元陸上自衛官のレトロ軍曹です。
世の中には様々な職業病があると言われています。座りっぱなしの人は痔になりやすいと言われていますし、お笑い芸人さんなんかだと「面白くなりそうな方(トラブルのありそうな方)に行ってしまう」とか。
自衛隊にも職業病はあって、それこそ「一般の世界では絶対に使わないような言葉遣い」なんかは、退職してからもしばらく抜けないと思います。
「たんせつ/ちゃくがん/ばくちゃく」とか、未だに使ったりしますもん(周りから「なにそれ?」と言われて初めて気付く)。
さて、今回取り扱うテーマは全然笑えないやつです。
この記事では「陸上自衛隊と水虫の切っても切れない関係」についてご紹介したいと思います。
自衛隊では水虫が蔓延している
陸上自衛隊では水虫が蔓延しています。
私自身は6年間の自衛隊生活で水虫になった経験はありませんでしたが、スリッパなどを貸したりする際には「お前、水虫じゃないよな?」という会話がデフォでした。
それくらい自衛隊には水虫を抱えている隊員がいます。なぜ、これほどまでに水虫が多いのか…理由は主に2つです。
常に蒸れる靴を履いている
陸上自衛隊では、半長靴(戦闘長靴)と呼ばれるミリタリーブーツのような靴を常に履いています。これがとにかく蒸れるんです。
私なんかはこれがとにかく不快で我慢できなかったので、ちょっとした時間があれば半長靴を脱いでいました。
サイドジッパーなどがなく、完全なる紐管理なので、履いたり脱いだりするのがとにかく面倒なんですよね。
そういう背景もあって、「なるべく脱ぎたくない」と考える隊員もメチャクチャ多かったです。
1日中履きっぱなしの日なんかだと、足の裏がふやけて真っ白になっているなんてことも珍しくありませんでした。
これが原因となって足裏に雑菌が繁殖し、水虫になってしまうというメカニズムです。
全員同じお風呂を利用している
そして誰かが水虫になると、それが一気に広まる要因があります。
…大浴場(お風呂)です。
プールなんかの脱衣所でも、たまにビチャビチャなところがあったりして不快に感じる場面も少なくないと思いますが、ハッキリ言って自衛隊のお風呂はその比じゃないです。
私は自衛隊に入って驚いたことが山ほどあるんですけど、初めて自衛隊内のお風呂に行ったときに「なんでこんなに床がビショビショなのか」と驚きました。
というのも、お風呂から上がってくる隊員のほとんどが、足を拭かないでそのまま上がってくるんですよね。
最初は「小学生じゃないんだから」と思ったりもしていましたが、人間的にそういう人が多いのか、自分の家ならちゃんとするけど公共の場では気を遣えないのか…。
いずれにしても、衛生環境は最悪と言っても過言ではありません。
みんながみんな「なるべく濡れていない床を探して歩く」という感じなので、とにかく不衛生です。そんな時に、水虫の人が歩いた所を歩いてしまったら…。
こんな感じで、水虫は蔓延していくみたいです。
水虫にならない為に
靴を頻繁に脱いで空気の入れ替えを行う
基本的な事ですが「蒸れないように、隙さえあらば半長靴を脱ぐ」というのが1番有効です。
ただし、その時の訓練の内容によっては半長靴を脱ぐということが難しい場面も想定されますし、やはり毎日のことなので面倒になってくると思います。
「面倒だけど、水虫になる方が嫌だ!」という強い信念を持つか、あとは別の方法で水虫対策をするかになるでしょう。
ちなみに、通常の靴下よりも5本指に分かれているタイプの方が、何倍も蒸れにくいのでおすすめです。
殺菌予防して水虫にかかりにくくする
入浴時にしっかりと洗うのは当然として、私の場合は「脱衣所から出た外で足を洗ったりしていた」くらいですし、そういう人は周りにも結構いました。
このような感じで、普段から気を遣っていく他ないのですが、殺菌予防できる薬なんかは持っておいた方が無難でしょう。
もし薬に頼るのであれば、ブテナロックがおすすめです。
純粋に足が臭くなるのも防いでくれますし、足のニオイって営内生活で同じ部屋の隊員に結構迷惑になるので、しっかりケアすることをおすすめします。
最後に
水虫になってしまうと気分的にも滅入るでしょうし、痒いの痛いので日常生活に支障をきたしてしまいます。
自分でしっかりと対応していても、人からもらう可能性もあるので、日本を守る前にまずは自分の足裏を守ることから始めましょう。