自衛隊の長期休暇|自衛官の正月休み、お盆休みってどれくらい?

 

元陸上自衛官のレトロ軍曹です。

私が陸上自衛隊を辞めて一般の会社に勤めた時、当然「お給料と休日」は厳しいものになると覚悟していましたが、お給料はともかく、休みの数はあまりにもの違いに驚きました。

 

たぶん私が入社した会社が、一般的にも休みが少ない方だったということも関係していると思います。…にしても、自衛官の長期休暇(正月休み、ゴールデンウィーク、お盆休み)は非常に長いです。

どれくらい長いかというと、ゴールデンウィーク2019が10連休と言われて「すごく長い」と言われていましたが、陸上自衛隊の場合はデフォがこんな感じでした。

 

というわけで今回は、「自衛隊の長期休暇|自衛官の正月休み、お盆休みってどれくらい?」というテーマで進めていきたいと思います。

 

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お正月休み、ゴールデンウィーク、お盆休みは大連休

 

社会人の三大長期連休と言えば「お正月、ゴールデンウィーク、お盆」ですが、自衛隊はこれらの連休に有給休暇なんかを駆使して、10連休くらいにできるというケースが結構多いです。

 

もちろん部隊によるとは思いますけど、世の中の流れが「有給使えよ!」みたいになっていますし、やっぱ普段から有給休暇を消化していくということは恐れ多いので、どうしても貯まっていくせいで特定の期間に一気に爆発するというケースも少なくないと思います。

 

私は自衛隊退職後に民間企業を2社経験していますが、いずれも連休の数に関しては自衛隊の半分以下でした。3連休あればガッツポーズしているくらいなので、たくさん休みたいという人は、自衛隊を始めとする公務員がおすすめです。

 

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中にはちょっとズレた休みになるケースも

 

自衛隊には色んな職種や部隊があるので、それぞれの部隊のルールがありますし、そもそも「有事の際に動ける人員が必要不可欠」という考えが根底にあります。

つまり元旦だからと言って駐屯地を空にするわけにはいかないので、交代制で休むことになるというケースがほとんどです(この辺は自衛隊に限らず、警察や消防、病院あたりは当然として、民間企業の多くも似たような感じだと思いますが)。

 

特に私が所属していた部隊では、通常勤務で日夜勤があったので、長期休暇の時の勤務体制は極めて特殊だったんじゃないかと思います。

日夜勤は朝8時から翌朝8時までの勤務なのですが、部隊のみんなが休んでいる時に「日夜勤→休み→日夜勤→休み→…」という感じで10日間くらいやって、みんなが休みが終わってから長期休暇に入るという感じです。

 

私自身は独身で、別に地元に帰って色んな予定があるというわけでもなかったので別に困りませんでしたが、家族と一緒に行動したいという場合は弊害になるかもしれません。

勤務割を作っている隊員が、みんな仏みたいな上官ならいいですけどね。人によっては勝手に決める人もいそうですし、「予定ある人は遠慮なく言えよー」と言われたところで、恐れ多くて言い出せないという人も結構いるんじゃないかと思います。

 

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長期休暇の注意点

 

事前に分かっている行き先については申告する

当時は「学生かよ!」と思ったのですが、自衛隊で長期休暇にどこか旅行に行く場合などは、部隊に事前に知らせておく必要があります

海外旅行とかも申請したら行けるのかな…。行こうと思ったことがないのでアレですが。よく考えたら10日間という長期休暇が貰えるのに、海外に行った隊員を見たことがありません。

 

いずれにしても急な予定で遠出するというケースは仕方がないとして、事前に分かっている予定についてはしっかりと申告させられます。

私は自衛隊のこういう部分も嫌だったのですが、今勤めている前の会社では「有給休暇の理由は詳しく書け」と言われており、私用という理由が認められなかったので、このあたりは何処も一緒なのかもしれないです。

 

休暇中でも何かあったら最寄りの駐屯地へ

ちょっとここの基準が、私が現役だった頃と変わっていることが予想されますが、もし休暇中でも「有事の際」には、最寄りの駐屯地に行くのが自衛隊のルールです。

私が自衛隊にいた時は「所属している地域に震度5強以上の地震が来た場合」とか、そんな感じのルールだったんじゃないかと思います。

 

たぶんテポドンが発射された時も、その日が休みの隊員は休みを返上したんじゃないかなぁと。まぁお隣のミサイルに関してはもう発射され過ぎて慣れっこになってきたので、今さらわざわざ集結しているような感じもしないですけど。

地震なんかも1回大きいのがくれば、その後の余震でも大きいのが来て、それこそ「こんなんで集まってたら休みがなくなる!」くらいの状況になることも想定されます。そうなると被害状況を見てルールを緩くしたりしているそうです。

 

いずれにしても「何かあったら休みとか関係なしに戻ってこい!そのための携帯電話は繋がるようにしておけ」というのがルールなので、運が悪いと悲しい長期連休になってしまうかも。

ちなみに私は6年間の現役自衛隊生活で、ちょっとした連休が潰されたことは何回かありましたが、長期休暇がなくなったことは1度もなかったと思います。

 

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最後に

休みは多いですけど、その分「地震が来たりすると神頼みする」という経験は何度もありました。想像以上に揺れた時、「震度5弱!震度5弱であれ!」みたいな。

この時の連絡網という建前で、同じ中隊の隊員には携帯電話の番号が知れ渡るというルールも、今思えば大嫌いでしたねー。懐かしい。

 

ちなみに、私の場合は「休みの日まで連絡つくように強制される」という部分も嫌で自衛隊を辞めたんですけど、今の会社も「取引先から電話が来たら休みでも対応している」ので、このあたりも別に自衛隊だからこそというデメリットではなかったみたいです、はい。

この記事を書いた人

元陸上自衛官のレトロ軍曹です。20歳の頃に入隊し、自衛隊には6年間在籍していました。仲の良い現役自衛官と今でも交流があるので、定期的に取材みたいなことをしつつ、自衛官を目指したいという人に向けて「もとじブログ」を運営しています。

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