陸上自衛隊入隊後に資格って取れる?それは運と個人の努力次第かも…

元陸上自衛官のレトロ軍曹です。

私は自衛隊に入隊する前、広報官の人から「自衛隊に一生残れば安泰だし、辞めることになっても自衛隊にいる間に資格がいっぱい取れるから、その後の就職に有利だ!」と言われました。

 

そして実際に6年間の自衛隊生活を経て、資格も幾つか取得したのですが…。個人的には「職務で資格が取れるかどうかは配属先の部隊に大きく左右されるので、そこに振り回されずに資格を取りたければ個人の努力が必要不可欠」だと強く感じました。

そこで今回は、私の実体験を踏まえて「陸上自衛隊入隊後に資格って取れる?」という話をしていきたいと思います。

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みなさんは自分の家、自分の部屋で勉強できましたか?

学生時代を思い出してください。みなさんは、自分の部屋で勉強することができましたか?

私は自分の部屋で普通に勉強できるタイプだったのですが、人によっては「ゲームやマンガがあるような空間で勉強なんかできない!」ということで、図書館などにわざわざ行って勉強している人も少なくありませんでした。

 

自衛隊では時間が豊富なので、それを資格試験に向ければ効率の良い勉強も可能だと思います。ただし、これは「サラリーマンやりながら空き時間に勉強するよりも、自衛隊の方が空き時間が多い傾向にあるから勉強しやすい」というだけの話です。

勉強するかどうかは結局本人の気持ち次第なので、色んな誘惑に勝ちながらも資格の取得を目指すことができるという人なら、非常に有意義な生活ができるでしょう(そういう人はサラリーマンをしながらでも資格取得ができると思いますが…)。

 

ちなみに自衛隊では、職務に必要な資格試験の場合だとわざわざ教育期間を設けて、お給料を貰いながら勉強させてもらえることがあります。これは学校の授業のような感じです。

しかし「授業で資格取得の手ほどきをしてくれる」というような至れり尽くせりなサービスを受けるには、配属先の部隊が重要になってくるという感じです。

 

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私が所属していた通信部隊では「無線」に関する資格が必須

第一級陸上特殊無線技士を取るための教育

私は通信部隊に所属していたので、無線に関する資格が必須でした。資格名で言うと「第一級陸上特殊無線技士」という資格です。

一級と言われると構えてしまいますが、難易度的には難しいということはなく、一般的にそこそこ勉強ができる方であれば難なく合格できる程度の資格という印象があります。

 

これを取得するために資格試験日の1ヶ月前から教育に行かせてもらい、勤務中はずっと勉強という期間がありました。一般の会社に勤めている人からすると目から鱗が落ちるかと思いますが、勉強してお金が貰えるという非常にありがたい期間です。

ちょっと記憶が定かではありませんが、資格取得に関わる費用も出してもらったような…(ちょっとここは曖昧です)。私の記憶では「もし落ちたらあとは自力で何とかしろよ!自分で金出して試験受けろよ!」みたいに言われた記憶があります。

 

職務に直接必要な資格は教育として実施

陸上自衛隊では、職務を遂行するのに必要な資格は全て教育期間を設けて、仕事=資格試験の勉強という感じになることも少なくありません。

私と仲が良かった同期は普通科の偵察部隊に配属され、自分の希望通り自動二輪の教育に行かせてもらったようでした。それは彼が所属している偵察部隊ではバイクの免許が必須だったからだと思われます。

 

車の運転免許に関しても一緒です。自衛隊では演習場に行くにしても自衛隊独自の車両(ナンバーが特殊なやつ)を使います。

これを運転するには一般的な運転免許ではなく、自衛隊の中で運転免許を取らなければならないので、部隊で車両を使う頻度によって免許を取りに行かされるという感じです。

 

この時も自衛隊内の自動車学校のような所に行き、自衛官の人から運転技術を教わります。その時も運転技術を身に付けることが仕事になるので、運転免許を持っていない若い隊員からすれば非常にありがたいと感じることでしょう。

私は入隊前に自費で運転免許を取得していましたが、自動車学校に通うのに30万円くらい払った記憶がありますし…。そういう意味では、運転免許目的で陸上自衛隊に入隊を決めるという人は未だに多いのではないかと思います。

<<陸上自衛隊における運転免許事情|車の運転免許は普通に取れるの?

 

試験に落ちたらどうなる?

自衛隊において仕事中に本来の職務を免除されて教育してもらえるということは、言い方を変えれば「税金をお給料として貰いながら勉強させてもらっている」ということになります。

部隊によって大きく違ってくるでしょうが、私の時はしばしば「お前ら、落ちたらどうなるか分かってるだろうな?」という感じで、先輩隊員からのプレッシャーがありました。

 

ちなみに私の時は試験に落ちた人間もいましたが、別にどうということは無く、そのまま日常業務に戻って「じゃああとは自分で取得してね」という感じです。

ただ、何かあればすぐ「陸特落ちたくせに偉そうなこと言ってんな」という嫌味を言われていました。こうやって考えると、肩身は非常に狭くなるかもしれません。

 

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自分で勉強しながら資格を取るなら可能性は無限大!

例え教育期間が設けられなくても、よほどのことが無ければ毎日18時には仕事が終わり、食事やお風呂を済ませて次の日の準備を済ませれば20時です。

そこから消灯の23時までは3時間あります。ここを勉強に使えるのであれば、大抵の資格取得はできるでしょう。

 

私はやることがなかったので、暇つぶし感覚で資格に挑戦していましたが、基本情報技術者や日商簿記、FPなどの自衛隊にあまり関係のない資格も取りました。

理由として「定年間近の先輩隊員が、なかなか就職が決まらないという現状を見て、ちょっとだけ危機感を感じた」という部分もあったように思います。

 

一般の会社に勤めていると20時に家に帰れることはあっても、そこから自炊したりお風呂に入ったりとなることが多いでしょうから、毎日数時間の勉強時間を作るということは難しいのではないでしょうか。

そう考えたら自衛隊では、資格取得を目指すのには非常に良い環境が揃っていると言えるのかもしれません。

 

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最後に

資格に関しては色んな考え方があるように思いますが、私の場合は「取得しておいて良かった」と思ったことが多々あるので、暇な時間があるという人ならどんな資格でも取っておいて損はないでしょう。

同時に、現在の陸上自衛隊でどのように指導されているかは不明ですが、一昔前の隊員が言っていたような「自衛隊に勤めてきた人間は礼儀礼節をわきまえているから、一般の会社に就職する際も人気がある」という一説は間違いだと思います(正確に言うなら「今はそんな時代じゃない」と思います)。

 

やはり「若さor即戦力」を求める会社が多い中、礼儀礼節をわきまえているというのは自衛官というか社会人としての基本なので、自衛官だけの持ち味とは言えないのでは?

いずれにしても今は世の中が70歳まで現役にしようという流れで動いているので、自衛隊の定年が55歳(私が在籍していた頃は55歳だったと記憶しています)である以上、退官してから15年は一般社会で働かなければならない時代が迫っています。

 

資格に興味のある人は陸上自衛隊という進路もおすすめですが、やるもやらないも自分次第です。

手取り足取りで資格取得をさせてもらえるものは配属先の部隊やタイミング、運などが絡んでくるので、過度な期待はしないことをおすすめします。