元陸上自衛官のレトロ軍曹です。
私は小学校の頃にかなり太っていて、校内のマラソン大会や運動会で大した活躍ができませんでした(いつも下から数えた方が早いくらいの位置)。
中学校に入ってからはそれなりに運動能力が高くなったと思うのですが、このあたりから「運動能力が高い人にも、やる気のない人が出てくる(不良ぶっている人ほど真面目にやらない)」ので、マラソン大会の成績は悪くなかったものの、持久走が得意だと思ったことは1度もありません。
そんな私は自衛隊に入る時に「体力自慢の中に放り込まれたら、持久走でビリになってしまうのでは?」という不安がありました。きっと似たような境遇の方もいるのでは?
そこで今回は「自衛隊で求められる持久力、マラソンや長距離走に対しての能力」について、私の実体験を踏まえながらご紹介したいと思います。
体力検定の持久走は3km
入隊時の3km走のタイム:12分30秒
私は20歳の時に陸上自衛隊に入隊しました。
大きな声では言えませんが高校生の頃からタバコを吸っていましたし、高校卒業の年齢くらいからは一切の運動もしていなかったので、持久走に対する不安はハンパ無かったです。
そんな私の入隊直後1発目の体力試験における3km走のタイムは12分30秒でした。これは私が配属された教育隊では、中間よりもちょっと早いくらいの順位だったと記憶しています。
周りよりも2年遅れで入隊したということもあって、指導係の班長たちから「想像してたよりもずっと早かった」と言われました。
前期教育終了時の3km走のタイム:12分20秒
陸上自衛隊に入隊後、3ヶ月間に渡って前期教育が行われます。この後は更に3ヶ月間の後期教育が行われて、その後に部隊配属です。
私が感じた自衛隊の教育方針は「6ヶ月間の教育期間に体力検定の合格基準までいけば万々歳」という感じでした。ちなみに3km走の合格基準の最低ラインは13分ちょっととかだったと思います(ちょっと記憶が曖昧ですが)。
さて話がそれましたが、3ヶ月の前期教育期間が終わった時の私の3km走のタイムは12分20秒でした。
一応10秒は早くなったことになるものの、同期たちにはごぼう抜きにされたのを覚えています。この時点で真ん中よりも下の順位まで落ちてしまいました。
ちなみに私は6年間の陸上自衛隊生活において、ピークでも3kmの最高タイムが11分ジャストくらいで決して速い方ではありませんでしたが、12分ちょっとくらいで走ることができればそこまで馬鹿にされることはないと思います。
私の所属部隊では3km、5km、10kmを走る機会が多かった
私が所属していた部隊では体力系のイベントが定期的にあり、持久走で言えば3km、5km、10kmという3パターンの距離を走らされることが多かったです。
そして目安としてはキロ4分というのが最低基準というか「これがクリアできていればボロカスに言われることはない」というレベルでした。
3kmなら12分、5kmなら20分をクリアできていれば問題無いでしょう。
上には上がいるので決して速い部類にはなれませんし、どこの部隊に行っても遅い方には間違いないでしょうが、キロ4分がクリアできていれば少なくとも肩身の狭い思いはしなくても済むと思います。
私の場合は5kmのタイムが18分台の前半と後半を行ったり来たり、10kmのタイムが42分~43分くらいで、10kmにもなるとキロ4分は無理でした。
やる気があって努力をすれば伸びる
多くの人は「元から速い人は速いし、遅い人は遅い」という感じのままです。
ただし遅い人でもサボらなければ、体力検定に合格できる最低ラインまでは普通にイケるという感じですね。そういう意味では、自衛隊の体力検定の基準って上手く出来ているなと思います。
ちなみに私の後期同期にかなり努力家の隊員がいたのですが、その彼は後期教育終了時は体力検定に合格できないレベルだったのに、暇な時間があれば自主トレをすることでメキメキ成長していきました。
入隊から2年後には体力検定にも合格できるレベルになり、私が自衛隊を辞める頃には部隊の中でもかなり速い方の人間になっていたので、彼を見ていて「努力って裏切らないんだな…」と痛感したのを覚えています。
最後に
自衛隊では普段の仕事中に走ることも可能です。人によっては「走っているだけでお金をもらえるなんて羨ましい」と感じるのでは?
こういうときも黙って走っているだけでなく、自分をいかに追い込んでいくかが重要です。
私は何も考えずに黙って走っていただけだったので、タイム的にあまり伸びませんでしたが、昨日より今日、今日より明日という感じでタイムを意識して走り続ければ誰でも伸びていきます。
持久走に自信が無い人でも努力次第で伸びるので、ぜひ頑張ってください。