陸上自衛隊の「やりがい」について|やりがいは民間企業の方があるよ

 

元陸上自衛官のレトロ軍曹です。

こんなことを言ったら現役自衛官の方に怒られてしまうかもしれませんが、陸上自衛隊の訓練や日常業務に「やりがい」を感じるのは難しいと思います。

 

部隊にもよるのかもしれませんけど、陸上自衛隊の訓練において達成感を感じることはあっても、やりがいを感じることはありません。理由は生産性がないからです。

今回は、もしあなたがやりがいを求めて陸上自衛隊に入隊しようと思っているのであれば「それは違うかもよ?」という形で、警鐘を鳴らしたいと思います。

 

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陸上自衛隊が「やりがい」を感じない方が社会は幸せ

 

仕事では「誰かの役に立った時」にやりがいを感じる

まず現役自衛官の方が怒ってしまわないように、軽くフォローしておきたいと思います。

憲法でどんな言い方をされていても、陸上自衛隊は軍隊であり、戦力です。今は日本のどこかで災害が起こった時に、自治体が支援を要請する組織として絶大な支持を得ています。

これは紛れもなく、自衛隊の人たちが日々の訓練で「災害を想定した厳しい訓練をしている」からという理由の他なりません。

 

それを踏まえて考えてみると、あなたもこれまでの人生を一緒に振り返ってもらいたいのですが、勉強や部活動にやりがいを感じたのってどのタイミングですか?

  • 勉強:テストで良い点を取った時
  • 部活:入賞出来た時
  • 仕事:誰かの役に立った時

 

多くの仕事は、誰かの役に立った時にやりがいを感じるんじゃないかと思います。

飲食店を経営しているなら、食べ終わったお客さんからの「ごちそうさま」とか、お金を貰ったことによる対価を提供しているだけなのにも関わらず、お礼を言われたりすると「やりがい」を感じるのではないでしょうか。

 

自衛隊に感謝しなくても良い世の中が本当の幸せ

個人的には自衛隊に限らず、警察や消防なども全部一緒なのですが「このような人たちに頼らなくて良い世の中」の方が幸せだと思っています。

なので、私にとって自衛隊の姿として望ましいのは「あいつら楽して給料とかボーナスばっか一丁前に貰いやがって…」と、世間から叩かれるくらいがちょうどいいという考えです。

 

あくまで私の場合ですが、6年間の自衛隊生活で達成感を感じることは何度もありましたが、やりがいを感じたことはほとんどありませんでした。

その数少ないやりがいを振り返ってみると、大体が「被災地の支援」などで、被災者から嬉しい言葉をかけてもらったとか、そういう体験になってしまいます。

 

人は「自分が普段やっていることを肯定される」ことで、やりがいや一種の満足感を感じるのではないかと。そういう意味では、災害の為の訓練は災害が起こらないと「この訓練は役に立つのか?」と疑問を持ってしまいがちです。

勉強でも適度に試験があるから、そこにやりがいを感じて頑張れるという人が多いんじゃないかと思います。これが試験も受験も何もなくて「なんのための勉強か分からない」という状況で、それでも勉強できる人って多分そんなにいないはずですから。

 

自衛隊でも「達成感」はそこそこ感じられる

私は陸上自衛隊での生活を通じて、「やりがい」を感じたことは片手で足りる程度の経験しかありませんでしたが、達成感はそこそこ感じられました。

例を挙げると、入隊時は一回も出来なかった懸垂ができるようになった時とか、体力検定の級が上がった時とか…。それこそ「普段の訓練を通じて、それが成果として現れた時」は、充実感や達成感を感じることが出来たと思います。

 

ただし、これはやりがいとは微妙に違うんですよね。

やりがいと達成感って非常に似ているので混同してしまうことが多いですが、厳密に言うと微妙なニュアンスが違うのではないかと思います。

それを言ったら前項のテスト勉強の例でも、「テストで良い点を獲るのは、やりがいじゃなくて達成感じゃないか?」という話にもなってしまうので困っちゃいますけど。

 

いずれにしても自衛隊でも「今までやれなかったことが出来るようになる」というのは、一種の達成感をもたらしてくれるでしょう。

ただ、それで誰かに感謝されるということは全く無いので、仕事としてのやりがいを感じられるかと言ったら難しいんじゃないかと思います。

 

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仕事上のやりがいって必要?

 

仕事=ご飯を食べていく手段として割り切れば問題なし

世の中のサラリーマンを見渡してみても「じゃあこの人は今の仕事にやりがいを感じているんだろうか?」と考えた時に、そうじゃないという人も多いんじゃないかと思います。

仕事でやりがいを感じられることは非常に幸せな事ですが、無ければなくても特に困ることはないでしょう。

※某職業のように「好きなことで生きていく」は最高だと思いますけど。

 

私は自衛隊を辞めて就いた今の仕事に一種のやりがいを感じてしますが、「給料と休みを倍にしてやるから、こっちのやりがいの無い仕事をやらないか?」と聞かれたら、喜んでやると思います。

自衛隊は特殊な職業ゆえに、一般的にはよく分からない厳しさ等がありますが、立場としては国家公務員なのでお給料や休日、福利厚生などはしっかりしています。

 

「仕事にやりがいなんか必要なくね?」と思う人なら、意外と向いているかもしれません。衣食住がタダみたいなもので、身体を鍛えてお金が貰えるわけですから。

そういう人で自衛隊に興味があるという人は、ぜひ入隊を考えてみてはいかがでしょうか?

 

自衛隊を辞めて私が思ったこと

私は自衛隊に一生残るつもりでいましたが、残念ながら途中でドロップアウトしてしまいました。そのため、ずっと自衛隊を続けられるという人は心から尊敬しています。

ただ、自衛隊は良くも悪くも特殊な職場なので、向き不向きが非常に大きいです。

 

所属される部隊、どんな先輩隊員に恵まれるかなど、自分の実力以外の部分で左右される運の要素も非常に大きいと思います。そういうのもすべて受け入れられるような人でなければ、自衛隊は務まらないでしょう。

私は自衛隊を辞めて一切後悔はしていませんが、今の仕事でやりがいを感じられるようになって良かったと思う反面、「一度は自衛隊を辞めたけど、もう一度入隊してやり直したい」という隊員が出てくる気持ちも理解できます。

 

こればかりは「自衛隊でどのような境遇だったか/新しい職場でどのような境遇だったか」という部分に大きく左右されるので、一概には言えません。

ですが、自衛隊はお給料や休みの面で、私を含めその辺のサラリーマンよりはずっと待遇が良い事は間違いないので、人によっては非常に快適な職場になるでしょう。

 

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最後に

仕事に対してやりがいを求めるのであれば、民間企業の方が答えは見つけやすいと思います。

何かを売るという仕事なら、誰かが買ってくれるだけでもやりがいを感じるでしょうし、それに対してのお褒めの言葉を貰った時には、すごくやりがいを感じられると思います。

 

ただし、やりがいでご飯は食べられないというのも事実です。「やりがいなんて不要だから、1円でも多くのお給料、1日でも多くの休みが欲しい」というのも正論なので、こういう人なら自衛隊でも長くやっていけると思います。

それに私が見つけられなかっただけで、自衛隊で災害なしにやりがいを見つけられるという人もいますからね。こういう人の入隊、ぜひとも応援します。