自衛官の時間外労働|残業手当てや代休ってちゃんと貰える?

自衛官の時間外労働|特別手当てや代休ってちゃんと貰える?

元陸上自衛官のレトロ軍曹です。

自衛隊に入隊するまでは「まぁ自衛隊は国家公務員だし、時間外労働とか残業とかそういうのは気にしなくてもいいでしょ!」と楽観的に思っていました。

実際には夜通しの訓練があるということも知っていたので、その分の時間はあとからしっかりと補填されるんだろうなぁと。時間にうるさい自衛隊が普段の仕事は時間にルールじゃ話になりませんから。しかし現実はそんなに甘くなかっです。

というわけで今回は「自衛官の時間外労働|特別手当てや代休ってちゃんと貰える?」というテーマで進めていきたいと思います。

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自衛官の時間外労働について

そもそも時間外という概念がない

自衛官は有事の際は問答無用で動かなくてはならず、この辺は警察や消防と一緒で「勤務時間外なので後にしてください」は通用しません。地震、台風、洪水なんかが起きて自治体から要請があれば、交代制ではあるものの時間外労働を強いられることになるでしょう。

射撃訓練なんかでもまだ暗いうちから駐屯地を出て行って、日中の明るい時間は射撃に専念し、暗くなってから片付けをして駐屯地に帰るという感じですから、もはや時間外労働のオンパレードです。

射撃訓練なら日帰りになることが多いものの、これが戦争想定の訓練ともなれば演習場で寝泊まりすることもありますし、こうなるともう仮眠ありの24時間勤務と言っても過言ではありません。

 

始まる時間にはうるさいが終わる時間はゆるい

自衛隊は基本的に学校生活の延長のような空気を持っています。学校の先生にも「授業の遅刻は1分も許さないくせに、区切りが悪いからかチャイムが鳴ってもちょっとだからと構わずに授業を続ける」みたいな先生がいませんでしたか?

自衛隊にもそれに近いところがあって、開始時間に関しては5分前行動みたいなことを言い出し、先輩隊員が5分前行動をするってことは下っ端の自分はそれよりも更に5分早く行かなければ…みたいなことがあるんですが、終わる時間に関してはかなりルーズです。

まぁ税金からお給料を貰っている以上、早く課業を終えてしまうと批判されるでしょうが、長く勤務する分には批判されないだろうというのも多いような気がします。

 

残業手当は基本的にはなし

自衛官は国家公務員なので、何かしらの手当てが付く機会は少なくありません。私が東北の部隊にいた時の冬時期には、雪国勤務の手当も付いたような気がします(ごめんなさい、ちょっとあやふやですが)。

そして私の部隊では日常的に夜勤もあり、その夜勤にも手当てが付いたような記憶があります。いずれにしても微々たるものなので、あまりアテにしない方がいいでしょう。

もちろん特殊な業務に関しては手当は貰えますが、残業や時間外労働は自衛隊にとって特殊でも何でもないので、これに関する手当はもらえません。

 

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代休ってもらえる?

例えば夜通し訓練をした時は、ちゃんと代休という形で休みがもらえます。これは部隊の上層部の判断によると思うんですが、私の経験した例でいうと「月曜日から土曜日の午前中まで訓練が続いて、月曜日が休みになる」みたいな感じが多かったです。

はっきり言って普段の勤務時間を事細かく計算していくと、割に合わないと感じるような補填の仕方なんですが、これでもちゃんと代休が貰えるという意味では一般社会よりも優遇されているような気がしました。

ちなみに時間外労働をした時の代休に関する不満よりも、普段の勤務で「有給休暇が取りにくい」とか「本来なら代休が貰えるところに有給休暇が適用される」みたいな不満の方が大きかったです。これは部隊にもよるでしょうし、最近は働き方改革などの声も挙がっているので今は改善されているのかもしれません。

 

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トータル的に考えた時の自衛隊の勤務時間

私は自衛隊以外の民間の会社も経験していますが、それと比べて考えると「自衛隊には残業手当は付かないけどボーナスもちゃんと年2回出るし、自衛官のトータル的な休みの日数は相当多い」と思います。

お正月、ゴールデンウィーク、お盆という長期休暇において、1週間くらい休める仕事ってなかなか無いですよ。確かに普段の仕事で6時に終わるべきなのに6時半まで引っ張られたみたいなことは日常茶飯事ですし、一般の会社ならこれで手当てが貰えるって考えると腹も立つんですが、それを差し引いたとしても優遇されていると思います。

 

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最後に

残業が全くない一般の会社がどれくらいあるのかはわかりませんが、一般企業の中でも残業代が貰えないみたいな話は割と聞きますし、残業代は貰えても自衛隊ほど休みが貰える会社って日本にはほとんどないはずです。

時間に関して考えれば、予期せぬ災害が起こった時のことを想定して普段から休める環境になっているみたいな部分もあると思うので、トータル的に見れば恵まれていると言っていいでしょう。始まる時間はうるさいくせに、終わる時間が遅れたりするとたまにイラっとはしますけどね(笑)

この記事を書いた人

元陸上自衛官のレトロ軍曹です。20歳の頃に入隊し、自衛隊には6年間在籍していました。仲の良い現役自衛官と今でも交流があるので、定期的に取材みたいなことをしつつ、自衛官を目指したいという人に向けて「もとじブログ」を運営しています。

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