元陸上自衛官のレトロ軍曹です。
2019年7月の参議院議員選挙、みなさん投票に行きましたか?投票した人が当選した方、そうでない方、あるいは投票に行かなかった方と様々かと思いますが、いずれにしても日本がより良い方向へと進むことができればいいですね。
さて、早速本題に入りますが、今回の参議院議員選挙では「れいわ新選組/N国党」の勢いに凄まじいものがありました。
選挙権をもつ年齢が引き下げられたこと、現政権への不満など色々あるのでしょうが、今回はN国党こと「NHKから国民を守る党」に注目してみたいと思います。
そして「現役陸上自衛官はNHK受信料どうしてるの?」という疑問についてお答えしていきますので、気になる方はぜひとも最後までお付き合いください。
NHK受信料=テレビを持っている人が支払い
陸上自衛隊は基本的には寮生活=2人~10人部屋
陸上自衛隊に入隊すると、一定条件を満たすまでは基本的に寮生活です。
寮から出るためには「幹部になる/結婚する/35歳以上で二等陸曹以上」などの条件をクリアすることが必要なのですが、この条件を満たせない限りは、原則として寮内で寝泊まりをしなくてはなりません。
そんな寮内の部屋割りは、基本的には所属部隊が決めることになります。
なるべく階級や勤続年数などの序列を考慮し、上下関係がハッキリとするように振り分けることが大半だと思いますが、教育隊に所属している時で多い時は10人部屋くらい、普通は2人部屋~6人部屋くらいが多いのではないかと思います。
「教育隊の時はテレビを見ている暇がない」とか「特定の隊員がテレビを持ちこむことがあまりない」ということで、もしかしたら部屋にテレビが無いという状況下で過ごすことになるかもしれません。
しかし、一般部隊に配属されて普通に生活している時は、2人~6人部屋であることが多いので、一部屋に人数分のテレビがあるケースが多いです。
一部屋に3台のテレビ=テレビの持ち主3人がNHK受信料を支払い
私は階級が上がってからはずっと2人部屋でしたが、部屋にテレビが2台あって、それぞれが受信料を支払っていました。
NHK係みたいな隊員がいて、その隊員が各部屋を回ってテレビの数と所有者を確認し、それに応じて料金を徴収するという感じです。
ちなみに私が自衛隊に所属していたのは10年ほど前の話で、その当時は既にワンセグ機能付き携帯電話が主流(スマホはまだ今ほど普及しておらず、多くの人はガラケー)でしたが、テレビを所有していなければ「ワンセグ機能付き携帯電話は?/カーナビは?」と詰め寄られることはありませんでした。
新隊員の頃は、先輩隊員と同じ部屋で生活することを強いられ、テレビを持ちこむことなんて恐れ多くてできないと思います(そもそも部隊のルールで禁止されているケースも少なくありません)。
ただ、多くの先輩は「テレビ、見たければ見てもいいよ」と言ってくれるはずです(これは人によるけど)。
そういう場合に、NHKの受信料を先輩1人が支払うのか、テレビを見ている全員で割るのか等も、その部屋で1番序列が上の隊員次第です。
料金は地上契約料金(だったと思う)
当時はNHK料金に関する興味も薄く、上から払えと言われたら拒否権がないという世界にいたこともあり、何の疑問も持たずに支払っていました。
というわけで、地上契約料金(月々1300円くらい?)を支払っていたと思います。
ぶっちゃけテレビを見るために持っていたわけでなく、テレビゲーム用のモニターとして使用していただけでしたし、衛星放送が映るかどうかの確認もしたことがなく、そもそもアンテナ線を差したこともなかったので、衛星放送が見れたかどうかは分かりません。
娯楽室などの共用スペースのテレビは?
主に新隊員がメインで利用する共用スペースになっている部隊が多いのではないかと思いますが、寮内には娯楽室と呼ばれるスペースが設けられており、そこにはちょっとしたソファーやテレビが置かれていることがあります。
新隊員の頃は「部屋に先輩がいると落ち着かない」とか「仲の良い同期とだらしない恰好をしながらしゃべりたい」という時に、よく利用してました。
ここに設置されているテレビのNHK受信料についてですが、正直言って支払っているかどうか分かりません。支払っているような気もしますし、支払っていないような気もします。
少なくとも娯楽室のテレビの放送受信料という名目で集金されることは無かったので、給料から天引きされている寮費の一部がそちらに回されていた可能性はあると思います。
ちなみにこれとは別に、私が所属していた部隊では夜勤があり、夜勤者が見るためのテレビが用意されていました。この料金の支払いは隊費(所属隊員が毎月1000円ほど徴収されるお金)から支払っていたようです。
つまり部隊環境によっては「部屋で支払い、隊で支払い…」という二重払いになるということも珍しくなかったということになります。
ワンセグ機能付き携帯電話に関する注意事項
上の方でも軽く触れましたが、残念ながら私が陸上自衛隊に所属していた頃は、まだスマホが登場してから間もないくらいの頃でした。
2019年現時点でのNHKの見解、そして放送法を巡る一連の裁判結果において「テレビを所有していなくても、ワンセグ機能付き携帯電話を所有している場合は、NHKと契約する義務がある」という判決が下っています。
しかしこれは、ここ最近になって明らかにされた判例ですので、私が自衛隊に在籍していた頃は「テレビを所有=受信料を払う/テレビを所有しておらず、ワンセグ機能付き携帯電話を所有=テレビを持っていないなら、受信料を請求されることはない」という感じでした。
今がどうなっているのかは定かではありませんが、残念ながら「テレビを所有してなくても、ワンセグ機能付き携帯電話やカーナビを所有していれば受信料を払え」となっているので、もしかすると細かく請求されるのかもしれません。
自衛隊の車両に搭載されているカーナビの受信料について
質問を頂いたので、追記してお答えします。
「自衛隊にはジープやトラックを始めとする多くの車両がありますが、それらに搭載されているカーナビについても、1台1台受信料を納めているのでしょうか?」
上記のようなご質問を頂きましたので、私が知る範囲でお答えします。
結論から言うと「私が陸上自衛隊に在籍していた期間に搭乗した自衛隊車両には、カーナビが搭載されている車両は1台も無かった」です。
私が配属されていた部隊で、車両を使用する機会は限られていました。
- 通信所と呼ばれる施設の維持運営に必要な定期点検を行う際(通信所は陸上自衛隊が管理している山に建設されています)
- 射撃訓練や総合訓練など、駐屯地の外で演習をする場合
- 演習場の整備の時
基本的には上記のような名目で駐屯地の外に出る場合に、自衛隊車両を使う機会がありました。
基本的には「既に行き先が決まっている所」にしか行かないので、カーナビの必要性がなく、災害派遣などの場合は「行き先を知っている人間が先導する」というカタチをとったりするので、カーナビがなくても困ることはありませんでした。
もしかすると、広報官などは「入隊希望者の家に願書を届ける」などの名目で、具体的な住所を知る必要があるため、車両にカーナビが搭載されているかもしれません。
もし気になる場合は、地元の地方協力本部にお尋ねいただければ回答が得られるかと思いますので、そちらにお問い合わせいただくようお願いいたします。
最後に
自衛隊は国家公務員という立場上、国民の義務は確実に果たします。選挙はもちろん必ず投票に行けと指導されますし、NHK受信料も支払うことになるでしょう。
ただ、厳密な言い方をすると「テレビを持った場合のNHKとの契約は義務、支払いは義務じゃない」という声があるものの、さすがに自衛官が「法律を守ってさえいればいい」という態度を取るのもアレなので、半ば強制的に徴収されることになるはずです。
NHKは受信料を支払わなくてもいい特例も用意しているようですが、少なくとも自衛官からはガンガン受信料を取りに来ます。まぁ自衛隊にいれば、その程度の理不尽が気にならないくらい色々あるので、多くの隊員は気にしてすらいないと思いますが。
その他、寮内に関するルールはコチラ。
▶陸上自衛隊の営内(寮)で出来る事・出来ない事|厳しいのは最初だけ
受信料に関するルールはコチラを確認しました。