書を貰うという人も少なくないでしょう。

 

地本には、自衛隊の広報活動や自衛官の募集活動を職務としている広報官という現役自衛官の方がおり、すごく親切に対応してくれるはずです。

ちなみに「自分の家の近くにある地本ってどこなんだろう?」と思った人は、以下のリンクから探してみてください(防衛省のページです)。

 

自衛官募集 地方協力本部

 

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地本や広報官に対して注意すべき点

広報官の仕事は1人でも多く自衛官にすること

 

広報官の仕事は、1人でも多くの自衛官希望者を連れてくることであり、1人でも多くの若者を自衛官にすることです。

 

希望者を増やすだけで成果になるのか、それとも実際に自衛官にしないと成果にならないのかなどの詳しい事情は分かりませんが、いずれにしても「目の前の人間を自衛隊に勧誘すること」が広報官の仕事となります。

 

いずれにしても成果を挙げる人ほど優秀な広報官だという判断をされることは間違いないので、人によっては手段を選ばずに勧誘してくる可能性もあるので注意しましょう。

 

広報官は良い事しか言わない

 

私が好きな漫画の1つに「柔道部物語」という漫画があります。

 

中学校では吹奏楽部に所属していた主人公が高校に入学し、ふとしたことがキッカケで柔道部に見学に行ったところ、そこで「柔道部は髪型が自由、休みが多くて楽、クラスでの掃除が免除、部活としての実績があるから学校での立場が約束される、女子とのレクリエーションもある」という誘い文句を受けて入部するのですが、実際にはそんなことは微塵もなかったというスタートを切る物語です。

 

 

私は人生で初めて広報官に出会った時、真っ先にこの柔道部物語を思い出しました。というのも、基本的に広報官の人は良い事しか言いません

例えば「自衛隊は安定している/年に2回のボーナスも出るし、定期的に給料も上がっていく/休みも多い/社会的な地位も高い」などなど。

 

しかも「一般女性には男性自衛官と知り合いたいと願っている人が非常に多く、定期的に社交パーティーのようなものが開催されているほど、自衛官は女性にもモテる職業だ」とも言っていたので、まさに柔道部物語という感じでしたね。

 

やり方は広報官にもよりけりなので、中には押し引きを重視したテクニカルな駆け引きをしてくるやり手の広報官もいるかもしれませんが、基本的に自衛隊のヴェールに包まれている部分に言及することはないでしょう。

実際には寮生活でいじめに近いものがあっても、それを「人によってはいじめられている人もいます」とは口が裂けても言わないはずです。

 

自衛隊にいじめはあるのか?|暴力・体罰などの実態を実経験から語る

 

私自身の経験談について

 

ちなみに私は「坊主にするのが嫌だ」と言って断ろうとしたら、広報官の方に「訓練をするから短くしてもらうことにはなるけど、イチロー選手のようなスポーツ刈りでも大丈夫」と言われました。

そして「私もこの髪型で自衛官やってるだろ?」という感じで、短髪だけど坊主ではない髪型をアピールしてきたのですが、私は入隊時こそスポーツ刈りで入ったものの、2ヶ月後には3mmの坊主頭になることになります。

 

自衛隊も馬鹿ではないので、広報用のパンフレットなどには坊主頭の隊員ばかりを無暗に採用したりなどはしません。ある程度の見栄えがある状況を作って掲載しているはずです。

泥だらけで苦痛な表情を浮かべている隊員などの画像を掲載しないのは、少しでも安心感を出そうとするための演出であり、こういう部分も手が込んでいます。

 

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広報官の当たり外れ

 

私は恥ずかしながら1年目は試験に不合格だったので、2年間に渡って自衛隊試験を受験しました。

というか試験は受けましたが、最初は仮に合格しても自衛隊に入隊する気がありませんでした。

私が自衛隊に入隊した理由|最初は入隊する気が1ミリも無かった

 

ちなみに1年目と2年目で広報官が変わり(正確には1年目の受験直前から)、2年目の広報官は反りの合わない人だったと今でも強く覚えています(その人が嫌で、形だけの受験も拒否したほど)。

どういう区分で担当者を分けているのかは分かりませんが、広報官にも合う・合わないがあるので、前向きに自衛隊の入隊を考えている時こそ「良い部分も悪い部分も知って検討したい」と考えるのに、良い事しか言わない広報官に当たったら最悪です。

 

そういう人は「別の広報官の話も聞いてみたい」と地本に言えば、すぐさま別の広報官を派遣してくれると思います。

これなら角も立たないと思うので、ぜひ試してみてください。

広報官にも当たり外れがある!信頼できない広報官はチェンジしよう

 

私は担当広報官に対して良い感情を持っていないことを正直に言って、別の広報官の人と話をさせてもらいましたが、入隊時には反りの合わない広報官も挨拶に来て「事情を何も知らないような感じ」でしたので、特に問題ないと思います。それに入隊後は広報官とはかなり遠い位置になると思うので、変な嫌がらせなどをされる心配も無用です。

 

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最後に

自衛隊に入隊してすぐ、自己紹介をすることになると思います。

その時に「入隊の理由」なんかを喋らされたりしますが、結構な数の割合で「広報官に騙されて入隊しました」という隊員がいました。

 

これは半分ウケ狙いで、半分は本気だと思います。そして実際に結構ウケるんですが、それは隊員たちにとって一種のあるあるだからと言えるでしょう。

興味のある商品を買おうと思った時に、良い事ばかりしか言われないと不安になるのと同じく、広報官も良い事しか言わない人が多いので、真剣に入隊を検討している人は注意してください。

この記事を書いた人

元陸上自衛官のレトロ軍曹です。20歳の頃に入隊し、自衛隊には6年間在籍していました。仲の良い現役自衛官と今でも交流があるので、定期的に取材みたいなことをしつつ、自衛官を目指したいという人に向けて「もとじブログ」を運営しています。

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