自衛隊の寮内を掃除するのは誰?|常に綺麗にしてなきゃダメ?

 

元陸上自衛官のレトロ軍曹です。

自衛隊生活の疑問として、入隊希望者の多くが気にしているのが営内生活(寮生活)です。自衛隊と一般の会社が大きくことなる部分と言えば「プライベートな時間も多くの隊員と一緒に時間を過ごさなければならない」という点ではないでしょうか。

上下関係が厳しいと言われている自衛隊において、これから入隊しようとしている人は「じゃあ掃除は全部下っ端隊員の仕事になるの?」と不安になったりもするはず。

そこで今回は「自衛隊の寮内を掃除するのは誰?|常に綺麗にしてなきゃダメ?」というテーマで進めていきたいと思います。

 

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自衛隊の寮内を掃除するのは誰?

基本的なルールは各中隊ごとによって変わる

身も蓋もないことを言いますが、掃除を含む普段の生活ルールの多くは「各中隊ごとによって変わる」のが基本です。

起床時間、就寝時間などは自衛隊全体(あるいは駐屯地全体)で決まっていることですが、生活スペースの規模などは中退の規模によっても変わるため、掃除区分やルールは各中隊によって決められています。

 

通常は「下っ端隊員の仕事」

 

私が所属した全ての部隊において、基本的には「掃除=下っ端隊員の仕事」でした。

通常、1部屋あたりに数名の隊員が振り分けられることになりますが、例えば4人部屋だったとすれば普段の掃除は序列が1番下の隊員が担当することになります。

 

多くの一般隊員は2士という階級からスタートし、1年後くらいに1士、2年後くらいに士長になりますが、1士か士長になるくらいには後輩隊員が入ってくるので、ここでお役御免になることが多いです。

もちろん部隊の規模やタイミングによっては「新隊員の数が少ない」ということも十分にあり得るので、部屋によっては「4人部屋で4人全員が士長」ということも考えられます。この場合は、1番若い隊員(自衛隊歴の短い隊員)が担当することになるでしょう。

 

共用場所は中隊ごとに振り分けられる

 

自衛隊の営内にも幾つかの共用場所が存在します。「給湯室、娯楽室、トイレ、シャワー室」などが挙げられますが、これらは中隊に担当が振り分けられ、そこの下っ端隊員が掃除することになることが多いです。

イメージとしては小中学校の掃除のようなイメージでしょうか。A組が体育館、B組が視聴覚室と家庭科室、C組が多目的ホールと職員室…みたいな感じです。こんな感じで中隊の規模に応じて、共用場所が振り分けられるというイメージで構いません。

 

私が新隊員時代を過ごした部隊では、「新隊員はシャワー室を使ってはいけない」というルールがあったのにもかかわらず、毎週末にシャワー室の掃除をさせられていました。

あとはトイレ掃除は総じて不満が出やすい箇所なので、同じ階に住む中隊がローテーションで掃除を担当していたのですが、「○○中隊の掃除が手抜きだ」という感じで、数ヶ月に1回くらいのペースで衝突していたのも覚えています。

 

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自分の部屋は常に綺麗にしてなければダメ?

 

入隊直後の教育中は、そんなに私物の量も多くないので「物が無い=散らかる余地が無い」という感じだと思いますが、入隊から半年後に部隊配属された頃から少しずつ私物が増えてくると思います。

人によってはパソコンやテレビを持ちたいと思うでしょうし、教育時代は毎日きちんとハンガーにかけていた戦闘服も、ベッドの角部分に引っ掛けるようになったりするはず。

 

これらの習慣は人によって大きく異なり、片付けが苦手な人は自分のテリトリーが一気にごちゃごちゃになってしまうことでしょう。ちなみにこれが許されるかどうかも部屋長次第です。部屋長が綺麗好きの人なら細かく言われることになるでしょうし、部屋長自体が汚ないケースも珍しくありません。

まぁ部屋長がOKでも、今度は営内班長(住んでる部屋は別だけど、事実上の上官)に注意されてしまう場合もあるので、この辺りは様子を見ながらうまくやる必要が出てきます。

ちなみに私の場合はかなり部屋が汚くて、ことあるごとに営内班長から注意をされましたが、それも「お前もうちょっと片付けろよ」くらいの感じで、実際には「点検の時はちゃんとやれな」という感じだったので、かなり大目に見てもらえました

 

ちなみに自衛隊では窃盗事件が多く、もし発生しても内々に処理するケースが多いので、警察に突き出されるパターンは珍しいように思いますが、この時「○○が無くなった」と断言できなければ事件に発展しません

私みたいに部屋を散らかしていると「どうせ自分でどっかにやったんじゃねーの?」と言われてしまいますし、そうならないためにも普段の行いは重要です。

自衛隊の寮内で見られる「窃盗、盗難」などの犯罪について

 

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点検時は全員で全力で徹底的に掃除する

営内生活では定期的に「営内点検」があります。これは普段は営内に足を踏み入れることが全くない中隊長などが、各部屋を見回り点検にくる迷惑極まりないイベントです。

私が所属していた部隊では「最低限の官品しか置いてはいけない」というルールがあり、私服や私物は全て部屋の中から撤去するくらいの熱量で取り組んでいました。

個人的には「ティッシュもないほど生活感のない部屋を中隊長に見せてどうすんの?」と疑問に思っていましたが、まぁ中隊長自身もそれは分かっていてやっているのでしょう。

 

ちなみにこの時ばかりは、掃除に関しても「下っ端隊員の仕事とは言ってられない!」みたいな空気があり、全員で掃除をしていました。さすがに先輩隊員が公共場所の掃除に率先して参加するということは無いにしても、かなり上の先輩が「1番下だけじゃなくて2年目も手伝ってやれ」みたいに言う感じだったのを覚えています。

あるいは「陸士が全員でやれ」みたいな感じですかね。さすがに陸曹は自分の部屋に集中して、それより下の隊員たちが共用場所と自分のテリトリーを掃除するという感じだったと記憶しています。

 

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条件を満たせば営内から出ることも可能

 

例外を除き、下っ端のうちは営内での共同生活をしなければなりませんが、条件を満たせば営内から出ることも可能です。駐屯地の外に住み、駐屯地に出勤するという…。

出勤自体に手間は増えてしまいますが、あれこれ制約を受けることは無くなりますし、なによりプライべーどな時間が持てるようになります。

 

長く営内にいると掃除なんかは全て下っ端隊員がやってくれますし、快適と言えば快適なのですが、やはり「外で普通に暮らしたい!」と思う人が多いのも事実です。

ちなみに営内から出るためには幹部になるという道もありますが、1番多いのは「結婚」です。結婚すれば外に出られるようになるので、これから入隊を希望している人で彼女がいるという場合は、ぜひ大事にしてあげて数年後に晴れてゴールインしてみてはいかがでしょうか。

陸上自衛官が寮生活から抜け出す方法|営内生活から解放されたい人へ

 

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最後に

あまりにも散らかしすぎていると注意されますが、その基準は各部屋の先輩隊員の基準によって左右されるでしょう。

あと新隊員の時は共用場所の掃除を押し付けられたりもしますが、それは年数を重ねていく毎に緩やかになっていきますから、そんなに心配しなくてもいいと思います。

 

この記事を書いた人

元陸上自衛官のレトロ軍曹です。20歳の頃に入隊し、自衛隊には6年間在籍していました。仲の良い現役自衛官と今でも交流があるので、定期的に取材みたいなことをしつつ、自衛官を目指したいという人に向けて「もとじブログ」を運営しています。

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